オキュルスの部屋


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もうひとつの出発
〜 beyond the scene 〜

ぎゃるりい・おきゅるすは開廊してから24年という時間が経過しています。

いろいろな視点から、アートという分野を勝手に自己流に見詰めてきました。虹の階段を昇るような、美しくてはかない幻の世界です。

後は神の手にゆだねるしか方法がないと思っていたのですが、今を生きている私達の時間は刻一刻と変化しつづけています。

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インターネットの世界では個人も公も日常も非日常も近接して新しいバリヤーフリーの環境が出現しています。

そんな時、おきゅるすもアートに向けてもうひとつの出発をいたします。

どうぞよろしく応援してください。

2004年盛夏


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画廊・眼(オキュルス)のこと

1981年秋 渡辺啓助

暗くなりかけた部屋の窓を閉め、門扉をあけて、いつものように、こっそり夕ぐれの街路に出る。夕ぐれの散歩は朝と違って、なんとなく、もの悲しく貧しげである。

ともかくも、小さな郵便局のかどを曲がる。曲がりたいと思ったら、すなおに曲がってみるがいい。そのはずみで、足取りも軽くなり気分もおのずから明るむ。

その路を少し行くと、これはいったい、どうしたことであろう?

暮れなずんだ街並みの右手に、新しい空間が、さわやかに浮び出たのである。その空間は最初は遠慮深く、いかにも人目をはばかるがごとく、おづおづと私を見つめていた。イヤ、そんな恰好で見つめていたのは、むしろ私のほうであったかも知れない。

「すばらしい」私は思わず唸った。私は立ち去りかねてその空間と暫く見合っていた。

なんという素的なめぐり合せであろう。

その空間は眼そのものだった。あらゆる美を吸収し、あらゆる美を放出するオキュルスそのものだった。

じっと私を凝視する空間それ自体がすなわち眼であることによって、両者の間に暗黙の契約が成立したのである。自分の妄想的な悦びに戸惑いしながらも私はす早く契約書に判を押した。あとでこの話をする友人達は度肝を抜かれたらしい。

「なに、あそこで画廊をやるンだって――驚いたなァ――あんたのやることは、いつも発作的なんだから」――そう云われても私は抗らわなかった。この場合、「発作」といわず「天啓」とでも云ってくれたらなァ、と思った。それから私は一段とハリのある声でつけ加えた。

「画廊のオープニングはミロの絵でやります。あのミロの『太陽賛歌』による幕開けですよ。すごいでしょう。どうぞよろしく」



Gallery Oculus
ギャラリー オキュルス
東京都港区港区白金台2−26−8 岡田ビル202
TEL. 03-3445-5088
FAX. 03-3445-7518
E-mail oculus-a@khaki.plala.or.jp

営業時間 11時〜18時30分
(日曜・祝日は休み。会期中は原則的に無休)

〈交通機関〉
○ 都営浅草線高輪台下車3分
○ JR品川下車10分