千葉県市川市のみやお整形外科(整形外科 リハビリテーション科 膝足関節外科)のHP
Q)40代の女性。両手の指が変形しています。病院で「リウマチの気がある」と言われました。
治りますか?
A)
〜はじめに〜
「リウマチ」という単語はギリシャ語の「リューマ」という言葉に由来します。これは「流れる」とい
う意味で、当時は悪い液体が脳から関節などに流れて痛みを起こすと考えられていたそうで す。現在のリウマチは筋肉や関節、骨、靭帯などの運動器の痛みとこわばりをおこす病気を総 称しています。
〜症 状〜
この病気は20才から50才の女性に多く見られ原因ははっきりとはわかっていません。症状で
有名なのは「朝のこわばり」で、起床時から両手の指が全体にこわばり動きが悪くなる事が30 分近く続きます。また、手や足の関節や腱鞘にある滑膜(かつまく)という膜が炎症を起こし痛 みや腫れがおこり次第に膝や肩など全身の関節に広がっていきます。ひどくなると水がたまっ たり、筋肉や靱帯が固くなって動きが悪くなったり変形をおこします。末期には全身の関節が ほとんど動かなくなる事さえあります。その他の症状としては発熱や腱鞘炎、貧血、神経症状 等があります。腱鞘炎はひどい場合には自然に腱が切れてしまい手や足の指が動かなくなっ たりもします。神経症状は首や肘の変形などでそばを通る神経が押さえられて起こり、手足が しびれたり力が入りづらくなったりします。リウマチの症状は暖かい日や日中には軽くなり、寒 い日は逆に悪化する事が多く、また内臓に障害が起きることもあります。
〜診断・検査〜
問診、視診、触診のほかにレントゲン撮影や血液検査が行われます。「自分は血液検査でリウ
マチ因子がマイナスだったからリウマチではない」という患者さんもいらっしゃいますが、リウマ チ因子の感受性は100%ではないので、検査がマイナスだからリウマチではないとはいいきれ ません。全ての所見を総合して判断することが大事です。
〜治療〜
残念ながら根本的なものはありません。日常生活では冷えに注意し適度に体や関節を動かす
事が勧められます。投薬(痛みや炎症を抑える薬、抗リウマチ剤、免疫抑制剤、ステロイド剤な ど)やリハビリテーション(温熱療法や運動療法)を行い、病状が進行するのを防ぎます。保存 的治療では症状が抑えきれなかったり、関節の変形や動きが悪い場合などには手術療法(滑 膜切除術、関節固定術、人工関節置換術など)が行われることもあります。以上述べたように リウマチは早期発見ときちんとした治療が非常に大事です。主治医とよく相談し、病状に応じ てきちんと治療を受けられるようお勧めします。
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