新潟大学教育学部初等社会科教育法(3学年)
学生による模擬授業へのゲストスピーカーの講話・質疑場面における学生の感想 
2013.7.25(木)1限>

 

小学校6学年の社会科学習で、ゲストスピーカーとして、講話をするという設定でしたが、目の前の学生に対して、つい本音で語ってしまい、授業の意図するものと違ったことを申しわけないと思います。しかし、学生のおおかたが、私どもの思いを素直に汲み取ってくれ、嬉しく思いました。無記名ならと、教授の許可を得て、感想の幾つかを紹介させていただきます。授業直後の提出でも、このような文章が書けるのは驚きです。順不同。

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★ 正直、このようなプロジェクトが行われていることを知らなかった。自分もこの夏、何か行動を起こそうと思い、海外へのボランティアに参加しようと考えていたので、とても参考になった。インドも友人が春に行って、自分の世界観が変わり、ショックを受けたという話を聞いて、自分も必ずインドに行って、片桐さんの施設を訪問したいと思った。

★ 産まれたばかりの赤ちゃんがゲートに捨てられているといった、日本では考えられないような非日常的な出来事が日常的に起きていることに対し、非常に憤りを感じた。インド政府は見て見ぬふりをしているのか?何故支援を行わないのか?それが当たり前であるのか?というような疑問が残った。

★ 「教育は人をつくる」「教育こそ世界を変える」という言葉をお聴きして、自分がなろうとしている学校の先生という存在は、中途半端な気持ちで目指して良いものではないな、と感じました。「なりたい!」と願うだけでなく、「なろう!」と決め、やるべきことを11つやっていこうと思います。

★ 資金集めの話を聞いて、ものすごく驚きました。退職後、片桐さんが警備員をして、さらにチャリティー活動をして、節約して、350万円を10年間、自費で送り続けた(寄付・助成等も合わせて総額で約7千万)とは、本当に驚がくでした。親せきと絶縁になりながらも活動し続ける強い気持ちに対して、ただただ尊敬の念を抱くことしかできません。

★ 「人に語れない夢は叶わない」「教育こそ平和を導く」という言葉が非常に印象的でした。このようなゆるぎない精神を自分の中の軸として持って活動することが重要だと考えました。事前学習で、片桐さんの活動を見てはいましたが、実際に話を聞いたことで、より活動を実感しました。ぜひ一度、インドを訪れてみたいです。

★ 片桐さんの思いで、インドに施設や学校をつくってしまうことがすごいと思いました。それだけの強い思いと行動力があることを見習っていきたいです。子どもたちに対する愛をすごく感じました。自分ができることは小さいことかもしれないけれど、できることをしていきたいです。

★ 自分たちの生活もかえりみず、インドの子どもたちを支援することは、とても大変で勇気のいることだと思った。私も自分で何ができるか考えたい。大きなことも、一歩一歩進めていればこのような大きなプロジェクトになれると知ることができて、よかったです。

★ 見てみないと分からないことは多くあるのだと感じました。教育の力は大きいと思いますが、実体験をしなければ学ぶこと、知ることができないことがたくさんあると思うので、多くの体験を通して、実のある教育ができる教師になりたいと思いました。

★ 2つ考えたことがあった。1つは、自分に何ができるのか、ということである。今日の話を聞いて、私たちは貧しい人たちをもっと知って、周りに伝えることが大事だと思った。2つ目は、「やりたい」と思う気持ちが大事であることを学んだ。手段は「どうにかなる」、「やりたいという強い意志しだいで、夢は叶う」という言葉が印象的だった。

★ 様々な苦労(資金など)がありながら、グラウンドや学校給食などといった、私たちにとって当たり前のことを、インドの子どもたちに与えるために、ここまでできるなんて、すばらしいと思った。実際に援助活動をしている方のお話を聞くことで、子どもたちの貧困について、現実的に捉えさせることができると思った。

★ 貧しい人々への支援活動は、経済的に裕福な方が携わっているイメージが強かった。片桐さんのように、支援のために勤労したり、検約の努力をしたりする人がいるというのは意外だった。どんなことでも、やればできる、夢は叶うものだということを学んだ。

★ ただ食事を提供したり、生活を支援したりするだけでなく、子どもの将来を考えた支援をしていて、すごいと思った。

★ 自分の生活を切り詰めてまで、お金が無くなってまでも、そして、他の人から自分たちを認めてもらうまでも時間がかかるのに、今も活動を続けていることに、本当に尊敬し、日本人の誇りだと思う。片桐さんの「教育こそが世界の平和につながる!」という言葉のように、そこに何かしら貢献できたらいいなあ、と思います。今日の講義で、最も感じたことは、片桐さんの生き方を見習って、強く生きたいことです。素敵な夫婦です。

★ インドにはインドの文化、日本には日本の文化があります。日本人の私たちからの感覚からすると、「かわいそう」などと思うことや、「不便だ」と思うことなどもあるかもしれませんが、彼らからすると、本当にそれが、「かわいそう」なのか、本当に求めていることは何なのか、ということをふまえていかなければ、文化になじまない風潮や、独特の文化をこわしかねないこともあると思い、難しいことだと思いました。

★ 今の自分たちにできることというのはほとんどなく、無力な存在なのだと思った。強いていえば、今のうちに様々な地域におもむき、何か影響、つまりはきっかけというものを得る必要があるのだと考えた。そうでなければ、急にボランティアしようといった考えは起きないと思うからだ。また、片桐さんが、「語れなければ、夢ではない」と言った言葉を聞き、言葉にするというのは大切だと感じた。

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 国連の「子どもの権利条約」では、「子どもの生命、生存、発達の権利を保障するために、保健、栄養、水と衛生、教育などの基礎的な社会サービスが確保される」と定めています。「大人」は、「自力では生きられない子ども」を養護する責任があります。「人種、民族、性、言語、宗教、政治的意見、出身、心身の障害などで差別してはならない」のです。