吉田 鋼太郎さんについて語ってみました!


1.あなたのお名前をお願いします(HN可)

映@管理人



2.あなたの好きな役者さんをお教えください

吉田 鋼太郎さん


3.はじめてみた舞台と配役は何ですか?

2002年オィデプス王,王弟のクレオン


4.その舞台は、どんな経緯で観劇したのですか?

高校の時から 東儀秀樹氏が好きなので、
音楽を担当していると知って興味がわきました。最終的には、
野村萬斎さんが出てるのが決め手となりました。
チケットを手に入れるまでちょっと嫌な思いをした、
ある意味忘れられない舞台です…


5.その役者さんの第一印象は?

よく通る力強い声と、明晰な台詞。
日常を全く感じさせない高潔な存在感が印象的でした。


6.はじめてみた舞台の率直な感想をお願いします。

オィデプスの峻烈さと、王としての、そして個人としての苦悩が
印象に残っています。
舞台上を渦巻くコロスのエネルギーと静寂、
静と動の移り変わりが見事な、美しく激しい舞台でした。
深く澄んだ淵に水滴が響くような、閑かでもの哀しい音楽も
とても効果的だったと思います。

萬斎さんの人を惹きつけてやまないオーラは顕在でしたが、
やはり発声は狂言師のものかな?と思った舞台でもありました。


7.その役者さんにはまった舞台と配役をお教えください。

好きになったという意味では、オイディプス王のクレオンと
ハムレットのクローディアス。
虜になったのは2004年タイタス・アンドロニカスのタイタス。
今でも、瞼に浮かぶ舞台です。



8.何が決めてでしたか?魅力を存分にどうぞ!!

「このすさまじい感情に、どうやってカタチを与えるのかを観たい」
と思って観劇したタイタス・アンドロニカス。
はじめに記した感想が、「鋼太郎さん、すごい…」でした。

喜び、怒り、悲しみ、慙愧と狂気。
あらわれてくる感情がすべて鮮烈でリアルなので、否応なく舞台に
ひきこまれてしまいました。
そして、感情の質が怒りから悲しみへ、動から静へ移り変わると、
纏っている雰囲気も舞台の空気も、ふっと色が変わります。
その深みの有る演技力に魅せられました。

鋼太郎さんの演技は、一度として同じ印象を受けたことがありません。
極端なことをいってしまうと、顔立ち以外、他の役との共通性を
感じさせるところがないくらいです。
本当に考えて、全体としての個人をみせる役づくりを
なさっている方だな、と感じました。

そして、勿論、明晰な台詞回しと力強く通る声。
あの速さで語りながら、台詞に命を吹き込むことができるというのは
稀有な才能だと思います。


9.その役者さんのこれまでに見た舞台や映像(ドラマ・映画)をお教えください。

■ 舞台


 2003年・2004年 オイディプス王
 Hamlet
 子どものためのシェイクスピア リチャード2世(映像)
 タイタス・アンドロニカス


■ 舞台演出

 2004年 AUN公演 オセロー
 


10、そのなかで一番好きなものはなんですか?理由を存分に語ってください!

一番を決めるのは難しいのですが…。
やはり、タイタス・アンドロニカスのタイタスはよかったです。
最初の登場シーン、歓声を上げて登場する息子達の後ろから
静かに現れるタイタス。
その厳かさと迫力に、一目でひきつけられました。

そして、感情の見せ方も素晴らしかったです。
めまぐるしく変わる膨大なエネルギーに引きずりこまれても、
全く不快感を感じませんでした。
人をいかに心地よく酔わせ、動かすかが上にたつものの資質だとすると、
鋼太郎さんはまさに「タイタス」という疾風怒濤の魅力ある
将軍を顕していたな、と思います。
「いまでも、俺の、娘だ…」変わり果てたラビィニアに対して
紡いだ台詞は、見ているこちらまで呼吸が苦しくなりました。

そして、白く美しい舞台で、まるで物を壊すように展開していく人の死。
「100人の死は悲劇だが、10000人の死は数字でしかない」と
いう言葉を連想しました。
人の死を、あえてもののように列挙する事で、
反するメッセージを伝えたかったのかもしれません。

舞台に はまるというのはこういうことかと思いました。
今でも思い出すと胸が震えます。



11.これまでみた衣装の中で一番似合っていたと思うものは?

タイタス・アンドロニカスのタイタスでしょうか?
神の色であり、死の色でも有る白、その染まらない色と
衣装を完全に自分のものにしていた感があります。
金髪との対比も素敵でした(笑)

そして、もうひとつ
コック姿の鋼太郎さん
想像以上のお姿でした。もうもう最高!!
煌いてました(笑)



12.反対に「申し訳ないけどこれは…」と思うものはありますか?

いまのところ、ないです。
残念ながら、それほど舞台を拝見しているわけではないので…。



13.その役者さんを色に喩えると何色でしょうか?

樹の息吹が刻を経て結晶した、深い琥珀色。
冷たい鉱物が凝った黄金よりも、あたたかみを帯びたこの色のほうが
似つかわしい気がします。
炎にかざすとさまざまに色を移すのも、配役によって異なった魅力を
みせてくれるところに通じるかもしれません。

何億年という時を経て結晶化したものの持つ色合いは
役者としての、また、個人としての深みも映しているように思います。
瞭かでありながら、同時に深みと影を感じさせる、
相反する魅力を備えたものが似合いますね。



14.差し入れをするなら、なにを選びますか?

やはり、お酒。
ご本人については「お酒好き」ということ以外知らないので、
他に思いつきません。
なんとなく日本酒がお好きなイメージがあるので、
水晶の層で磨かれた水で醸す雫酒、「歓の涙」を贈りたいですね。
もしくは、個人的に好きな「ボンベイ・サファイア」や
菫の香りの「ゴードンジン」。




15.その役者さんと舞台以外で遭遇したことはありますか?どんな方でしたか?

オセローの当日券をゲットするべく駆けつけたサンシャイン劇場窓口と、
公演前のロビーでお見かけしました・
余程話し掛けようかと思いましたが、「お慕い申し上げております」 といったきり
固まってしまいそうだったので、柱の斜め後ろから怪しく傍観していました。
曇りの無い表情と深い響きの声に、ますますドキドキした30分でした(⇒…長っ)



16.その役者さんが演じられた役の中で、お気に入りの台詞はありますか?

ハムレットで、クローディアスが神に懺悔をする独白シーン。
シェイクスピアらしい美しい語句が続きますが
その言葉に負けない、力のある台詞回しが印象的でした。
特に、最後の言葉、

「ことばは宙に舞い 心は重く沈む。
心の伴わぬことばは 天には届かない」

というくだりは、本当に素晴らしかったです。
クローディアスの心の深淵が閃くような台詞でした。


17.過去に見逃した舞台で、タイムマシンを使ってでも見てみたいものは?

う〜ん、たくさんありすぎて列挙すると哀しくなりそうですが、
やはり「「グリークス」でしょうか。
蜷川さん演出と、横田さんも麻実さんも見逃してしまった、
涙・涙の舞台です。



18.これから見てみたい作品と配役をお教えください。

鋼太郎さんが演じるものなら、何でも観てみたいです。
あえていうなら、シェイクスピア作品ですね。
言葉に正しい重みを与えることのできる
鋼太郎さんならではのシェイクスピア、これからもぜひ拝見したいです。



19.その役者さんのこれからの観劇予定は?

8月の「お気に召すまま」
その後も随時の予定です。今から楽しみです。



20.最後に、その役者さんへのメッセージをどうぞ!

鋼太郎さんの芝居を拝見して、
文字で描かれた風景が、語られることで はっきりと命をもって
たちあがる瞬間を感じることができました。
いつもすばらしい舞台をありがとうございます。

これからのますますのご活躍をお祈りしております!