電流の磁気作用

目次

電流が磁界から受ける力

磁極,電流,運動している荷電粒子などに磁気を及ぼすような空間を磁界(磁場)と呼ぶ.磁界内においては,右ねじの進む向きに力を受ける.これを「右ねじの法則」と呼ぶ.また,電流が磁界から受ける力は「フレミングの左手の法則」に従う.左手の親指,人差し指,中指をすべて直角になるようにして,親指=力の向き,人差し指=磁界の向き,中指=電流の向きと覚えた.「電・磁・力」って感じ.

磁束密度 B [Wb/m2] の磁界とθの角度をなす長さ l [m]の導線に I [A]の電流が流れているとき,この電流がこの磁界から受ける力を F [N]とすれば,

運動している荷電粒子が磁界から受ける力

磁界内で,電子,陽子,α粒子などの荷電粒子が運動しているとき,荷電粒子は磁界から力を受ける.その方向はフレミング左手の法則や右ねじの法則に従う.また,磁界から受ける力の大きさは,磁束密度 B [Wb/m2] の磁界と角度θをなす方向に速度 v [m/s]で運動している電気量 q [C]の荷電粒子とすれば,

磁界の強さ

磁界の強さは,磁界内に磁気量のN極+1[Wb]を置いたとき,その磁気量に働く磁気力の大きさと向きで表し,1[Wb]の磁極に1[N]の力を及ぼす磁界の強さを1[N/Wb] = 1[A/m]という.また,十分長い単位長さあたりn巻きのソレロイドコイルの中にI[A]の電流が流れているとき,ソレロイド内の磁界の強さの式,H=nIで決定されるHを磁界の強さと定義することもある.以上より,H[A/m]=H[N/Wb]の磁界中にある磁気量m[Wb]の磁極が受ける力は,F = m H [N]となる.

磁束密度

定数 4π×10-7 [N/A2] を真空中の透磁率μ0と定義すると,磁界の強さH[A/m]との間に B = μ0 H の関係を満たすBを真空中の磁束密度と言う.単位は,[N/Am]または[T(テスラ)]である.また,f=qvB sinθから定義されるBを磁束密度とする.

磁力線,磁束線,磁束

磁力線は,磁界の強さHを接線に持つ曲線で,磁界の強さH[A/m]のところでは,磁界に垂直な1[m2]の面積にH本の磁力線が貫くとする.

磁束線は,磁束密度Bを接線に持つ曲線で,磁束密度B[Wb/m2]のところでは磁界に垂直な1[m2]の面積に1B本の磁束線が貫くとする.

磁束密度B[Wb/m2]のところでは,磁界に垂直なS[m2]の面積を貫く磁束線の本数はBS[本]となる.これを磁束といい,単位は[Wb].φ = B S

いろんな物に流れるときの磁界

長い直線電流の作る磁界

十分に長い直線電流によって生じる磁力線は,その電流に垂直な平面内で,電流を中心として同心円状になっている.その向きは,右ねじの法則に従う.強さI[A]の直線電流から距離r[m]の点における磁界の強さH[A/m]は,

円形電流の作る磁界

円形電流によって生じる磁力線は,円の中心では磁力線は円を垂直に貫く.その向きは電流の回っている向きに合わせれば,右ねじの法則に従う.強さI[A],半径r[m]の円形電流が円の中心に作る磁界の強さH[A/m]は,

ソレロイドコイルを流れる電流の作る磁界

導体を円筒の上に密接して規則正しく何回も巻いたものをソレロイドコイルと呼ぶ.ソレロイドコイルを流れる電流によって生じる磁力線の様子は,及びコイルを流れる電流の向きと磁力線の向きとの関係は,やっぱり右ねじの法則に従う.また,十分に長いソレロイドコイルに電流を流したとき,この電流によってコイル内部に生じる磁界の強さHは,至る所一様である.コイルの長さL[m],巻数をN[巻]とすると,コイルの単位長さあたりの巻数は,n = N/L [回/m]なので,コイルに流れる電流をIとすれば,

平行な直流電流間で及ぼし合う力

真空中で距離r[m]隔てた,無限に長い平行な直流電流I1 [A],I2 [A]の単位長1[m]あたりに働き合う力F[N]は,

電流I1,I2が同じ方向なら引力,反対方向なら斥力


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