手紙を書くよ


「ごめんね、私夏休みに引っ越すんだ」

人見知りの私にとって、初めて出来た友達。
この学校に入って初めて夏を迎えるその日に、彼女の言葉は衝撃でしかなかった。
「本当にごめんね、急に転勤決まっちゃって・・・でもそんなに遠くはないから、遊びに来るから」
今にも泣きそうな私を見て、彼女も少し泣きそうな顔をして

だからずっと友達でいてね

と呟いた。


ずっと友達だよ、たとえ、離れてもあなたとはずっと友達だよ。
私が涙を堪えて言えた言葉は、別れの言葉でも問い掛けへの返事でもなかった。

「私、手紙を書くよ」

彼女が笑ってくれたから、この言葉は間違ってなんかいないんだね。
口下手で上手く言葉には出来ない私だけれど、あなたに伝えたい事がいっぱいあるから。
メールでも電話でもなく、あなたに気持ちを伝えたいから。



だから私は、手紙を書くよ。





END