六甲縦走(*9)(地名の由来、携帯サイト:www14.plala.or.jp/niu_yamada/rj/i/)
須磨から宝塚に至る六甲連山(地名の由来)、全55〜56キロ(神戸市のHPによる公称56Km、神戸市発行の六甲全山縦走マップ(*9)に記された区間距離の合計53Km)の縦走路六甲全山縦走路。最高地点は海抜931mの六甲最高峰で、海抜12mの須磨浦公園から海抜48mの宝塚まで16のピークを越え、登りを全部足すとおよそ3000m。北アルプスの上高地(1560m)から奥穂高岳(3190m)までのルートの約1.7倍、富士山五合目から山頂(3776m)の約2倍の登りということになる(2004.11.16日経記事)。縦走には標準的に14〜15時間かかる。
1975年から毎年11月に神戸市主催の六甲全山縦走大会(関連リンク)が行われている。
新田次郎の小説『孤高の人』のモデルとなった神戸の造船所のエンジニア加藤文太郎(解説、関連リンク)は、登山家として世の出る前の大正末期から昭和初期にかけて、朝に和田岬を出発し、須磨から宝塚まで当時まだ充分整備されていない六甲全山を縦走し、さらに和田岬まで歩いて帰るという全100kmの行程を1日で踏破していたエピソードでも有名。
<下記の須磨からの距離は、神戸市発行の六甲全山縦走マップ(*9)に記された区間距離の累計>
須磨から (Km) | ポイント | 標高 | コメント |
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0.0 | 須磨浦公園 (関連リンク) | 12 | 山陽電鉄須磨浦公園駅から、須磨浦山上遊園内の遊歩道を登る。 西側には明石大橋・淡路島、東側には神戸方面の海岸線が望める。 塩屋からのコースもあり(1.0Km長い) |
鉢伏山 (はちぶせ) | 246 | 須磨浦山上遊園を登り詰めたところが鉢伏山山頂の広場。 頂上東側を通過するショートカットもあり |
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2.0 | 旗振山 (はたふり) |
253 | 摂津(須磨区)・播磨(垂水区)の国境の山。六甲山系最西端の茶店、旗振茶屋(昭和6年(1931)創業、平成7年(1995)の阪神淡路大震災で倒壊後、平成9年(1997)再建)がある 写真は旗振茶屋と茶屋からみた明石大橋・淡路島 (地名の由来) |
2.9 | 鉄拐山 (てっかい) | 234 | 左、鉄拐山頂、下の写真はおらが茶屋より西方の印南野(いなみの)を望む(左の橋は明石海峡大橋)。 |
高倉台 | 人工島ポートアイランド造成のために山を削った跡に造成された市街地。 おらが茶屋から延々と続く階段を下りてさつき橋を渡るとすぐに高倉市場。朝7時半に喫茶店が一軒開いていた。高倉台の向こうは栂尾山。 |
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栂尾山 (とがお) | 274 | 高倉台からの数百段の階段を登り、しばらく行くと栂尾山 山頂には木組みの展望台 |
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6.7 | 横尾山 | 312 |
東西に栂尾山と東山を従えた横尾山の山塊の周りは、高倉台、横尾団地、友が丘など、かつてとは様変わりしどこを見ても同じスタイルの団地が立ち並ぶ巨大迷路の街が広がる。ここから東山までが馬の背といわれる険しい尾根筋の須磨アルプス(*14) 横尾山山頂は三角点のみ。 |
須磨アルプス | 横尾山からの急な鎖場を降りると風化によって出来た狭く険しい稜線が本格的な高山を思わせる須磨アルプス。 横尾山から望む眺望(次の東山の写真)は横尾・妙法寺の市街地をはさんで高取山、その南側には神戸長田の市街地と神戸港。 |
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東山 | 253 | 須磨アルプスの東の端が東山。 東山山頂の説明板に因ると、東山は高取山と横尾山の天狗が綱引きをして横尾山の天狗が足を踏ん張った際に出来た山で、昔は天狗山と呼ばれていたものが前近代的な名前を嫌った地元の意向によって横尾山の東にある山ということで東山という名前になったという言い伝えがあるらしい。 右の写真は横尾山から見た東山。奥は高取山。高取山の手前は横尾・妙法寺の市街地。右端は大阪湾。最右端の写真は東山山頂。 |
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10.2 | 妙法寺 | 約50 | 横手団地を抜け、阪神高速を乗り越え、地下鉄西神線のガードをくぐってしばらく行った場所に妙法寺がある。寺の伝記では奈良時代の天平10年(738)の創建ということで、事実、神護景雲2年(768)の写経が保存されているという。平清盛が治承4年(1180)に神戸に福原京遷都を強行した際には、妙法寺が都を守護する霊場として、鞍馬山に擬せられた |
12.2 | 高取山 (高取神社) (関連リンク) | 320 | 妙法寺から急な山道を登り詰めると高取神社奥社、山頂、高取神社と続く信仰の山で、色鮮やかな鳥居、馬や猿の像、いくつもの建物・石碑を見て歩くだけでもあっという間に時間が過ぎる。神社・山頂からの360゚の眺望も見事(*14)(地名の由来) |
丸山 | 市街地 | ||
16.2 | 鵯越駅 | 市街地 | |
19.5 | 菊水山 | 459 | 急峻な登りの山だが現在はNTTの無線中継所(写真)のある山頂近くまで車道もできている。(*14) 六甲アイランドから淡路島、鈴蘭台までの270°の展望、南西方向には西六甲の高取、横尾、鉄拐の各山塊の先に淡路島(写真、右端は明石大橋) 楠正成にちなみ昭和初期に改名(地名の由来) |
20.8 | 天王吊橋 | 251 | 有馬街道の上を横断 右の写真は天王吊橋から見下ろした有馬街道と天王谷川(地名の由来) |
21.9 | 鍋蓋山 (関連リンク) | 487 | その名の通り、鍋蓋の様な山容の鍋蓋山。 天王吊橋からの急激な上りから徐々に傾斜が緩くなり、水平になったところが頂上。 二段の広々とした山頂広場からは神戸港の全容が見て取れる。 |
23.5 | 再度山 大龍寺 (関連リンク) | 約400 |
縦走路は再度山(標高470m、ふたたびさん、地名の由来)の南側を通過。 大龍寺(写真右)から大師道を経て諏訪山公園、元町に至る。(*15) |
24.5 | 市ガ原 | 約250 | キャンパー、ハイカーでにぎわう渓谷 稲妻坂・天狗道の急峻な登りの前の水分補給地点 |
稲妻坂 ・天狗道 | 須磨浦山上公園、高倉台から栂尾山への階段、高取山、菊水山に続く、六甲縦走最後の急な登り。 布引ハーブ園(関連リンク)(世継山)北側を通過し、長く急な登りが続く。 写真左は稲妻坂から望む布引ハーブ園、写真右は岩だらけの天狗道。 |
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28.7 | 摩耶山 (関連リンク) | 702 | 左の写真は天狗道を登りきった先を右に入った史跡公園内の天狗岩。天狗岩、天狗道ともそこで修行する山伏の姿を天狗と思ってつけた名前と思われる(天狗岩の解説より) 隣は摩耶掬星台から大阪湾・六甲アイランド方面。 (地名の由来) |
29.8 | 摩耶別山 | 717 | 釈迦の聖母摩耶夫人を祀ったとされる天上寺の横を通過 |
30.8 | 摩耶 自然の家 | ドライブウェイへ出て再びハイキングルートへ | |
三国池・ 三国岩 | 約800 | 自然の家から丁字ヶ辻に向かう道はドライブウェイの南側をショートカットするサウスロードと、三国池・三国岩の横を通るドライブウェイ北側のルートに分かれる 写真左は、明治時代に採氷のために掘られた三国池(*14) 写真右は巨大な鏡餅のような三国岩。縦走路から左手に数10m進んだ場所に積み上がっている |
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32.7 | 丁字ヶ辻 | 約800 | 阪急六甲(灘区)から登ってくる表六甲ドライブウェイと山上のドライブウェイの合流点に出る |
33.8 | 記念碑台 | 796 | ドライブウェイ沿いを進む 写真は、東灘区、灘区、北区に跨る250世帯を配達区域とする日本一小さな集配特定郵便局「六甲山郵便局」(*14) 記念碑台には、英国人グルームらにより六甲山が開かれてから半世紀以上が建ったことを記念して昭和30年(1955)に建てられた記念碑がある(*5) |
36.8 | 極楽茶屋跡 | 約864 | 記念碑台から神戸ゴルフ倶楽部、凌雲台を経て至る ここから北へ有馬三山と呼ばれる湯槽谷(ゆぶねだに)山、灰形(はいがた)山、落葉山を経て有馬に下る道は裏六甲縦走路とも呼ばれる(*15) 写真はグルームら外国人が創設した日本で最初のゴルフ場(*5) |
39.0 | 一軒茶屋 (六甲最高峰) | 880 | 一軒茶屋から北に折れて3、4分登ると六甲(関連リンク、地名の由来)最高峰(931) 六甲最高峰の一等三角点 (旧米軍用地内) 北緯 34度46分29秒144 東経 135度15分59秒507 標高 931.25メートル (阪神大震災(1995)前は931.13mだったが、震災によって12cm隆起した。これは、100万年前から隆起し始めた六甲山のおよそ120年分に相当する(大地の成り立ち参照)) 旧の六甲山最高峰の碑 六甲山最高峰周辺が、終戦から1992年まで米軍にパラボラアンテナなどの通信設備用地として接収され立入が禁止されていたので、右の写真の碑のある場所がかつては縦走路の最高峰だった(かつての米軍の軍用地は写真の鉄条網の向こう側) |
40.0 | 縦走路 分岐点 | ドライブウェイから分岐 写真は、分岐点の2〜300m手前を右手に登って行ったところにある石の宝殿の白山宮。六甲山で最も神秘的な場所で三韓遠征から帰国した神功皇后(解説)が六つの甲を納めた所と伝えられている(地名の由来参照)(*14) 白山宮を過ぎて登ってきた道と反対側に降りるとドライブウェイと縦走路の分岐点を過ぎてしまうので要注意 |
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41.0 | 水無山 (みずなし) | 804 | 小さな登り下りの尾根通しの細道 |
43.0 | 船坂峠 | 663 | このあたりから縦走路東端の宝塚までの東六甲縦走路は甲山や阪神間の市街地、更には大阪平野まで見渡せる展望がすばらしい(*15、地名の由来)らしい(歩いていて、どこが船坂峠なのか分かりづらい) |
大平山 | 682 | 無線中継所 分岐点以降で最初に出会う舗装道路の向こうに無線中継所(写真)が見える。舗装道路の向こう側の坂を登って行くと大平山山頂(といっても何もない)。縦走路は、しばらく舗装道路を歩いて、右手の坂道を降りて行く。 |
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46.0 | 大谷乗越 | 約510 | 棚越新道を横断 |
譲葉山 (ゆずりは) |
526 | (地名の由来) | |
岩倉山 | 489 |
(地名の由来) 岩倉山付近で縦走路を右(南)へ数10m入ったところに阪急電鉄の岩倉山反射板というものがある。見通し外通信の無線用反射板ということで、阪急電鉄の保安無線か何かを山陰で遮られる場所同士で通信するものだろうか? この場所から大阪平野の眺望を見渡すことが出来る | |
50.0 | 塩尾寺 (えんぺいじ) | 354 | この変わった読み方の寺が、六甲縦走(東行き)の最後のチェックポイント。塩尾寺の手前から甲子園大学(宝塚)の下までの約2Kmが急な下り坂で、日頃歩きなれていない者には足に来る最大の難関 |
53.0 | 宝塚 | 48 | 塩尾寺からの下りから眺めた宝塚市街。左側が宝塚大劇場。真ん中の川は武庫川。 |
六甲縦走関連リンク 参照
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