千葉県市川市のみやお整形外科(整形外科 リハビリテーション科 膝足関節外科)のHP


Q)70歳の母親が転んで歩けなくなり救急車で病院にいったら、股関節の骨折で手術が必要
だといわれました。手術をしないで治せないでしょうか。


A)高齢者の股関節の骨折というと、おそらく「大腿骨頸部骨折(だいたいこつけいぶこっせ
つ)」だと思われます。これは太ももの骨の付け根の骨折で、高齢者の方の多くは骨が弱くなっ
ている上に周りの筋肉も衰えているので、転んだときに簡単に折れてしまうのです。この骨折
のやっかいなところは股関節が立ったり歩いたりする時に強い力がかかる場所であり、骨のく
っつきも悪いところである事です。手術をしないで治すのには長期間(約2ヶ月近く)のベッド上
安静が必要になってしまう上に、時にはくっつかない事さえあります。そうなると寝たきりになる
可能性が高いためよほど体調が悪い場合を除いて手術で治す事が普通になっています。手術
のやり方は骨の折れ方により、ねじでつなげる方法と金属の股関節にとりかえてしまう方法が
あり、どちらも術後ほぼ1〜2日で車椅子に乗せられ、1?2週で立つ練習が始められます。その
後は個人差がありますが約3から6週間程度で歩いて退院可能となります。従って全身状態が
許す限り手術を受けられる事をお勧めします。
またこの骨折は、ひびですんだ場合には痛いながらも歩けるので、気がつかないままにある日
突然ぼきっと折れてしまう事もあります。高齢者の方が転倒されて痛みがある場合には歩けて
も一度病院で診察を受けられた方が良いでしょう。最後に予防の話をします。骨が弱くなる原
因の多くは骨粗鬆症でありこれは骨量が減って骨がすかすかになってきてしまう病気です。特
に女性では40代後半から骨量は減り始め徐々に進行していきます。一度減ってしまった骨を
増やすことは難しく、治療で進行をくいとめているのが実状ですのでなるべく早期に診断を受
けられることをお勧めします。


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