中国河北省農業視察団が来県

綾町ミカン園にて   平成17年12月13日、河北省農業視察団が本県を訪れた。訪れたのは河北省科学技術庁副庁長 鮑 継宏(49)や河北省科学技術庁農村処農芸師 楊 佩茹(42)、張家口市、承徳市などの果樹などの農芸師や研究員など7名で、宮崎市日中友好協会が受け入れを行なった。一行は12月19日まで、県農業試験場や綾町の有機栽培センター、宮崎市の施設園芸農家などを視察した。
  当視察団は、河北省の農業研究に携わる関係者で、本県の有機栽培や園芸、し尿処理などの先進視察をしたいとあったことから日中友好協会が受け入れたもので、宮崎市市政推進アドバイザーの陳蘭荘氏が河北省科学技術研究院に在籍していたことや元宮崎県農業改良普及所 波多野洋氏が河北省へ葡萄栽培などの指導に行かれたことが縁となっている。
レタス畑   12月14日、綾町有機農業開発センターで、担当者より綾町が全国に先がけ「自然生態系農業の推進に関する条例」を制定し、露地野菜を中心に有機栽培を展開している現況と有機栽培の認証方法について説明を受け、レタスやキャベツ栽培と日向園の現地見学した。丁度レタスが収穫出荷されているところで、ここで団員の皆さんは均質なレタスが多量に出荷されているのに注目しておられた。また、町内のし尿を有機肥料に転換する施設を見て、団長をはじめ団員から設備の規模などについて質問が集中した。
 
宮崎県農協果汁鰍ノて   12月15日、畜産試験場川南支場では、支場の業務概要や県内の家畜飼養状況の説明を受け、その後環境衛生科長より家畜排泄物の処理技術について、資料とスライドにより懇切な説明を受けた。特に川南支場で開発された汚水処理施設は経費が少なく注目され、処理能率施設規模 コストなど種々の質問が寄せられた。皆さん大変興味をもたれた。
ぶどう園にて   宮崎県農協果汁株式会社では、常務より会社の概要をスライドで説明を受け、果汁製造工程を案内していただいた。丁度ジュース用の人参原料が入荷中で、これについていろいろ質問をされていた。果汁充てん施設では1分間に600本の処理の処理能力があることに深く感銘した。
  都農ワインでは、支配人より都農ワインの概要ならびに製造法についてスライドで説明を受け、その後工場の視察とワイン試飲を行った。
  さらに都農町の生ごみ処理による環境保全型農業の取り組みについて都農町役場の担当者から説明を受けた。さらにワイン専用種の栽培状況を現地で説明を受けた。
ワインの試飲   12月16日、宮崎県農業科学公園では課長より農業科学公園概要説明後、農業科学館を案内された。科学館の展示品は解り易く、団長をはじめ団員は興味しんしんで、熱心にメモを取っておられた。ぶどう園では葡萄の根域制限栽培法について説明をうけ熱心にメモを取った。
  宮崎県総合農業試験場では、試験場の概要について相談員より説明を受けた後、野菜部でニガウリ品種育成、いちごの杉皮培地による栽培法などについて現場で説明を受けた。
 その後果樹部で梨の栽培法、ぶどうの栽培法について現場で説明を受 け、梨の枝作りは日本独特の方法なので、質問が集中した。さらに果樹園の管理機械、果実の選別機に大変興味があり盛んに写真を撮影されていた。  
宮崎市長表敬訪問   12月19日 宮崎市を訪れ津村重光宮崎市長を表敬訪問した。市長は「宮崎市は中国との農業生産に関する市場競争について宮崎市民に勉強してもらいたいと、中国山東省へ市民を農業研修視察に派遣している。日中相互の農業交流は意義があるのでは」と述べられていました。鮑 継宏(49)団長は「宮崎県は日本の進んだ農業県である。先進県に学び中国の農業環境を改善したい」と述べられていた。
  この後、宮崎市跡江のキュウリ栽培農家、宮崎市住吉のピーマン栽培と農家訪問など施設園芸農家を視察したあと平和台公園やシーガイア施設を見学した。
農業試験場ニガウリ栽培   視察団は、有機栽培センターでは、具体的な栽培技術が標準化され技術的に確立されている。生産から販売まで一貫して行っているのが参考になった。このような一連のシステムが出来たのは政府や農協の役割が大きいと思う。日本は残留農薬問題があったことから無公害野菜づくりに取り組んでいる。このような栽培技術を勉強して、取り組みを河北省の農業でも行う必要があると感じているので参考になった。
  川南町では、し尿処理に力を入れて諸問題を解決している。一連の技術がすばらしく視察できて良かった。中国では農業による汚染が問題になっているので、今回の視察研修を中国の農業に役立てたいと思っている。 
宮崎市施設園芸農家にて   また、河北省は野菜、くだものなどの一連の作業に力を注いでいる。WTOに基づいて世界にマッチするような進んだ技術を入れ、河北省に馴染むようにシステムを作りたい。更に、日本のゴミ問題への取り組みに非常に驚いた。日本はゴミがなく細かく分類している。これから、中国のゴミ問題に取り組み、ゴミを資源に変えていきたいと感じた。日本人は熱烈で勤勉で規律正しく、私にとって深い印象を与えました。日本の農業は本当に進んでいる。真に勉強しなければならないと感じました。
  今後とも宮崎県が河北省と工業、文化など様々な交流を行ってほしい。中国は改革開放以来、20年が経ちこれからどうやっていくのか、何ができるか考えなければならない。特に環境やリサイクルなど取り組む必要があると思います。特に河北省は畜産に大きなウェイトを占めている。
これから汚水処理対策などの視察を行ないたいと感想を述べていた。  

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