夜:「原作では、この辺りで1ページ使って説明があったので、特別企画を用意してみた」
いつもは後書きで行われる会話をココで?
夜:「うむ。今回は趣向を変えてみようと思ったのでな」
何故でしょうか?
夜:「今回の更新が延々と遅れた事は、貴様自身にも不可避の理由があったことは認めよう」
……なにげに優しげなセリフが私の背筋を凍らせるのは何故でしょうか?
夜:「ふむ。貴様も多少は学習したという事だな」
いや、そういうことではなく。
夜:「む? なにか他に聞きたいことがあるのか?」
いくつかあります。
夜:「なんだ? 言ってみろ」
まず、一つ。ココは何処でしょう?
夜:「貴様が疲れておるようなのでな。夏らしく気分転換に砂浜に連れて来てやったのだ」
確かに一面砂浜ですが……海は何処にあるのでせう?
夜:「一面、砂の海ではないか」
……向こうに石で作られた三角形の山とか、顔のついた獣の像なんか見える気がしますけど?
夜:「まぁ、セットみたいなものだ。気温はその地域の最も暑い頃、湿気は日本の梅雨程度の環境だ」
どおりで暑いしジトジトすると思いました……。
夜:「厳密には『夜の匣』内に作られたスタジオが今回の特設会場と言うわけだ」
では、なぜ今、私は指一本動かせずに日の出から地上から2mにあるマットの上に放置されているのでしょうか?
夜:「む? 縛られているほうが良かったのか? 意外な趣味が……」
違います!!
GS横島十夜
第四夜 その5? 〜特別企画『夜の部屋』その1……ていうか続くのか?〜
そうではなく……
夜:「その辺りが私からのせめてもの情けと思うが良かろう」
情けがあるなら見逃してください。
夜:「残念ながらソレを期待する読者が居る以上、答えねばならん……だろう?」
力一杯否定シマス!!
夜:「という訳で、放置してから数時間。適度に乾燥しつつあるようだが」
聞けよ! そして開放しろ! せめて水クダサイ!!
夜:「案ずるな。水など必要なくなる」
……?? 生き物として水は必要ですよ? いまでも日射病で熱中症寸前なんですが?
夜:「日が昇って数時間。今の貴様は暑いだけだろう」
充分に苦しんでますよ。太陽はじりじりと照りつけ、湿度が高いせいで大気がねっとりとまとわりついて……
夜:「今貴様の乗っているマットは断熱効果抜群の素材でな……」
??
夜:「丁度いい具合に焼けた砂の温度など想像もつくまい」
……!! い、いえ、さっきから砂からの輻射熱でオーブン状態なので理解できるッス!
夜:「そして、何故今回の環境が砂浜なのか……考えれば答えに辿り着くのは難しくはなかろう?
……あ、あれ? 脱水症状なのに冷や汗が出てきますよ……人体の神秘?
夜:「覚悟は出来たようだな?」
い、いやだぁぁーー!! 覚悟なんてありません!! だ、誰かタスケテーー!!
夜:「では……」
どかっ
ぼと
ぎゃぁぁぁぁ熱い熱い熱いぃぃーー!! 燃える焦げる干からびるぅぅーー!!
夜:「ほぉ? 私の呪縛を解いたか……よほど熱いらしいな」
もがいても転がっても何処もかしこも適度にホットぉぉ!!
夜:「ちなみにどの程度熱いかといえば、固ゆで卵が出来る程度の温度だぞ」
灼けた砂が、灼けた砂が全身に全身を全身が灼けるぅ!!
夜:「砂浜を嬉しそうに転がっているように見えるが……」
いやマジで死ぬ! 熱っ圧っ厚っ暑っ篤っ斡っあちぃ!!
夜:「セリフ的には余裕に聞こえるぞ」
文字通り燃え尽きる前の断末魔だと何故わからん!!
夜:「余裕ではないか」
ち、ちが……うぅぅ、す、水分が……ひ、干からびて……意識が……
夜:「ふむ。確かに限界だったようだな。意識がなくなったか。仕方あるまい。
あと、数時間放置してから回収するとしよう」