友だちでよかった


私には友達がいます。
カッコよくて、クラスどころか他校の女生徒からも人気の自慢の友達です。
でも私は、彼に恋愛感情はありません。
何故?って、みんな聞くけれど。



「やべぇーー!!マジやべぇ!!」

嗚呼噂をすれば何とやら。噂の彼の登場です。

「何がやべぇのよお前ー。お前いっつもそれしか言ってなくね?」
「マジでヤバいんだって!!お前、俺この前の健康診断サボったの覚えてるか?」

そうです、彼は健康診断に出るのが面倒だからと、実の祖父を代わりに高校に連れてきたのです。
勿論、先生方はおじいちゃんに帰れとも言えず困り果てました。

「じーちゃん連れてくるお前が一番ヤバいだろ?何がヤバいのよ」
「だよなー、保健の門崎マジ困ってたしさ」
「その門崎が問題なんだって!!」

門崎先生とは、保健室の先生です。
仕方なくおじいちゃんの血圧測っていたのを覚えています。

「あいつ、俺のじーちゃんの健康診断マジメにやってさ、それを俺の測定表に書き込みやがった!!」

はい、クラスは爆笑です。

「ありえないだろ!?俺痛風でも糖尿でもねぇし!老眼鏡なくても教科書読めるから!!」
「馬鹿じゃねぇのお前ー!!」



こんな彼を、ずっと友達として中学から見てきました。
残念ながら、恋愛感情が芽生える隙もありませんでした。
多分、この先も一生ないでしょう。
彼に恋する女子の皆さん、こんな彼の日常を見れば絶対に醒めますよ。




・・・友だちでよかった。




END