歯科金属アレルギー

花粉、ダニ、猫、食物など、数多くのアレルギー源がありますが、金属が原因となるアレルギーを金属アレルギーといいます。

歯科金属の種類によっては、身体の中で溶ける物があります。溶けた金属は、唾液に混じっているタンパク質と結合し、消化、吸収後、基本的に皮膚の方に行き、代謝の激しいところに留まります。

良くあるのは、手のひらと足の裏を中心に水疱状の湿疹(しっしん)が繰り返し生じる掌蹠膿庖(じょうせきのうほう)症です。

水虫と間違えそうになりますが、掌蹠膿庖症は無菌性の膿庖が主症状ですので顕微鏡で見ても、あの特有の糸状菌は確認できず、水虫ではないと診断されます。
診断がつかず、突然の原因不明の皮膚病として悩み、まさかそれが、お口の中の金属が原因とは思いもよりません。
子供では、「しょう紅熱」と間違われやすいようです。年長者の重度“アトピー”では金属アレルギーの頻度が高いという報告もあります。身体の皮膚や肛門、その他の口から遠い部位に異変が起きたとき程、歯科金属アレルギーだということが見落とされることが多いようです。

歯科金属アレルギーは、上記のように、タンパク質−金属複合体が口から運ばれ、長い年月をかけ、皮膚の下にたまり、それを異物としてみなした身体が過剰反応を起こすのです。数十年経ってから突然発症することが多く、鑑別するのが大変な病気です。
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