掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症とは手のひらや足の裏に生じる小水疱または膿疱で寛解、増悪を繰り返して経過する難治性疾患です。
(皮膚科特定疾患の中に入っています。) 経過は「季節に関わり無く寛解、増悪を繰り返す」と表現され、1年中手のひらや足の裏に膿疱が生じています。

掌蹠膿疱症の原因

現在判明しているものには金属アレルギーによるものと感染アレルギーが明らかな場合の2種類だけです。
感染アレルギーの場合は扁桃 がフォーカスに成っている場合が多く、こういった感染病巣で免疫複合体というものが生成し発症すると考えられています。
また金属アレルギーでは歯科金 属によるアレルギーが多数報告されて
いますのでこういったものも原因となっています。
従って治療の経過中にこういった原因の判ったものの検索も同時に進めて行く必要があります。

治療法

現在まだこの疾患の病態が明らかにされていません。しかし尋常性乾癬の類似疾患という位置づけがされています。
従って尋常性乾癬の治療法の多くは有効です。共通する治療法としてはPUVA療法と呼ばれる紫外線療法や、軽症の場合はステロイド外用剤の単純塗布でもコントロールできます。
重症の場合はエトレチナートの内服とPUVA療
法の併用が行われます。他にはこの疾患には原因が判明しているものが2種類あるのは前述しましたが、これを利用した原因療法というものも行われています。
例えば歯の治療を行ったあとしばらくしてから、症状が現れたという経
過があれば、歯科金属による金属アレルギーが原因になっている可能性が高いです。
こういった場合歯科金属による
パッチテストを行って陽性であれば、歯科金属を全て取ってしまうと治ることがあります。ただしこれは一種の賭で、高いお金を払って歯科で治療してもらったものの症状に変化がない場合もあります。
もう一つは、扁桃や歯槽膿漏、
齲歯など感染巣が明らかな場合、扁桃摘出や歯科治療が有効な場合があります。これは十分に感染巣を検索した後に行えば80%程度の有効率が報告されています。ただ、扁桃摘出は外科的侵襲を加えますので感染巣があやふやな状態ではあまり薦められません。
それ以外にも掌蹠膿疱症の膿疱は無菌性と言われていますが、なぜか抗生物質の内服
が著効を示す場合があります。
ペニシリン系の抗生物質を半年以上内服していると結構重症な人でも略治してしまうことをしばしば経験します。
どの治療を選んでも随分時間がかかりますのでじっくりと根気よく治療する必要があります。

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