プロローグ

 





無人島、サバイバル生活・・・

幼き日々、その冒険じみた響きに男の子なら誰しも胸をときめかせたはずだ。

装備面、行動力、親の目・・・

少年たちがこの野望を達成するのには障害が多い。

俺は18になった。

親の許可なしで動ける年になった。

そんなにゆとりはないけれど、ある程度の金は作れるようになった。

幸いにもまだ、幼き日の胸の鼓動は消えてはいなかった。



 

自分が現在住んでいる宮城県には牡鹿半島という、

近辺にいくつか島を持つ半島がある。

7月の頭、原チャリで半島一周プチツーリングをした。

その際、給油したときに知り合ったガソリンスタンドのおっちゃんに

船を出してもらえることとなり、今回の冒険が決定した。

その原チャリツーリングも半島最先端で人生初野宿をし、

夏だというのに凍死しかけたり

(寝袋も何ももっていってなかった・・・。

そんでもって俺たちが寝たまさにその場所で死体遺棄事件があったらしい・・・)

野生の鹿をひき殺しそうになったりとネタは尽きないが、

これからはじまる「笑」撃の日々に比べれば、なんてことはないのだった。

「やっぱ人生ネタだね!!」



聡明な俺たちは消防署で救命講習を受け、

ばっちり災害保険にも入って準備万端、無人島へと乗り込んだのである。さてさて・・・





野宿場所と、プチツーリングの相方、クラスメートのワダさん。
半島の先端の夜は凍死するほど寒い!