屈斜路オプタテシケヌプリに登る。

(2005年3月4日)

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 オプタテシケ山とは一般には十勝連峰2013mが有名ですが、弟子屈にもオプタテシケ山があります。オプタテシケヌプリ、またはオ プタテシュケ山。屈斜路湖の南岸にポコンとたつ504mの山です。地元の人はコタン山とか帽子山とか呼んでいるみたいです。営林署の地図には雄武達山と表 記されていました。国土地理院の地形図には記名はありません。
 アイヌの伝説では、昔、藻琴山(トエトクシベ=湖の奥の山)とマクワンヌプリ(村の後ろの山)が争い、藻琴山が投げた槍がマクワンヌプリで肩に当たって 反れ、カムイヌプリ(摩周岳)に刺さったという、なんともスケールの大きな話があります。それ以来マクワンヌプリはオプタテシケヌプリ(槍がそこでそれた 山)と呼ばれるようになったそうです。
 5年ぐらい前にクロスカントリースキーで一度登った事があるのですが、今回テレマークスキーにシールを着けて登ってみました。二日前に私単独で下見に登 り、今回はスノーシュー使用の妻が同行しました。
美留和側から見たオプタテシケ山

 国道243号線を釧路川に沿って下るとみどり橋という小さな橋が架かっています。その橋を渡り、除雪されている先端まで行き、車を止めスキーをつけまし た。
 道の両脇にはエゾシカの死体が転がっていました。2月末、ここに入ろうと思ったのですがそのときはハンティングの車が数台停まっていて、入山をあきらめ ました。猟期最後の休日だったからでしょうか。
 10:00スタート。気温は-6℃でした。
 池湯林道と書かれた看板の脇から登り始めます。私が入ったときはスキーの跡がはっきりと残っていました。ほどなく林道を左折、ここも池湯林道という看板 に従って進みます。
池湯林道入り口 左にそれる どっちに進もうが迷う広場 
 ちょっと進んだところで少し開けた場所に出ます。そこでトレースは二つに分岐しています。今回はそこで右に折れ、樹林帯の中に入り込むルートを取りまし た。トレースがはっきりしていたから進むことができましたが、新雪だと多分コースを見失ってしまうと思います。GPSでトラックログを取っていたのです が、樹で上空はさえぎられ、途切れ途切れにしか取れなかったです。
針葉樹林帯を登る  オプタテシケの上部が見えてきた。
 樹林帯は最初トドマツなどの針葉樹林帯で、その後ダケカンバなどの疎林に変化します。樹林帯の中をジグザグに進むとやがてオプタテシケ山の上部が見えて きました。樹林帯が切れてからの上部はところどころに岩が露出しています。斜面に向かって右側(南側)は比較的に斜度がきつく、日当たりがいいためか固雪 でした。また一部は地肌が見えていました、頂上へのアプローチは左(北)辺からとりつくほうがいいかもしれません。前回はたくさんのトレースに惑わされ、 ほぼ正面を登ったのですが結果的にとても登りづらかったです。今回は北向きにゆっくり高度を上げていきました。。斜面のところどころにエゾシカの食痕が見 られました。その部分はスキーが雪に刺さり、わずらわしかったです。スノーシューの妻は斜面をトラバースするのがめんどくさくなって、途中から直登してい きました。
ビラオ山が見える 屈斜路湖和琴半島をバックに エゾシカの食痕
 11:40、頂上部に到達。頂上部は平坦になっています。その中心にちょこんと突き出た部分が頂上です。誰かが建てた手作りの標識がありました。北側を 向くと硫黄山アトサヌプリと斜里岳、左にきって屈斜路湖の和琴半島や中島、藻琴山、西には雄阿寒岳、南側を向くと釧路川とその下流に広がる弟子屈の市街、 屈斜路カルデラの内側がほとんど一望できました。
硫黄山と斜里岳 頂上はもうすぐ 山頂の標識(2003、9月の記載がある)
 アイヌの人たちの伝説では、オホーツクから津波があったとき、村人たちがこの山の頂に避難し、難を逃れたという話もあります。
 何もないこの山の頂に立つと、なにか荘厳なものを感じます。それはこの素晴らしい展望によるものでしょうか。
 内地だったら、これだけ景観にすぐれた場所はすぐ観光ポイントになるのでようが、ここでは誰もいません。ほぼ手付かずの状態でこの風景や感覚を独り占め することができるのです。それはとっても贅沢なことなのでしょう。
屈斜路湖と藻琴山 山並みの向こうに雄阿寒岳 釧路川と弟子屈市街
 すこし休憩していると、風が冷たく感じられるようになりました。昼食のおにぎりを食べ、早々に撤退しました。シールをはずし、下ります。上部は斜度もき ついので、慎重に降下、とにかくトラブルはできるだけさけたいのです(単に臆病なだけかもしれませんが)。ゆっくりゆっくり高度を下げていきました。中腹 になって斜面も緩やかになり、雪もやわらかくなったので、そこは気持ちよくすべることができました。
屈斜路湖方向に滑り始める テレマークターン スノーシューで追う
下りは右側(北側)よりに降りていきました。登ってきたときとルートを変えてみました。斜面が終わり、やがて林道に出ました。そこで進路を左にとり、林道 をを下っていきました。右に曲がってもスキーの跡があるので、一瞬迷いました。のぼりのときのルートと意外と離れていたので、林道を下りながら、果たして ここであっているのか不安になりました。小さい山とはいえ、コンパスと地形図ぐらいは持っていたほうがいいでしょう。
 林道は一部を除いて直線的な下りで、トレースもはっきりしていたので、スキーだととてもスピードが出ました。
 しばらくすると登るときに曲がった広場に出ました。あとは林道入り口まで下り、無事コースを終了しました。13:30。
林道に出る GPSで位置確認 広場に戻る

注意
、この記録を山のガイドとして利用しないでください(とってもいい加減ですから)。
    GPS軌跡を取っていますが、ウェブ上では公表はしていません。


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