西伊豆              H,17,2/12.13


行って来たぞ!。
今、炬燵に入って 刺身をつまみに酒を飲んでいるのだ。 魚臭い手をして・・・・・。


日の出前、Sさん夫妻が手を振りながら海から戻ってきた。
お母さんが 「来たかねー!」って 声を掛けてくれている。

来て良かった!!。

迎えてくれる人がいる・・・・・。 喜びである。


今回をのがすと 漁師のSさんの所へ秋まで行けなくなってしまうから どうしても
挨拶に来たかったのだ。


2月12日(土)、仕事の段取りが悪くて 土曜に仕事を残してしまった。
2時30分、仕事が済んで いざ、西伊豆へ!。
この3連休で道路は渋滞、目的地へ着いた時には もう暗くなってしまっていた。


何故だろう?。 
漁船が全部陸上げされている、今回の大潮は闇なのに・・・・・?。
ラジオのニュースで、伊豆沖で地震があった、と言っている。つい今しがたである。
まさか その津波の恐れの為に 前もって船を陸上げするなんて事は考えられない
よな。単純に考えると、今夜から海が荒れる!ということか。
のん気にキャンプなんかしてると 高波に車ごとさらわれるとか・・・・・?。
何となく 不安になって来たぞ。
釣り人は一人もいないし・・・・・。さっきは 村の入り口で 村から上がって来た 警
察のワゴン車とすれ違ったし・・・・・。

天気は曇っているが ヒーターをギンギンに効かせて来たためか 寒くは感じない。
オーバーズボンにセーターを重ね着して ジャンパーに長靴と 完璧に防寒支度を
して 夜釣りの準備の出来上がりである。

そーーっと海を覗いて見ると 白いのがペラリペラリと見える。
魚だ!、魚が群れている!!。最高のチャンスだ。
マズッタなぁ、今日は中型のクーラーしか持って来なかったのだ。
 悔やまれる・・・・・。
仕掛けを作り直す、針を大きめに結び直す。
チクショウメ!、暗くて上手くいかない。
魚が散ってしまう前に急がなければとあせる・・・・・。

キラリキラリは大きく見えたが おかしいぞ?。
釣れるのは小さい、ネンブツダイとナタ(通称)ばっかしである。
このナタを3匹 明日の付け餌用にとバケツに入れる。
8時30分、今夜は終了にする。


寝床の準備をしようか、と思う間もなく パラパラと雨が降り出した。
空は黒い雲に覆われ始めた。やばいぞ、雪にならなければいいのだが・・・・・。
夜中、バラバラと大粒の雨の音で目が覚める。津波が来て海へ落ちないだろうな。
と 少し心配しながらもまた眠りにおちる。

朝、気持ちの良い夜明けである。今日は早起き、夕べは酒もやめて早寝をしたから
な。
外へ出たらSさん夫妻が漁から戻って来た。船の上で手を振っている。
「来たかねーー!」
嬉しいねぇ。 来て良かった!!!。
これでたぶん秋まで来れないと思うからなぁ。


釣り支度をして声を掛けると。
「連休なのに来ないねぇ。って話していたんだよ!。」ってお母さん。
正月のお礼を言うのを忘れちゃった。



正月の2日、 忘、新年会の飲みすぎで 疲れ切ってしまった胃、肝臓を休める為に
ひとりこっそりと出掛けてきた。漁師さんも正月は休み、ゴロタ石の海岸を歩いて、
温泉に浸かって、食堂で夕食を取って。港へ戻ってもまだ7時、酒を飲まないから何
んにもする事が無いので 8時にはシュラフへ潜り込んでしまった。

   伊勢海老

3日の朝、目覚めるとSさんが網を繕っていた。
「漁に出たんですか、暮れには沢山の伊勢海老ご馳走様でした!。」
挨拶に行ったら。
「クーラーを持って来な!。」
クーラーに入りきれない程の魚を 持っていけと云う。
「そんなに沢山入らないから2匹でいい。」って云っても。
「こうすれば入る!。」って お母さんが、鱗を取って、頭を落として、腹を出して。
申し訳ないから 後はオレがやる!。ってクーラーにいっぱい魚を貰ってしまったの
であった。

 正月のおみやげの一部
 サンノジとタカノハダイ

その時のお礼を言うのも忘れて釣りを始めたら お母さんがおいでおいでをしてい
る。何だろう?と走って行くと。
「これ 持って行きな!。」って。
タカノハダイがピチピチと跳ねている。でかい奴が。
スカリを取りに戻って、海に浸けて戻ったら。
「焚き火でサザエが焼けたよ、たべな!。」
丁度三つ、ナイフでフタを外して
「それじゃぁ ひとつづつ!」って3人で喰おうと思ったら
「あんたの為に母さんが焼いたんだから あんたが全部食べな!。」
とオヤジさん
「いただきます!。」
遠慮なく喰うオレ。
「旨い!!。」
喰い始めたら飲みたくなってしまった。車へ戻ってウイスキーのお湯割りを作って、
2個目をかじりながら、2杯目を作って、3個目を喰いながら3杯目を飲んだらいい
こんころもちになってしまった。網を繕っているオヤジさんの隣に座って・・・・・。
オヤジさんがお母さんに
「それも持たせてやれ!。」
45センチ位のサンノジ、また貰ってしまった。
もう釣れなくてもいいモードになってしまった。それでももう少し竿を出そうと 対岸で
釣っていたら
「また来なよーーー!。」って 手を振っている。
「あいよーー!、ごちそうさんでしたーー!!。」

お昼のチャイムが鳴り出した。魚は釣れないし渋滞もやばいから早めに帰るか。と
オレも帰り支度を始めた。

着替えも済ませて ぼちぼち帰ろうかって頃に オヤジさんが息子と孫を連れて戻
って来た。
「釣りに行って来る!。」
3人で船に乗っかって 沖へと向かって走って行った。


いつ見ても仲の良い3代の親子孫である。
良い人達だぁ!!。












hokaturi7