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訪問にあたって
宮崎市は、平成17年9月24日〜10月1日まで、宮崎市民30名を中国の友好都市葫芦島市へ派遣しました。
これからの宮崎市と中国との関わりは、どのようなことにあるのか、中国の市場や市民との交流などを通じて、これからの中国との経済競争や国際的相互理解などについて考えてもらう機会にしたいと訪問しました。
写真は市民訪問団の皆さん 天安門広場で |
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訪問団参加者に高齢者が多いと言うことを考慮して、中国市場調査に加えて、中国の「健康づくり」「思い出」「歴史」の観点から訪問団の交流内容が決められました。
中国は、日本ほど医療保険などが充実していないため、「健康づくり」には、とても熱心な国です。朝夕の公園では、年配の方々が、様々な運動や文化活動を行っています。
そこで、「健康づくり」の観点から、中国葫芦島市太極拳協会との交流を組み入れ、また、「中国に滞在していた」「中国から引き揚げた」と言う人には、昔住んでいたところを見ていただくために自由行動がとれるように配慮しました。更に参加者のアンケート結果から小学校訪問も組み込んでもらいました。
写真は、景山公園で歌う北京の人達 |
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参加者の年齢を考えると、持病の有無や体力が心配でした。
当局でも保健師の同行や持病の事前申告を頂くことにしていました。残念なことに、訪中2日目に1名の病気入院となりました。しかし、旅行社の手配により、北京中日友好病院への搬送や通訳などすべてを手配して頂きました。順調に回復に向かわれ、帰国は他の団員と共に一緒することができ安心しました。
写真は、石畳みに水書をしている老人 |
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訪問や視察について
中国での観光は、スケールの大きさや遠隔地などから、どうしてもハードなスケジュールとなります。葫芦島市太極拳との交流では朝5時起床しました。錦州市や瀋陽では、名所旧跡や抗日戦争記念館などを見学しました。いずれも、古代から中世、近代の歴史を学べるところでしたが、やはりハードなスケジュールでした。
しかし、私の予想に反して、今回参加された方々は、年齢に反して元気で若かった。年齢よりも10〜20才ずっと若く感じられた先輩諸氏で、見る、聞く、歩くなどすべての行動が機敏で若々しく感じられました。
写真は、景山公園頂上から故宮を背景に記念写真 |
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@ 日本自治体国際化協会北京事務所訪問
当事務所の職員は、宮崎市の他、鹿児島県、北海道などからも派遣されています。池田副所長(札幌市派遣)より中国を知るためのキーワードを説明していただきました。特に、本年5月の半日デモについては、情報が入らず日本のテレビで知ることとなった。ここに日本と中国の情報格差があるのではないかと言うことでした。このほか、全人代の代表枠は人口比で決められているが、農村部と都市部では大きく代表枠の不平等があること。胡錦濤政権の「先富論」から「共同富裕論」への転換、環境、資源の収奪から自然との共生する発展への転換を目指していること。農村部と沿海部の地域アンバランスによる貧富の差などについて説明して頂きました。市民の参加者は、中国で聞く生の声であるため興味津々と聞かれていました。
写真は、自治体国際化協会にて |
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A 北京市場調査
北京の日系デパートでは、野菜や香辛料などに産地が明示してあり日本の国内と同様な取り扱いがされていました。日用雑貨や衣服など日本並みの価格であり、中国としては高価であるが、ある中国人に聞くと、日系のものは高価であるが、物がよく時々利用しているとの話であった。中国系のデパートでは、果物や野菜、調理済みの料理、衣服類などを主に見ましたが、中国では酒類や惣菜などに価格の差が大きく、どれが正しい価格なのか素人には判断がとても難しい。如何に良い物を安く買うかが買い物上手の中国人と言えるのだそうだ。
今回、スーパーなどを視察して、様々な果物や野菜、加工品など見ましたが、10数年前は少々傷んでいる物も販売されていたが、今回はそのような物は見られなかった。品質が向上し管理が行き届いていることが伺えました。
写真は、王府井の裏通り |
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B 葫芦島市人民政府表敬訪問
崔副市長から私たち一行は熱烈に歓迎していただきました。崔副市長は、「1986年以来宮崎市との交流が続いています。青少年交流や日中友好協会の訪問団などに加えて、今回宮崎市民が訪問していただき益々交流が深まることでしょう。ここ、葫芦島市は、河北の中心にあり、東北地方と河北の連結地でもある重要なところです、石油化学、エネルギー、機械製造など工業が主なところであります。ここ数年は、旅行産業にも力を入れています。
中国は対外開放政策を20年来行っていますが、東北地方はこれからの地域です。国家の政策により、当市は益々発展することでしょう。
日本は世界第2位の工業国であり、中国は改革20年来、日本に学び両国の人民は友好的につきあい、勤労の模範となって来ました。そして、今後も両国人民の市民を通じて、両国の経済発展を祈っています。写真中央は崔副市長 |
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私は、94年以来、4回日本に行っていますが、宮崎はまだ行っていません。実は、私の父は、日中友好事業の窓口でもある対外国際協会の中日友好協会長でもあったのです。中日友好に関心のある父親の関係で、私も中日友好関係に力を注いでいます。若い人も中日両国のために力を注ぐ責任があると私は思っています。ここ2年ほど、中国の若者は反日感を持っていますがそれはごく少ないことです。これは、歴史を正確に理解していないのではないかと思います。
中央政府、地方市政府などは歴史を大事にして、未来を思考することが大事であると言っています。幅広い交流が行われ交流が深くなることが重要で、基礎でもあります。そのことが今後の発展につながると思っています。宮崎市民及び津村宮崎市長によろしくお伝え下さい。」と述べられ中日友好交流に期待感を表されていました。とても、親日派の副市長であると感じました。また、宮崎県日中友好協会が相互の架け橋に尽力したと感謝の言葉も述べられていました。 |
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C 葫芦島市太極拳協会との交流
中国の朝夕の公園は、とても賑やかで活気が漲っています。公園の中では、特に老人が朝から晩まで、太極拳や農民踊り、蹴球、老人ディスク、バトミントン、囲碁、将棋、民謡、楽器、のど自慢、養鳥、水書道など様々な活動を行う場所になっています。(中国の公園は有料公園が多く、都市部の老人は一年間のパス券を持っています。)このようなことから、訪問団と太極拳の人たちとの交流を組み込んでもらいました。
写真は太極拳の披露 |
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朝、5時に起きて、広場へ行くと太極拳の人たちが 私たちを待っていました。そして、私たちのために、太極拳の披露や実技指導などを行っていた だきました。主なメンバーは定年退職した主婦が多かったが、20代の青年もいて楽しそうなクラブでした。指導者は40代の全国大会で優秀な成績を収めた人で、剣や長刀を持って素早い演舞は見事でした。話によると「太極拳には様々な種類があり、世界で行われているスポーツです。是非宮崎でも広めてほしい」と述べられていました。
写真は太極拳の指導を受ける訪問団の皆さん |
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まとめとして
今回、初めての宮崎市民中国友好交流訪問団派遣が行われ、企画のアドバイスや随行して感じたことは、参加された宮崎市民の皆さんに喜ばれたこととして、小学校訪問での子供達の熱烈な歓迎や太極拳協会との交流、参加者全員で行った記念植樹、スケールの大きい歴史施設見学、そして、戦争記念館「九・一八」博物館の見学ではなかったかと思います。
写真は実験第二小学校で創作ダンスの披露を行う子供達 |
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今後は、若い人たちにも魅力ある交流を企画して、市民訪問団の目的である中国により親しみを感じていただき、国際感覚豊かな人材の育成に寄与したいと思った次第です。
そのためには、宮崎市と葫芦島市が、より深く交流できる事業の展開も必要ではないかと思いました。例えば、官民あげて日本人引き揚げ港の共同保存事業や民間活力を含めた青少年センターの設置或いは既設施設活用などです。保存事業は別として、青少年センターの活用は、旅費などのコスト縮減につながらないか研究が必要と思いました。
写真は訪問団の皆さん |