知床へ行って熊に遭う。

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 今年もわたしたちましゅまろファミリーはキャンプに出かけました。昨年はましゅまろから15キロ先の屈斜路湖和琴キャンプ場でしたが、今年は少し 足をのばして、知床まで出かけました。知床ウトロは、ましゅまろから車で1時間半。もちろん日帰りで出かけられるし、いつでも行こうと思えば出かけられる ところにある。それがかえって、滅多に行かなくさせているのかもしれない。やはり出かけようと言う決心は大切だ。

 
 
 天気は快晴とは言えないものの、青空が広がり、まずまずの天気。とりあえず天気のいいうちに知床峠を目指しました。雪が融けたばかりの羅臼岳は相変わら ず雄大そのものでした。根室海峡をはさんでクナシリもぼんやりと見えていました。

  
 峠を降りて、知床五湖を歩く。ヒグマ出没中のため三湖四湖五湖は立入禁止になっていました。二,三日前に行ったお客さんは五湖とも歩けたと言うから、今 日クマが出たのかもしれません。私が五湖に行くときはいつも二湖までしかいけなくて、未だにその先は歩いていない。そういえば、ここは観光バスもたくさん 入って、観光客もたくさん歩いているけど、熊よけの鈴を付けている人はほとんどいません。鈴を付けている方が恥ずかしくなるくらい。


 知床自然センターまで戻って、乙女の涙(フレペの滝)までの遊歩道を歩く。
 新緑が眼に優しく、知床連山の雪渓がとてもきれいでした。この時期の北海道はまだ山に登るには早いのだけれど、山を見るにはとてもいい季節だと思う。
   

 エゾシカがのんびり草を食べていました。のどかな知床の昼下がり・・・、になるはずだったのですが。
 
 この道の 先、森の中に入ったところにいたのです。クマが!!!
 距離にして、約100メートル。シカにしてはやけにずんぐりと、金色に光っていたように思います。そして、なぜか5,6メートルこっちの方にむかって来 るではないですか。ひぇ〜。
「クマだあ〜。」つい大きな声を出してしまいました。その声に気づいたのかクマは横の茂みに入り込んだようです。そして反射的にこちらも10メートルぐら い後ずさりしました。それからディパックの中に入れていたクマ撃退スプレーを取りだし、安全ピンを抜き、いつでも発射できるようにしました。これでいちお うこちらの態勢は整ったと思いました。付近にいた人に声をかけ、一緒に周囲に注意をこらしながら、さっきまでクマがいた地点を通過して、無事戻ることがで きました。
 北海道に移り住んで10年。これまで足跡や痕跡を見たことはあったのですが、遭遇するのははじめてです。 
 今回の件で、反省すべき点は、もう少し落ち着いて対応すればよかったと思います。結果的に言えば、クマはなんら人間に危害を加えることなく立ち去ったの ですから。それからクマよけ鈴とクマ撃退スプレーを持っていたことは精神的にすごく安心しました(気休めかもしれませんが)。


 と、クマ騒ぎが一段落し、今日のキャンプ地に向かいました。
 ウトロのはずれにある「しれとこ自然村」。北海道のキャンプ場は6月からオープンするところが多く、この時期に開いているキャンプ場はすごく少ない。こ こは4月末から営業している。1人700円、温泉使用量1回700円。温泉は露天風呂もあり大きな内風呂もある。テントサイトは知床の海を見下ろす小高い 丘の上にあります。


2日目
 昨日と、うってかわって朝から曇り空。時々小雨も降っている。
 ウトロ漁港のオロンコ岩に登った。実は私は高所恐怖症の気があるので、こういうところが得意ではない。手すりをしっかりつかんで石段を登った。

 知床横断道路を通って羅臼に向かう。今日はあまり天気も良くないので、観光ドライブに徹する。羅臼市街から相泊に向かう。片側は切り立った断崖、片側は 海。昨日のことがあるから、山の斜面を見ると、「こういうところにいるんだよなクマが」と、つい思ってしまう。
  
 知床半島の車が入れる行き止まり、相泊に車を停めて、少し歩いてみる。この道の先には知床岬があるのだろう。
 そのあと、相泊温泉、セセキ温泉と寄っていく。天気が良ければ入ってみたいな。さてこの先は、後1時間も走れば中標津、普段の生活圏に戻る。


 今回のキャンプは、なんといってもクマと遭遇したということにつきます。これまで、お客さんとの話の中で何度もクマにあった話を聞いたりしていた し、自分でもクマについての本も何冊か読んでいました。だから普通よりはクマに出会った時の対処の方法を知っていたはずです。それでも実際に遭遇してみる と正直あわててしまいました。クマがこっちに向かってきたということがあるにせよ、もう少し落ち着く必要があったと思います。これはやはり経験が必要なん でしょうか。
 「いやあ、クマに遭っちゃったんですよ。」
 多分今シーズンは、お客さんに言いふらすと思いますが、できれば将来は自信を持って
 「クマなんかこわくないですよ。どうせ向こうの方から逃げてくれますよ。だから落ち着くのが一番ですよ。」
なんて言ってみたいです。 そのためには、あと5、6頭クマさんに遭わなければ、無理かもしれません。

 それから最後に、クマに出会える知床は素敵なところです。

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