粒子性と波動性(その1)目次光の二重性光電効果やコンプトン効果の発見を契機として光の粒子性が実証された.その後,電子,陽子,α粒子等の粒子性を持つものが波動性も示すことが結晶面への電子線等の照射による回折により立証され,ここに波動性と粒子性の二重性が確証されることになった. ド・ブロイは,p=mvの運動量を持っている粒子が波動性を示すときの物質波の波長は,
光子のエネルギーと運動量の関係ド・ブロイの公式を使うと,光子のエネルギーε,運動量pは,プランク定数h,振動数v,波長λとして, コンプトン効果散乱されたX線の中に入射X線の波長より長い波長のX線が含まれる現象をコンプトン効果といい,光電効果とともに光がエネルギー粒子であることを示す現象. 例えば,石墨質の物質で散乱されたX線の中に,入射X線の波長λよりも長い波長λ'が含まれ,その変化量dλ = λ' - λ は散乱角θに関係する. 上記の事実は光量子説により,次のように説明される.
X線X線には,高速の加速電子がターゲットの物質中で減速したとき,減少した運動エネルギーが電磁波のエネルギーとして放射されるもの,すなわち,制動放射によって生じる,連続X線と加速電子が金属原子の内殻電子を叩き出したために生じる,エネルギー準位の差が電磁波のエネルギーとなる.特性X線の2種類が存在する. 連続X線高速の入射電子がターゲットの物質中で衝突によって減速したとき,減少した運動エネルギーが1個の光子となって発生する現象の集積が連続X線は種々の波長のX線となるので,これを連続X線という.特に1個の電子のエネルギーが,一度にX線光子のエネルギーとして放射されたとき,X線の波長はもっと短く, が成立する. 特性X線加速電子が金属電子の内殻電子を叩き出したとき,その空席に,より高いエネルギー準位の他の内殻電子が落ち込み,そのエネルギー差に等しいエネルギーをもつ1個の光子が放出される.これが特性X線で,その波長は金属電子のエネルギー準位によって決まる. X線及び電子線の回折X線が原子の格子のつくる格子面に当たって反射する際,格子面の間隔をdとすると,2d sinθの光路差を生じる. そのため,次の条件を満足するθをもつ回折光が強め合うことになる.これをブラッグの反射条件という.
ブラッグの反射条件は,電子線の回折にもそのままあてはまる.その場合,λは電子波の波長となり,加速電圧をV,電子の電荷を-eとすれば, X線や電子線などが結晶の粉末に当たるときにできる回折像は,入射方向に対して2θをなす回折方向に出たX線や電子線などが,入射方向を軸として半頂角が2θの円錐の側面を形成するため,写真乾板上に同心円状の映像が得られる. [ 物理難民を救うページ ][ 高校で学んだ物理 ] |