原子構造(その2)目次水素原子の核外電子のエネルギー水素の原子核は陽子1個から成り立っていて,そのまわりを核外電子1個が半径r,速さvで等速円運動を行っていると考える. この際,陽子の電気量を+e,電子の電気量及び質量をそれぞれ-e,mとする. 運動方程式この場合,核外電子に関する運動方程式は,ただし,右辺は原子核である陽子と核外電子との間に働くクーロン力である. 量子条件電子の軌道はその周囲の長さ2[pi]rが核外電子の波長 λ = h/m (hはプランク定数)の自然数n倍のものに限って存在し,それ以外の軌道は存在しない.この軌道を満たすべき条件を量子条件といい, で表され,この際の自然数nを量子数という. なぜ整数倍の軌道しかないかというと,もし整数倍でない軌道なら,弱め合うような干渉である位相差ができるので,電子の波動エネルギーは消滅してしまうため. 核外電子の力学的エネルギー核外電子の力学的エネルギーEは,その運動エネルギーK=(1/2)mv2と無限遠を基準とした位置エネルギーU=-(ke2/r)との和であるらしいから, これに運動方程式&量子条件を組み合わせれば, 水素原子から出る光の波長とそのスペクトル上記で得られた,E=-(E0/n2)を眺めると,nが大きい(電子が外側の軌道を動く)なら,その電子が持っている力学的運動エネルギーは大きいことがわかる. ってことは,核外電子が,量子数mの外側の軌道から量子数nの内側の軌道に移ったら,その分エネルギーが余ることになる. この余ったエネルギーは,1個の光子のエネルギーとして原子外に放出される.その際,放出された光の振動数v,波長λ,光速度をcとして表せば, ただし,E0 = (2π2mk2e4/h2) [ 物理難民を救うページ ][ 高校で学んだ物理 ] |