千葉県市川市のみやお整形外科（整形外科　リハビリテーション科　膝足関節外科）のHP

Ｑ）　両手両足の痺れがあり、近くの病院で「頚椎後縦靭帯骨化症」と診断されました。どんな
病気でしょうか。

Ａ）　後縦靭帯とは、頸椎（首の骨）の後ろにある脊柱管というトンネルの、お腹側にある靭帯
です。頚から腰にかけて、骨と椎間板（軟骨）をつなぐように張っています。「頚椎後縦靭帯骨
化症」とは、頚椎部分のこの靭帯が、骨になってしまう病気です。原因は不明で、難病に指定
されています。

脊柱という管の中には、脊髄という、脳からの命令を、手や足に伝える役目をしている、神経
の固まりがあります。骨化した靭帯が大きかったり、脊柱管が狭かったりするとこの脊髄を圧
迫して、両手両足の痺れが出たと考えられます。症状がひどくなると、箸が上手に使えなくなっ
たり、歩きづらくなったりします。

日常生活の注意は、治療は、症状によって異なります。しびれ程度であれば、頚椎牽引などの
理学療法や、ビタミン剤などの服用で改善することもあります。しかしながら、両手が使いづら
い（ボタンが上手くかけられない、茶碗を落とすなど）、歩行がおぼつかない（手すりが無いと、
上手く歩けないなど）、といった運動障害が出てくるようなら、手術によって、骨を切ったり削っ
たりして、神経の圧迫を取り除くことが必要になります。病歴が長く、神経症状が出た状態が
続いていると、手術をしても完全には良くならないこともあります。靭帯の骨化が進むと、徐々
に悪化してくることもあるので、整形外科で定期的にチェックしてもらうといいでしょう。