第11章 チャーサンサオで感傷に浸る暇すらなかったこと

 









上段左からエロ、不明、キョ母、キョ、エッ夫人
下段左からワタクシ、不明、サンゴップ夫人

お世話になりました!






翌朝、俺たちはミッソンパンゲストハウスを後にした。

ゲストハウスの皆さんと写真を撮った。

残念なことは、サンゴップ親父さんは出張(?)、

ワンチャイは朝早くでかけたみたいで会えなかった。

2週間近くお世話になって、全員すっかり顔なじみだ。

同じ19歳で、すっかり仲良くなった女の子「キョ」が石の指輪をくれた

食事を一緒にとっているときキョのお母さんが

「この子を日本に連れて帰ってよ!」


なんてみんなで馬鹿笑いしてたことを思い出す。


「日本にはたくさんガールフレンドがいるからさ」

そんな寂しい冗談を言ってみたっけ。(汗





失ったヘビ指輪でシャドーに思いを馳せてきた。


でもこの石リングはまた違う。


シャドーと戦った日々、そして何よりみんなの笑顔が浮かぶから。


こいつを見れば、暑く、濃かった日々に思いを馳せることができる。

「写真ができたら見せてね」

帰ってくる理由ができた。

俺は重い荷物を担いだ。

指には石リングが輝いていた。








 

バスを待つ間、市場で買い物をしていて、偶然ワンチャイ兄貴と会う。

最後に会えてよかった

「テンキローー」(10kg)といい、太ももをたたいて見せた。

「テンキロー」

ワンチャイも笑った。

そして今度はおなかをたたいて見せた。


俺一人ではアノ出会いはなかった。

再会を約束し、固く握手した

そして別れ際もやっぱり俺は叫んだ

「テンキローーー!!」


「バイバーーーイ、コップンカッ!ワンチャイ兄貴!いつかまた会おう!!」

 









 

武兄の提案で、この日はカンチャナブリに一泊することになった。

全身泥まみれの俺はショッピングを楽しんだ。

こっちに来る前、恥ずかしながら

「タイ人はヨレヨレの服着ているだろう。

日本で着れない、ボロ服もっていって、いらなくなったら捨ててこよう」

なんて思っていたが、来てみてびっくり。

若者はすっごくおしゃれ。

しかもちょっとした規模の町のゲストハウスには日本人大学生がいて、

当然女の子も多い。

「すんません、タイをナメてました」

おれは上下一式を買いなおした。

武兄の真似してブッシュハットも買ってみた。

夜にはいろんな虫も食べてみた。から揚げにして屋台で売っているのだ。




どうでもいいレビュー



 

ミルワーム・・・○ 海老の殻のから揚げみたい。中身がすかすかでスナック感覚

イナゴ・・・○ 味的には一番うまかった。えびの頭のから揚げの味。 

オケラ・・・○ イナゴには及ばぬものの、似た感じ。

コオロギ・・・△ 基本的にイナゴと同じだが、若干くさい。

コガネムシ・・・△ 外骨格が「パリパリ」でもなく、ただ固いだけで、味がない。中身もない。

蚕のサナギに似たサナギ・・・△ 肉厚なため、パリパリのスナックではなく、中身の食感が強く残る。
味はあまりないが、モコモコして舌触りが悪い

ゲンゴロウ・・・× さすがカメムシの仲間、コガネムシを更に固くしたような食感にカメムシ臭が加わって、食えたもんじゃない!

 

ってな感じ。定番のタガメとサソリが食えなかったのが残念だ。

 
試食会だ!






ドリアンも食ってみた。「以外にうまいじゃん!」というのが感想。

1個50Bだったか,150Bだったか忘れてしまったが、

せいぜい1個500円。日本で売られている値段の10分の1程度である。

果物の話が出たところで、いく先々でかなり食いまくった感想をまとめてみる。

 

またもやどうでもいいレビュー

サラ(サラクヤシ)・・・とげの生えた、小さなサツマイモみたいな形。味は「どことなく南国系の臭み」があるが、なれるとうまい
。皮を向いて、中の黄色い実を食べるがその際トゲが、刺さらぬように注意!


ケーオ、マンコーン・・・サボテンの実。赤い皮をむくと白いキウィと梨の中間のような実が詰まっている。かなりお勧め!


ノーイナー・・・ミャンマーで食った。とにかく甘い。酸味や臭みはない。疲れているとき食べたくなる。

ファラン・・・こいつもミャンマーで食ったが、熟してないのか、あまりうまくなかった。

ココナッツ・・・トウモロコシの芯を煮出したような味。冷やせばうまいと思うが、ぬるいと不味い。

ンゴッ(ランブータン)・・・赤い毛虫のような見た目だが、皮をむくとライチのような白い実がある。味もライチに似る。

ローンコーン・・・ライチに似る。多少すっぱい。

ラムヤイ(リュウガン)・・・たとえるなら、グレープフルーツの小胞(ジュースに粒粒として入ってる奴)を大きく、甘くして、
ライチのような触感を持たせたもの。食べていると、手がニチャニチャになる。


マンクッ(マンゴスチン)・・・お勧め度NO.1「ジューシーなマシュマロ」めちゃくちゃうまい!!



(写真は後日添えます)

















 

・・・・書くの疲れた。まだいくつか食ったと思うけど、忘れちゃった。
























翌朝、カオサンを経由して武兄の友人、

チャーサンサオのクリスさんのお宅へと向かった。

海老の卵を卸す仕事と、釣具店経営とで忙しそうだ。



「こんな部屋しかないんだけど・・・」


多少海老くさい部屋だが、クーラーもあり、居候するには十分だった。

それもそのはず、本来は海老の卵の缶詰めの保管場所にしている部屋らしい。

クリスさんはホリが深く、なかなかの男前、キリッとしたしっかり者の印象だが・・・


「この海老の卵、ホントは4度で保存しなきゃならないんだけど、

この部屋いつも20度以上なんだ。エヘッ」

っと笑って見せた。


・・・やっぱりタイ人だな、と少しうれしくなった。


クリスさんの海老の卵の孵化率はいったいどんなもんなのだろうか?

ま、「マイペンライ!」














夕方には武兄の友人、オームさん、トックさんも到着し、

夕飯はオームが料理人として働いているレストランに行った。

ビア「シン」で乾杯だ。

タイでよく飲まれるビールには2種類あって、

ビア・シンと、ビア・チャンがある。

前者の方が若干値段が高く、

さながら日本で言う、ビアシン=ビール、ビアチャン=発泡酒といった扱いである。

個人的にたいした違いはないと思うけど、

見栄っ張りなタイ人はかっこつけて少し高い「ビアシン」の方をたのもうとするのだ。

武兄が「チャンで」と注文すると「NONO〜」と顔をしかめた。

そんでもって、友人にはいいかっこしようとオゴりたがる。

そんなところもなんか人間的で、親近感を感じる。


あったかい気持ちになった。


帰り道、ほろ酔い気分のクリスさんが

「こうやったほうが早い!」

右車線を逆走するという「軽い」アクシデントが発生したが、

「マイペンライ、マイペンライ」

ここは微笑みの国、タイランド。

チャーサンサオ1日目の夜は静かにふけていった・・・。

 















次の日、クリスさんたちと、お寺のお堀にシャドー釣りに行った。

そこは周囲200メートルくらい、水深も1メートルあるかないかで、

日本の野池の雰囲気だった。

カオレムとは全く異質のポイントに、はじめ俺は戸惑った。

同じシャドーでも、こうも違う環境に住むのか。

俺はキャストを開始したが、あまりに小さな池、

全員が竿を出すとすぐにポイントはなくなった。

俺はこっそり持ち込んでいた毛ばりをつけて、足元の小魚に狙いをつけた。

小さなピラニアに似た魚がつれた。




クリスさんは「パクー」といったが、どう見てもピラニアにしか見えなかった。

この釣りも、これはこれで楽しかった。
















 

午後からはいよいよバラマンディー釣りに。

「小さい野池で釣るんだ」と聞かされてはいたが、

ここまで小さな池だとは・・・。

バラマンディのイメージとは似ても似つかない、小さなどぶ池で釣りを開始した。

1尾でいい、バラを手にしたい。俺はキャストを続けた。

武兄は隣の池に移り、スピナーでティラピアを釣って遊んでいる。

俺はデカ目のルアーを投げ続けた


「バラが釣りたいよぉ〜」



・・・・釣れなかった














夕飯を食い、俺たちは今度はバンパコン川に夜釣りに出かけた。

スプリットリグに丸めたパンをつけ、放り込む。ここでは3種類の小さなナマズを釣った。










こんなのや










こんなのが釣れる











やっぱり、初めて釣る魚は楽しい。

俺はオレンジ色の街頭の下、俺たちははしゃいだ。と・・・





「ヘビだぁあああ!!




足元の岸壁沿いを、2メーターを楽に越える巨大蛇が泳いでいった。

・・当然釣ろうしたが、引っ掛けられなかった。残念!

大蛇は川に潜っていった。

はしゃぎすぎてすっかり疲れた俺たちは家路についた。

 









次の日、6時出発と言っていたが、クリスさん寝坊

2時間遅れ
で出発、

釣り場に着いたのは9時半、すでにお日様は高く上がり、肌をジリジリとやいた、

昨日とは違う池にバラマンディーを釣りに来た。




そして、爆釣、爆釣。2時間で4匹のバラを手にした!!

サイズは50前後ばかりだが、日本のバスとは比べ物にならない!!
(正直に白状すると、しっかり測ったバスの自己レコードは48センチなのよね・・・汗)

65センチクラスのシャドーと同じかそれ以上である。

30ポンドPEをぶちきられ、

ダイワのダンサー標準装備のスプリットリングを伸ばされ・・・

いろいろ遊んでルアーを試していたので、釣り方を絞り込めは数は更に伸びただろう。

残念なことに、この池は野性味が感じられず、

整備された感じに「ドキがムネムネするような感動」はなかったが、

楽しかったのもまた事実。バラの引きを堪能した!!




楽しいわ〜。爆釣!!





















 

帰り際、この池の持ち主のクロレラ工場を見せていただいた。

頂いたクロレラカプセル食ってみる。味の方は・・・

「鯉の餌の味がする!!」

ま、こんな表現が浮かぶのは俺くらいだと思うがね(汗


青臭く、こってりしつつも、悪くない味だった。


次にクロレラ石鹸を見せていただいた。

4%混ぜたものが健康ブームでよく売れるから、

試作品に80%のものを作ってみたの。お肌がすべすべになるわよ!」


お肌スベスベの社長婦人は言った。



・・4%の次はいきなり80%ですか?


この思い切りのよさ、というか適当さに俺の顔が緩んだのはいうまでもない。

こういう感じ好きだな〜!!



にきび面の俺は2個、ありがたく頂いた。



で、使ってみた感想。

石鹸というより、「石鹸をつなぎにクロレラを固めただけ」

石鹸本来の泡、ではなく海草の「ぬめり」で洗う感じ。

体には無茶苦茶よさそうだ。



この一連のクロレラ事業で、日本円にして9000万の御殿を建てるらしい。


タイの物価を考えるとすごいことだ

「タイでまじめに働けば、大金持ちも夢じゃない!!」


こんな妄想が膨らむのも当然か。
(そんなに甘いもんじゃないと思うけど 汗)

少なくても「何かしらテキトーに働いても食っていける」

そんな包容力を、この国は持っているように思う。

 












さて、午前中釣ってきたバラ、現地名プラーカポーンを塩焼きに。

お腹に香草をつめて焼く。

少し豪華な昼飯となった。

電流の流れるテニスラケット(?)で蚊を撃退しながら庭先で食事を取る。

テーブルの下は蚊が多く、足元が気になる。

と、クリスの親父さんはテーブルの上に乗り、あぐらをかいた。

コロンブスの卵とはまさにこのことか。

日本でやったらゲンコツくらうだろうけど、

こんな自由な発想、融通性もまたこの国らしい。

 




































そして、午後、むしろこの町のスーパーメインターゲット、

「プラー・クラベーン」を狙った!!

到着すると、すでにオームが仕掛けをセットし終えていた。

トローリングロッド、にウナギ一匹がけでのブッコミ釣り。

当然キャストできないので、小船で川の流芯まで仕掛けを運ぶ。

竿を固定し、目印をつけて、準備万端。

狙うは畳2畳級の巨大エイである。

ここで釣れれば、まさにメイクドラマ。

ひたすら「そのとき」を待った。






ウナギ仕掛けを武兄とオームさんが流芯へと運ぶ











オームが投網で海老を取り、そいつを餌に小さなナマズを釣った。





ひたすら待った。





集まってきた人々と「スキヤキソング」を歌った。





ひたすら待った。





タイ語で「本当に」を表す「チンチン」の日本での意味を教えた。





ひたすら待った。






もう、竿に集中している人などいなかった。


下ネタで盛り上がり、下手な歌を歌った。


「チンチン!!」

「Oh、ホットペニス!!」

「アローイ、チンチン!!」
(アローイ=美味しい チンチン=本当に)


普段よく使う言葉を、意味深に言ってみる。



どっと笑いが起きた。




「ウエヲムイテアルコウ ナミダガコボレナイヨウニ」




夕暮れの大河にスキヤキソングが響いた






















ビルマに日が沈むころ、俺たちは引き上げた。


またひとつ、ここに戻ってくる理由ができたから。


あたりもかすりもしなかった





ビルマに日が沈む。
何時間にもわたる戦いに備え、その辺に落ちてた(なぜに・・・)便器に腰掛けた!笑






















 

夜、またまたバンパコン川に小物つりに出かけた。

ふざけた写真を撮りまくり、トゥクトゥクをジャック(嘘)し、

ふざけにふざけた。








ジャックしたトゥクトゥク(笑
人差し指を立てたタイ式「1ドル」ポーズでの1枚。











































ハイここでお題です!!

街灯で何か面白いことをやりなさい!!









































光るチンコ(by 武兄)


















































光るウンコ(by トゥクさん)

















































かめはめは〜!!(by オームさん)




































































(笑)






































最高に楽しかった。







チャーサンサオでの日々は風のように過ぎた。

自分の世界に入り込む暇も、感傷に浸る暇もなかった。

笑い、ふざけあい、ハイテンションで時間は過ぎた。

「ここなら、すぐこれるさ」

タバコをふかし、酒を飲み、大いに笑って、小魚に狂喜乱舞した。
























 

翌日、クリスさんの仕事の都合もあり、バンコクまで送ってもらって別れた。

オームさんには手製のルアー「LM」をお土産にもらった。

クリスさん、オームさん、トックさん、最高に楽しかったよ!!

また釣り・・・、というか、ふざけあおう!!笑

そして居候させていただいたクリスさんの親父さん、お母さん、お騒がせしました。

クリス家のお手伝いさん(?)、飯めちゃアローイでした。

みなさんホントに「コップンカッ!!」また会いましょう!!





















 

夜のバンパコン川にて。
左から俺、オーム、クリス、トゥク、武 (敬称略)
もう、何がなにやら分からん!笑