直流導線に生じる誘導起電力

目次

誘導起電力の取り扱い

導体が磁界に垂直な速度成分をもって磁束を切ったときに生じる誘導起電力と,コイルのような閉回路を貫く磁束が時間的に変化する場合に閉回路に生じる誘導起電力とは,本質的には全く同じ現象なので,取り扱いは共通する点が多い.

誘導起電力の向きを求める法則

フレミング右手の法則

導線が磁束を切るときに生じる誘導起電力の向きを求める法則.右手親指,人差し指,中指をそれぞれ直角にして,親指が導線の運動方向,人差し指が磁界の向き,中指が誘導起電力の向きになる.

レンツの法則

閉回路を貫く磁束が時間変化するとき,その磁束の変化を妨げる向きに磁界を生じるような誘導起電力を生じる.これをレンツの法則と言う.例えば,コイルに磁石のN極を接近させると,コイルを通過する磁束が増加するため,これを妨げるような方向に磁束を生じるような誘導起電力が生じ,その向きに誘導電流が流れる.

これは,右ねじの法則と同じように覚えておくと楽.親指の向きがコイルに生じる磁界の向き.

誘導起電力の大きさを求める法則

直線導線に生じる誘導起電力の大きさ

長さ l[m] の直流導線が B[Wb/m2]の磁界に垂直に v[m/s]の速度で磁界を切って進むとき,フレミングの右手の法則に従う方向に,

の誘導起電力が生じる.

閉回路に生じる誘導起電力の大きさ

コイルの1つの輪に生じる誘導起電力 V[V]の大きさは,その輪を通過する磁束の単位時間の変化量 dφ/dt [Wb/s]に等しい.コイルの巻数をnとすれば,

以上から,導線の単位時間に磁界に対して垂直に切る磁束線の本数が導線に生じる誘導起電力 V[V]に等しいことがわかる.つまり, 誘導起電力は,磁束の単位時間の変化量 ---> 導線が単位時間に切る磁束線の総本数 ---> 磁界に垂直な導線の面積速度×磁束密度


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