(2004/08/11頃からトップページを飾り続けた)
(2004/09/21 このページに収納)



2004/08/09に起きた美浜原子力発電所の事故で なんらかの身体的・精神的・経済的被害に会われた方に申し訳ないです
私も学生時代 建築工学:防災工学:土木工学:機械工学:実戦向きの数学の先生達から
人を殺す事もできるが 人を幸福にする事もできるのが科学技術なんだと教えられ
実社会に出て 製造業の末端で労働報酬をいただいて仕事をしている分際なのに

「もし関西電力に務めていたら 今回の事故を予測できたのか?」と問われたら
「予測できなかったかもしれない」としか答えられません

すみません 国民の血税と期待を受けて 学業をおさめたエンジニアの端くれがこのようなありさまで

もし 今回の事故で不満がある方は 大学で真実を見極めることができる知識を探してください
大学受験を通らなくても 授業料さえ払えば大学の授業に出席することができるはずなので
各大学の学務部にお問いあわせください たしか私の時代には「聴講生」と呼ばれていたが今はどうなのだろうか?
等価交換が成立する甘ったるい世界ではないが 
私のように両手両足を持って行かれかけなくても真実に到達できる人間はいる
逆にほとんどの人間は絶望して酒とバイトに溺れて最低限の単位をとって卒業する  
                          ・・・・・・・・・・・じゃあ受験戦争ってなんなの?というと
                                  大卒という肩書きを手に入れるための通過儀礼なんだな
                                        ・・・・・でも いざと言う時使える

私は電力関係の技術者・役員・下請け孫請けの職人・点検をした技術者・行政機関の職員・エネルギー工学の技術者
を責める事はできません 何があっても今回の事故に関する限り 私には他人を批判するだけの技術力はありません

できれば今すぐ整形外科の病院に駆け込んで 火傷で皮膚を失った方のために 自分の表皮の80%を提供したいくらいですが
そもそも 私の医学的知識では 人工皮膚と 拒絶反応の大きい他人の皮膚のどちらが 水蒸気で火傷した人間に有効なのかすらわかりません
もし 他人の表皮の移植で誰かを救える方法をご存知の方がおられましたら
私に連絡ください 私 血管細すぎて献血できないんです

                           
ですから 
今どれだけマスコミと世間の風当たりが強かろうとも
電力がなければ現代の社会は動かないのですから

今回の事故で責任のなすりあいをする前に原因を究明し
再発防止策を考え 生き残った人間を1人でも救う方法を考えてください



一般人向けに今回の事故を説明すると
原子力発電所の事故と言うよりは
蒸気機関車の蒸気パイプが爆発したと言う方が近い
ですから火力発電所でも同様の事故が起きる確立は同じはずなのに
なぜニュースに出ないのか不思議でしょうがないのですが
火力発電所の関係者の方で 守秘義務に抵触しないのであれば教えていただけると助かります

同様の事故は ワットが蒸気機関を実用化(発明ではない)した時代からあったはずなのですが
高圧水蒸気(温水)の恐ろしさをどうも 現場で働く配管工以外はみんな忘れているのではないか?
というのが100個以上あるであろう事故原因の一つだろう

危機管理をした技術者を責めているわけではない
「もしかしたら 事故が起きるかもしれない」ということを24時間365日考えつづけたら人間は発狂する
「悲しい事を忘れる」というのは神の与えた慈悲の一つだが 
「悲劇は忘れた頃にやってくる」という言葉の意味を知っているエンジニア達は皆 精神をやられながら神の慈悲すら拒絶する

たとえばだ 家庭用圧縮鍋でシチューを作るのに
防爆ゴーグルやフェイスガード 警察機動隊が使う強化プラスチックのシールドを用意する人間はいない
ましてや やけどの治療薬や遺書 自分が倒れた時のために救護にあたる人間まで用意したりはしない
ちなみに私は圧縮鍋が台所にあるが 自分で使った事は1度もない
消火器まで用意しても揚げ物ですら怖くてできないのでカレー以上の料理は作った事がない
                          ・・・・・・・・・・・・ここまで行ったらエンジニアというより精神病患者である


1976年に設置された時は10mm厚のパイプであったものが
2004年には約1mmの厚みでしかなかった事が今回の事故の直接原因ですが

水はすべての物質を溶かす事ができる液体だと 小学生の時図書館で読んだ本に書いてあったが真実はわからない
もし パイプの厚みが減った理由が知りたかったら
「流体工学」「有限要素解析」「境界要素法」あたりを学ぶのが近いと思うが 全部私の不得意科目でした・・・だから中退したんだ!!

そもそも マスコミの情報では「炭素鋼のパイプ」との事だが
私が見ると 建築用丸パイプの中でも 鉄板曲げてすみを溶接した 昔のコーヒー缶型パイプにしか見えないのだが
高温・高圧のパイプには シームレスタイプの製造方法か 鋳管か ステンレス鋼でも使うのではないかと思うのだが
常温・常圧を専門分野としている私は結論を下す事ができないので だれか教えてください


今回破裂したパイプと 近くに通っていたパイプに温度差があったという情報もあるので
温度応力が発生していた可能性もあるが あくまで検討対象程度に留めていただきたい
専門家の技術報告書を待ちます


今回 パイプの中に通っていたのは温水なのに
パイプが破裂したとたんに蒸気となって作業員に襲い掛かったのは
圧力が急激に下がると 液体は蒸気に変化するという現象です


もし 原子力発電所に行って 自分の知識をすべて使って次の事故を防げ
と言われたら 覚悟はできているが
実際に原子力発電所のゲートの前に立ったら 足がすくんで
守衛さん達に つかまった宇宙人のように引きずられて追い返されることだろう
すみません 腰抜け野郎で(実際にコルセット無しではデスクワークもできない人間だが)
現場で働く 食堂のオバちゃんたちですら尊敬します 彼女達ですらライフラインを守るための戦っているというのに
私は一体何をしているのだろうか


配管工のオヤッさんが いつだったか私に言っていた
「おまえはたしかに知識をたくさん持っている オレもおまえの知識によって助けられた事も多い
  しかしおまえは臭い水を全身に浴びて 火傷をおいながらパイプをつないだ事はないだろう」
ああ そのとうりだよ 結局私は人間1人救えなかった エンジニアキドリでしかなかった


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