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糖尿病と無理なくつきあう

低インスリンの食事法(1)

 インスリンの分泌をおさえ、カロリーの吸収をひかえてダイエットしようという方法は、カロリー制限によらないダイエット法として、アメリカでは30年以上も前から行われているダイエット法です。代表的なものに、「アトキンス式ダイエット」(ローカーボダイエット、低炭水化物ダイエット)や「4・3・3ダイエット」(ゾーンダイエット)、「シュガーバスター」(低GI値ダイエット)などがあり、呼び名も複雑です。

 日本では永田孝行さんによって「低インシュリンダイエット」として紹介され、広く知られるようになりました。そのポイントは、血糖値が上がりやすい食品(GI値の高い食品)をできるだけ避け、血糖値が上がりにくい食品(GI値の低い食品)を取り入れることによって、インスリンの分泌をおさえ、カロリーの吸収をひかえてダイエットしようという方法で、糖尿病患者の食事療法においてもかなり有効で十分活用できます。

 なお、主食(炭水化物)を抜いて脂質中心の食生活にする「アトキンス式ダイエット」については、糖尿病患者が急激に痩せていくのと同じ状態を人為的につくるので、糖尿病患者は試みてはいけないという指摘があります。

 「低インシュリンダイエット」の理論(おもに食事法について)はおよそ次のようなものです。

 私たちが食事や飲み物から砂糖・炭水化物を摂取すると、血中の糖量が増えて、血糖値が上がります。そして、血中にエネルギーがあふれた危険な状態だと感じたとき、体は「エネルギーが余っている」と判断し、インシュリンというホルモンを分泌します。

 血中に登場したインシュリンは、糖をエネルギーとして筋肉に送り、それでも血糖値が高ければ、脂肪はもちろんのこと、余っている糖までも脂肪に変えて体内に蓄えます。同時にすでに蓄えてある脂肪が血中に出ないように、脂肪の分解を制御します。

 食品には、同じカロリーでも血糖値を上げやすい食品と上げにくい食品があります。これは、食品に含まれている糖質の構造や、一緒に含まれている成分のちがいによって、糖が消化吸収される速さに差があるからだと考えられています。

 したがって、血糖値を上げやすい食品を避け、血糖値を上げにくい食品をできるだけ食べるようにして、インシュリンの分泌を抑え、余分な糖が脂肪になりにくく食べても太らないようにしようというのが「低インシュリンダイエット」です。

 そこで、食品の血糖値を上げる程度をあらわしたものとして、GI(グリセミック・インデックス)値が考えられました。これは食品を食べたときの血糖値の上昇度を、基準になる食品(ブドウ糖、パン、ご飯など)と比較して数値化したものです。この数値が低いほど血糖値の上昇がゆるやかであることを示します。

 NHK番組「ためしてガッテン」の実験でも、おにぎり、うどん、スパゲッティを同じ250kcal食べたときの血糖値の上がり方を調べたところ、おにぎり、うどんの順に上がりやすく、最も上がりにくいのはスパゲッティでした。また、白飯、玄米ご飯、麦ご飯を比べた実験では、玄米ご飯と麦ご飯のほうが、白飯よりも血糖値の上昇がゆるやかでした。

 GI値が低い食品をとると、食後血糖値の急激な上昇を抑えることができるため、最近では糖尿病の食事療法として、臨床への導入が進んできています。また、糖尿病関連の書籍にも少しずつ取り上げられるようになってきました。元プロレスラーの最近の著書『あなたの体も危ない!』(PHP研究所)でもくわしく取り上げられています。

 しかし、GI値の基準は、調理法や食べ合わせ、個人の体質などによって変動します。GI値リストを見て、GI値の高いものだけ避けておけばいいというわけにはいきません。GI値が低くても、エネルギー量が高い食品であれば、食べ過ぎると肥満の原因となります。

 単純にGI値だけで判断できない点もありますから、GI値の基準がすべてとは考えずに、「ごはんを食べるなら、少しでもGI値の低いごはんを」「GI値が高い食品どうしの組み合わせをひかえる」「GI値が高い食品と脂肪の組み合わせを避ける」などに注意して、食品選びの参考にするといいのではないでしょうか。

 さて、「低インシュリンダイエット」というネーミングですが、糖尿病患者の場合、その主要な目的は「ダイエット」というよりも「血糖値の抑制」ですから、糖尿病の食事療法としてなら「低GI値の食事法」とか「低インスリンの食事法」なんかがいいのではないのでしょうか。

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