粒子性と波動性(その1)

目次

光電効果

光電効果

金属または金属の酸化物の固体表面に光をあてると電子が飛び出す現象を光電効果といい,このときに飛び出す電子を光電子という.

光電効果の成立条件

入射光の振動数 ν >=限界振動数 ν0
入射光の波長 λ <= 限界波長 λ0

(ν00は金属によって定まる定数)

入射光と光電子の関係3種類

入射光の強さ

単位時間に飛び出した光電子数

光電流の強さ I

入射光の振動数を大にすると波長は小さくなる.そうすると,光電子のエネルギーは大になる.

入射光の強さと光電子のエネルギーの最大値とは無関係

光量子説による光電効果の説明

光は回折・干渉の現象より波動と考えられていたが,光電効果やコンプトン効果が発見されるに至って,粒子性も併せ持つことが確かめられた.

光量子(光子)

振動数ν[Hz],波長λ[m]の光は,一つ一つがその振動数に比例するエネルギーε =hν[J](比例定数をプランク定数という)をもった,エネルギー粒子の高速の流れであると考える.この粒子のことを,光量子あるいは光子という.

・・・プランク定数

光電効果の成立条件など

入射光中の1つの光子がたまたま金属表面付近の1個の電子にエネルギー hν = hc/λ を与える.

電子は金属表面内でとらわれの身になっているから,金属面外に脱出するのに必要な仕事Wをカバーするに足るだけのエネルギーを光子からもらえば金属面から脱出でき,光電効果が起きる.この仕事Wをその金属の仕事関数といい,金属の種類によって決まる定数である.

そえゆえ,光電効果が起きるためには,hν = hc/λ >= Wが必要.なので,限界振動数ν0や限界波長λ0は次のようになる.

光電子が限界振動数以上の光子のエネルギーをもらった場合,まず金属面外に脱出するのに仕事関数Wを費やし,残余が金属面外に出たときの運動エネルギーの最大値(1/2)mvm2となる.

この関係をエネルギー保存の法則により記述すれば次式となる

入射光のつよさ,単位時間に飛び出した光電子数,光電流Iの比例

光の振動数が一定のとき,入射光の強さは1秒間に光電面に入射する光子の数に比例すると考えれば,1秒間に金属面外にたたき出される光電子数は統計的確率の上から,比例関係にあると考えられる.また,光電流は,単位時間に集電子極に流入する電子数に比例するから,結局,

入射光の強さ -比例- 単位時間に光電面から飛び出す電子数 -比例- 光電流 I

なお,入射光の強さと光電子のエネルギーとは無関係.

臨界電位差(=阻止電圧)

臨界電位差

光電子を集める電極の電位が光電面に対して高電位の場合は,光電子はすべて光電子を集める極板に届き,光電流は一定値となるが,光電面に対して低電位の場合は,電圧が大きくなるにつれて,エネルギーの小さい電子から順にあいて極板に届かなくなり,最後に光電流がストップする.このときの電圧を臨界電位差(または阻止電圧)という.

光電面P1と光電子を集める極P2との間の2通りの電圧のかけ方

光電面の電圧V1 < 光電子を集める極の電位V2(V = V2 - V1 >0 のとき)--->普通の光電管における電圧のかけ方はすべてこのタイプ

光電面の電位 V1 > 光電子を集める極の電位V2(V = V1 - V2 > 0 のとき)--->光電面を飛び出した光電子の運動エネルギーの最大値の測定を用いる.この電圧をかけた場合,光電子のなかでエネルギーの小さなものは,P2極に達するが,エネルギーの小さなものはP2極に達せず再びP1極にまいもどることになる.

ここで,|V2 - V1|を大にするとついに光電流が0になる.このときの電圧|V2 - V1|を臨界電位差という.電子の電気量の絶対値をe,臨界電位差をVcとすると,光電面を飛び出した電子の運動エネルギーの最大値は,

で表される.


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