安倍川、初釣り                   H,17、3/5,6、(土、日)
3月5日(土)、仕事を済ませて 冷たい雨の降る夕方の5時30分に家を出た。
いきなりの渋滞に苛立ちながらも ノロノロと車を走らせる。
途中、知らないスーパーへ食料を買いに飛び込んだ。
スーパーの入り口で 思い掛けない人と出遭った。昔二十歳頃に一緒に山登り
をした仲間の女性  ウーさんだ!、バッタリと!。
「あーーー!、なに〜〜!!」
久しぶりの再会なのに 意味不明な言葉を発するウーさん。
確か、オレが家を建てた時に 新築祝いがてら 昔の山岳部の仲間が集まって
酒を飲んだ時以来かな?、もう10年ぶりである、懐かしかったがゆっくり話も出
来ない。 ウメちゃんが梅ヶ島で待っているのだ。


6時半、渡という村のあたりから雨が雪に変わって来た。それもバンバンとフロ
ントウインドゥに当たって来る。
やばいぞ!。車は四駆だから大丈夫だとは思うが 何しろ山道だからなぁ。
ワイパーをギコギコとせわしなく廻しているのだが 前が良く見えない状態であ
る。


約束の場所、今夜のキャンプ地を見失ってしまったかな・・?。 だと思う??。
まずいぞ、六郎木まで来てしまった。 Uターン、Uターン。


六郎木の広場にすごい連中がいる。このバンバンと降る雪の中、祭事用のテ
ントの中でバーベキューをやっているのだ。
(明日の鱒釣り大会の役員の連中であった。)
車を乗り入れて、肉を焼いている男に、
「すみませーん!。入島の高い橋は・・・・。」
「あれーー!、おじさん。何??、どうした〜!!。」
梅ヶ島の平野レミの息子 ヨシキだった。
「オォーー!、お前何やってんだ?。」
「オヤジの代理だよ、おじさん 家に泊まっていきなよ。」
いい男である。
だがそうもいかない。ウメちゃんが待っている。
行き先を教えてもらう。やっぱり通り過ぎてしまっていた。


約束の橋の下、ヒーターを効かせた車の中でウメちゃんが酔っ払っていた。
「ごめん、ごめん!。」
オレの車へ移って改めて乾杯。買ってきたおでんを温める。


雪は相変わらず音も無く降っている。この冬初めて見る降る雪だ。
キャンプ地は入島の高〜い橋の下、その橋にある沢山のハイウェィランプの光
が あたり一面を明るく照らし出している。
音も無く 谷間全体を覆い尽くす量の雪が 
桜の花びらが散るように とめどなく舞い降りてくる雪が その灯りに照らし出さ
れているのだ ・・・・・。
 きれいだ〜!。
橋に切られた雪が オーロラのカーテンのように舞い降りて来る。
もうこれ以上無い、最高の雪見酒である ・・・・・。


ウメちゃんが感動に震えて
「写真を撮れー!」
と うるさい。
この素晴らしいシーンを撮れるものなら撮りたいものだが・・・。
オレのデジカメの腕ではとっても無理である。
残念だがオレのまぶたの奥に焼き付けておくことにしよう。


ウメちゃんは早寝である、10時前に
「もう寝る。」
と云って 自分の車へ戻って行った。
オレは1人でまだまだ雪見酒である。
そのうちに退屈になってきて あちこちへと電話を掛け始める。
平野レミ、ヨシキ、ふうてんさん、梅ヶ島のSさん・・・・・、と。


夜の11時半頃になって雪が止んだようである。
ホッカイロを3つ シュラフの中へ突っ込んで潜り込む。
明け方は寒かった。考えたら肌着1枚では寒いはずである。車の中は結露が
凍っているし。少し開けてあったスライドガラスは凍っていて動かないし・・・・。
バッグからセーターを引っ張り出して着る。
「ウゥーー、 さむ さむ!。」


朝早くウメちゃんが
「行くよ〜!。」
声を掛けてきたがオレは行かない。 寒いし〜・・・・・。
あたり一面真っ白である。雪を踏んでウメちゃんは出掛けて行った。


もう8時半、次々と釣り人が来る。
仕方が無いオレも支度をしようか。
朝飯を喰って思い切って着替える。ホッカイロを体中にペタペタペタペタ。
解禁第一週の日曜日で 寒くても釣り人は多い。釣れてはいないようだ、水が
冷たすぎるからな。
人の間を縫っての釣りである。やっと釣れたのは放流したばかりの虹鱒が2匹
だけ、釣り大会の近くまで遡って昼になる、ここで上がりにする。
車に戻って 寒い中二人で酒を飲み始めると 温泉へ行った仲間の4人が戻っ
て来た。
4時、道路が凍らないうちに帰ろうかと 家路に着く事にする。


それにしても放流鱒の解禁とは 何とも情けない安倍川である。
漁業組合ももう少し考えてほしいものである。




kawaduri4