「そうだ。私は星痕症候群に侵されている…それも末期だ」
すっと白いローブが同じくらい白い彼の手で持ち上げられる。
左半身を覆う包帯が染みのように黒ずんでいる。
「医者も匙を投げた。」投げやりにルーファウスは言う。
「もう自分一人では歩く事もままならん。このまま朽ちていくだけだ」
フッと思いがけず彼の目が皮肉に細められる。
窓の外から室内に、大きな鳥の影が一瞬落ちた。
「これが生き残った私への星の罰なのか?ご丁寧な事だ」
甲高い鳥の声。二度、三度…。
「何れにしろ私は最期まで自分の職務を果たすだけさ…」
「カダージュ達を野放しには出来ない。ミッドガルを再建する。
 その為にはお前の力が必要なんだ」
「頼む、クラウド」
窓枠に止まっていた白い鳥が大きな羽音を響かして空へと戻る。
俺は… … …

「   」

 ルーファウスは俺の返答を聞いて満足そうに笑っていた。
だがその心の内は悲痛に歪められているのだと、俺は知っていた…