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05/06/02



汗と涙の少年野球

晴れ



ちょっと前の話しですが、
拾ったんで、UPします。










少年野球、
9回ツーアウト。
最後の打席に代打が告げられた。



その代打の少年は
事故で片足をなくし、
これが最後のバッターボックスだった。

松葉杖無しでバットを両手で握り、
一本の足でよろめきながらも
ピッチャーをにらみつける。



第一球、
空振り。

バランスを崩した少年は、
そのままバランスを崩して倒れた。

キャッチャーの差し出す手を断り、
バットを杖がわりにして
少年は砂まみれになりながらも立ち上がる。



二球目。
少年はピッチャーのゆるいカーブに、
食らいつくようにバットをあわせた。



ボールはてんてんと、
三塁線へ。



走れ!



少年は片足で、
飛び跳ねながら一生懸命、
一塁ベースを目指した。



三塁手は転がるボールを拾うが、
投げられなかった。

みんな、
そんな少年の姿に感動し、
見入っていたんだ。

「がんばれ、がんばれ!」
叫びながら、
涙する子もいた。



片足の少年は、
泣きながらヘッドスライディング。



その涙は、
苦しみからなのか、
うれしさなのか、
悔し涙なのか。



少年の手はベースに届かない。
けれども
ずりずりと這いながら一塁へ向かった。



「もうちょっと、
もうちょっと!」



ベースのまわりには、
子供たちが集まる。



そして、
その指がチョコンと、
ベースに触れた。



わっと湧き上がる歓声。
片足の少年は涙をぬぐい
ゆっくりと立ち上がった。

顔も、
ユニフォームも、
どろどろだった。



でも、
とても輝いた顔をしていた。



そして、審判が言ったんだ。



















    _、_
        ⊂( ,_ノ` )⊃ ファール
  (  )
  /   ヽ









「やります、
最後までやらせてください!」

片足の少年は
くたくたになりながらも、
ふたたびバッターボックスへ。



一度は静まり返ったグラウンドも、
再び子供たちの歓声がわきあがる。



最後の打席。
ピッチャーも真剣勝負をいどもう、
そんな気持ちだった。

そして、
いつもよりも大きくふりかぶり、
渾身のストレートを投じた。



片足の少年は、
フルスイング。
これが最後のスイングだと、
見てる者にも思わせる
気持ちのこもった一振りだ。



パシン!



球は
キャッチャーミットの中で、
小気味良い音をたてた。

空振り三振。
片足の少年はどう、と倒れた。

あわてて子供たちが駆け寄る。

心配そうな子供たちとは裏腹に、
片足の少年は、
すがすがしい顔をしていた。



真剣勝負、
すばらしい最後の打席だった。



そして、審判が言ったんだ。


















    _、_
       ⊂( ,_ノ` )⊃ ボーク
  (  )
  /   ヽ  

































空気読めよ。
( ゚Д゚)




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