沢の釣り  U     H.17、4/8・9・10


9日の夜、0時20分、日付けが変わった。
藁科の山奥まで 真っ暗な道をひた走って来た。

細い林道をくねくねと走る。暗黒の森の中 ヘッドライトの灯りのみの先に 昼間には
気が付かなかった道祖神が そこここに現れる。
こんなにも有るのかと云うほど多い。

森の中の小広い空間を見つけ ここを今夜のキャンプ地と決める。
車から降りると外は真っ黒の世界である。目の前に広げた自分の手も見えないのだ。
そうか、曇っているのか。暗闇ってのはこういう事か。
何人かでキャンプをしている時にはさほど気にならなかったが 独りキャンプだと余計
に暗さを感じるものなのだろうな。
長野の善光寺の地下を思い出した。


朝、5時40分に目覚める。空は半分雲に覆われている。山の間の小さな空だから 全
体的にはどうなのか分からないが 天気予報では 曇り、雨0%だったから信じよう。

今日は凄い!。7時には竿出しである。
すぐに来た!。よしよし!幸先がいいぞ!、 とニンマリしていると下から人が・・・・・。
「あれ!?。」 どこから入って来たんだろう?。
「おはようございますっ!。」
声を掛ける。相手は面白くない顔をしている。
「どっから入ったんですか?。」
「下の沢から、貴方は?。」
「ここから、今竿出したばっかり。」
「俺はここで上がるよ。」
そうはいかない、気が付かなかったとはいえルール違反はオレの方だろう。ここで上げ
てしまっては あまりにも気の毒である。
「この堰堤の上から入って下さいよ!。」
「堰堤って すぐそこだよ!。」
ほんの50メートル上
「時間を潰してから遡るからいいですよ!。」
相手はテンカラだし、大丈夫!。
先に行ってもらったが やっぱり暫くは魚信が無い。
オレの釣りはのんびりペース、そのうちにボツボツと釣れ始めた。なかなか型の良いの
は出ないが 今日は良く釣れる。昼の弁当を広げる頃までに20尾位釣れた。もう満足
である。ノンビリと弁当を喰って あまごの腹を出したり、崖をよじ登ってミヤマつつじを
写したりして 1時間半程遊ぶ。


さて、時間はまだ早い、もう少し遡って見よう。
午後も良く釣れる。放流サイズが多いが次の堰堤で沢山釣れた。
もうたくさん!。このあたりでやめよう。4時である。

車までの帰り道 わらびを見つけた。ススキと笹の間だから採っても良いだろうと 40
本位 良い蕨が採れた。
車に戻って 朝写真に撮ったタラの芽を採りに行ったら 時すでに遅し、誰かに採られ
てしまっていた。残念!!。朝採っておくべきだった!!。


車で20分程下って Uちゃんとの約束の場所へ移動する。漸く携帯も通じて連絡を取
る事が出来た。
「8時頃になってしまいそうだ。」
と Uちゃん。
「いいよ!それまでに酔っ払っているから!。」
車のリヤーゲートの下で 独り酒盛りを始めるが 眠くて目が痛くなって来た。涙がポロ
ポロ出る。ウイスキーのお湯割りを3杯飲んだ所で もうどうにも我慢が出来ない。
Uちゃんが来るまで 少し横になる事にした。
ぐっすりと・・・・・泥のように眠った。
「なんだ、寝ていたのか!。」
8:30、Uちゃんに起こされた。
それから2人で 延々と2時まで酒盛りである。
「おいおい、もう2時だよ!。」
「こりゃあまずい、明日は起きれないぞ!。」
慌ててシュラフへ潜り込む。

朝7時、ボトルが空で転がっていた。
夕べ1本空けてしまったのか。二日酔いになるわけだ。
釣りを始めても 夕べのバーボンがいつまでも匂う。バーボンは二日酔いになるまで
飲む酒ではないな と思う。
午前中、ガレ場の続く沢を釣り遡るが釣れない。昼に諦めて車迄戻り 遅い昼食にす
る。午後は下流をやろう。今日はもう疲れた、あまり動く気がしない。
Uちゃん堰堤の淵で馬鹿あたり!!。堰堤の上からの覗き釣りである。
オレは高所恐怖症だから そんな真似はとっても出来ない。

3時半頃から雨が降り出した。Uちゃん風邪気味だというし、やめようか!。
良く釣った。本降りになった雨の中 家路に着く。


そーだ、今回のテーマ! 細糸に小鉤。今回感じた事は すっぽ抜けやバラシが多
かった、水面で型の良いのがバレるのは 鉤の刺さりが浅く オレの使った鉤は伸
びやすかったのか、上下の口元に刺さったのは一つも無しだった。両サイドか上あ
ごの中程に浅く掛かっているのが多かった。
流れの無いようなポイントでは 飲み込まれる事が有り 放流したい小さなあまごも 
放す事が出来ない状態になってしまったのが幾つもあった。
あと竿であるが、オレの使っている竿は硬調で細糸に向いていない、糸切れを恐れて
しっかりとした合わせが出来ない。その為に魚に優先権を与えてしまう。今回は沢と言
う事もあって0.25のハリスでやってみた。鉤は2号と3号3種類。(本当は何年か前
に0.125でやった事がある、鉤は7.5号と大きかったが)軟調竿で0.1で試してみ
たい気持ちもあるが 数より型に代わった今その必要があるのか?とも思う。


たった1回の釣行で総ての結果に決め付ける事は出来ないが、ま、もう少し試してみた
いと思う。