第1章 いざ出国、杜の都よ、大和の大地よ、行ってきます!!







2004年9月2日午後、

男子寮の受付業務の傍ら、荷物をつめていた。

今夜、いよいよタイに向けて出発だ!!

初海外&個人旅行。

2ヶ月前に航空券を買った。

買った後、親に「タイ行くわ、一ヶ月ほど。」と連絡した。(一応未成年なもんで)

行く手を阻む障害は、すべて除去である。

「明日の今頃にはタイにいるのだな」

実感はまるでなかった。

共同浴場のボイラーを入れ、日本での雑務のすべてを終えた。





 

仙台の夜行バスターミナル。大学の友人達が10人ほど見送りにきてくれた。

「軍曹(自分のあだ名)、これ餞別だ!無事にかえってこいよ!」

「サンキュ!やっぱ持つべきものは友達だね!」俺は思った。

が、その0.2秒後、自分の友人選択に一抹の不安を覚えた。

「あの、全部コンドームなんすけど・・・

連中の「無事に」とは「病気をもらわずに」の意であったらしい。

「行ってこーい!」

飲み会を抜け出して来てくれたらしい、酔った友達が叫んだ。

なんか、戦場に行くような気分であった。

バスは成田へ向けて走り出した。

外からはまだ「タク、タクゥ〜」と酔っ払いの叫び声が聞こえる。

「お前らさっさと帰ってくれないか・・・」

お土産のための予算を除外したのは言うまでもない。

 

 

 

翌朝、飛行機は成田を離陸した。

でかいバックパック、竹刀袋に竿を入れて。

ゆっくりと機体が上昇していく。

自分の心拍数も上昇していく。

「地球の歩き方」で「ありがとう」と「こんにちは」はタイ語でどう言うのか調べた。

「この2つさえ知ってりゃなんとかなるっしょ!」。

大和の大地は見えなくなった。

機体は小刻みに揺れながら西へと進む。

大きな野望と、大きなクソガキと、大量のコンドームをのせて・・・