ごあいさつ(発刊にあたって)

 

199741日、NGO 教育と環境の「爽」企画室を立ち上げて20周年、さらに20031月、インドの家なき子らの自立支援センター「子どもの憩いの村」の建設・運営プロジェクトに着手して15周年を迎えるあたり、その歩みを記録誌としてまとめました。

その間の資金作り活動の血の滲むような努力は筆舌に尽くしがたいものがありました。さらに、私事ながら、夫婦とも重い持病(夫は心臓病、妻は脳梗塞)を抱え、その上、中越地震、中越沖地震、そして、東日本大震災といった天災が降りかかる中での活動は、時には心折れ、矢尽きるといった思いもなかったとは否めません。

しかし、路傍で頼る人もなく、時には物乞いし、時には万引きなどでさまよいながら生きている子どもたちを見捨てることは到底出来ませんでした。世界中の貧しく不幸な子どもたちを救うことは出来なくても、せめて眼前で手を差し出す数百人の子どもたちを救うことは、大人として、人間として当然であろうと、私ども夫婦は決意し活動を始めました。

インド支援15年を経過し、最初の子どもたちは、「子どもの憩いの村」ですくすくと育ち、立派な大人になりつつあります。この子どもたちが、やがて私どもの思いを継ぎ、施設のさらなる発展を目指すことでしょう。

八十路を迎えた私どもは、これからは後方で励まし、見守っていこうと思います。そのひと区切りとして、この記録誌を皆さまにお届け出来ることを嬉しく思います。これを読んだ若者が、勇躍、インドを訪問し、若者同士の新たな交流の道を歩んで行くことを熱望しています。600年余を悠々と生きてきた「村」のシンボルツリ―・マンゴーの大樹は、その時も若者たちの交流を優しく見つめていることでしょう。

今まで陰に陽に私どもを支えてくださった皆さまに、厚く厚くお礼を申しあげます。

 

20177月吉日  片桐 和子、片桐 昭吾

内容91ページ

表紙                               裏表紙