光波の干渉(その2)目次回折格子による干渉(多重スリットによる干渉)回折格子はレンズと併用することにより,光を各成分波長に分散させる機能を持っている.ガラス板に1cmあたりに数千本の割合で等間隔に溝をつけた場合,その溝の部分は光を通さず,溝のない部分がスリットのように光を通す.そのため,非常に細いスリットを密接して多数ならべた多重スリットと同じはたらきをして,レンズと併用することにより,レンズの焦点面上に明暗の干渉縞を生じる. 回折格子の干渉条件隣り合うスリット間の距離を格子定数といい,dであらわす.スリットで角度θの方向に進む光線について, を満足するとき,全ての回折光線は強め合う.(ただし,m = 0,1,2,3・・・) 1スリットによる光波の干渉幅dのスリットに直角に波長λの平行な単色光を当て,スリットを通過した光線を凸レンズに入射すれば,その先には明暗の干渉縞が生じる.スリットでの回折角をθとすれば, 明るい縞暗い縞結晶の格子面によるX線と電子波の干渉X線による干渉X線が原子の格子を作る格子面に当たって反射する際,格子面の間隔をdとすると,2d sinθの光路差を生じる.そのため,
を満たす条件なら,回折光が強め合う.これをブラッグの反射条件と言う. 電子線による干渉ブラッグの反射条件は,電子線にも当てはまる.その時は,λは電子波の波長となり,加速電圧を V ,電子の電荷を -e とすれば, から, だから, となる. [ 物理難民を救うページ ][ 高校で学んだ物理 ] |