七里御浜は、"世界遺産"・"日本の渚百選"・"日本の白砂青松百選"・"日本の名松百選"・"21世紀に残したい日本の自然百選"の5つのタイトルを持つ美しい海岸地域です。
 そこでは、"熊野三千六百峰"と形容される紀伊山地から熊野川を経て辿り着いた様々な種類の石を見ることができます。信仰の石として神社などに供えられる白石は修験の山・大峰山から、漆黒の石は那智黒の里・神川から流れてきたものです。長い年月をかけて辿り着いた大小の石は、角がとれて丸みを帯びて踏みしめる度に優しさを感じることができます。
 また、毎年春・夏季にはアカウミガメが上陸し、玉石をかき分けて産卵する、この地域のかけがえのない"いのちの源郷"です。
 七里御浜は、熊野市木本町から熊野川の河口まで20数キロ続く日本一長い砂礫海岸です。その昔、熊野詣をする人びとにとっては『浜街道』として、また、西国三十三所を目指す巡礼者が多く歩いたことから『巡礼道』とも呼ばれ、信仰の道としての役割を果たしていました。困難な峠越えはありませんでしたが、七里御浜全体に"親知らず子知らず"・"走り湊"などと呼ばれる河口渡りの難所があり、そこで命を落とす人もいまして決して容易な道ではありませんでした。
 癒しを求めた信仰の陰で数々の悲劇を生んだ難所も今は姿を消し、訪れる人々に七里御浜は穏やかな表情を見せてくれます。
*写真の転用はご遠慮戴きます。(道畑さん撮影)