新潟市立女池小学校での講演会


 2010年1月14日、新潟市立女池小学校の6年生に、インドのお話をさせていただきました。卒業を間近に控え、中学校進学への希望と不安とで、心が揺れる頃でしょう。でも、子どもたちは、とても熱心に耳を傾け、パワーポイントに瞳をこらせて見入っておりました。自分たちと異なる環境の中にあって、真剣に生きるインドの子どもたちを、少しでも理解して頂きたいと思い、私もつい、肩に力がはいってしまいました。

 早速、感想文を送ってくださってありがとうございました。皆さんが、しっかりと自分の考えを持ち、きちんと文章に表すことができることにおどろきました。字もとてもきれいでした。スペースの関係で、たくさん掲載できないこと、文章を少しだけ省略させていただいたことをお許しください。私の話が、皆さんのこれからの人生に、少しでもお役に立てたらうれしいです。

6年生の感想文

○ ぼくは、片桐和子さんの話を聞いて、インドの子どもと自分を比べました。ぼくが当たり前に思っている家や家族が、インドの貧しい子どもたちにはありません。学校もインドの貧しい子どもは行けなくて、ぼくたちとちがって自分の夢がなく、未来への階段がとざされているとおっしゃっていました。ぼくは当たり前でない生活は想像できません。ぼくの一番心に残ったのは、「大切なのはどれだけしたかではなく、その気持ち」という言葉です。片桐和子さんは、自分の幼いころの悲劇をもう二度とくり返さないようにするため、インドの子どもを支援したと思います。なのでぼくもどんなに小さなことでもやさしい思いやりの気持ちが大切と考え、出来るかぎりのことをして、人々を喜ばせることを自分の夢に付けたしたいです。


○ 私は今日、お話を聞く前、「なぜ、インドに学校をつくろう。」と思ったのだろうと思いました。でも、お話を聞いた後、少し分かったような気がしました。戦後の自分がそうであったように、インドにも苦しんでいる人がいるんだと思った片桐和子さんは、ためていたお金のほとんどを、ホームをつくるために使ったそうです。私は、片桐和子さんのこの言葉がとても心に残りました。「一歩ふみ出せば人生は変えられる。自分の意志を捨ててはならない。」という言葉です。お母さんの、「人の役に立つことをしなさい。」という言葉と、戦後の経験があったからこそ、気持ちを動かしたのだと思います。


○ 私は、講演で初めてインドの現状を知りました。11億7000万人の半分が文字を書けないことや、ストリートチルドレンがうすい布切れにくるまってねるようなことは予想以上でした。また、カースト制度というもののなごりで、生まれながらに職業が決まっていたり、人を心配する心を失っていたりするのは、かわいそうです。片桐和子さんの言っていた、「私が助けられるのは100人ほどだけど、私がその活動をしなければ、その100人も飢え死にしてしまうかもしれない。だから行っています。」ということに感動しました。「世界の子どもたちはみんな家族」ということと、「目的を持って踏み出す。」私は、その目的の一つに積極的に募金をしたいというのを入れようと思いました。


○ 片桐和子さんは、ストリートチルドレンを助けてあげるため、住む所をつくり、職業訓練所をつくり、将来の子どもたちを導いて、とてもすごいと思いました。そして、「子どもの憩いの村」をつくる夢を叶えました。それだけでもすごいのに、夢が叶っても、今、さらにオリンピック選手を出すことと、世界の子どもたちが行き来して、仲良くなってほしいという夢へ向かっています。いつか世界が仲良くなってほしいと、私もそう思いました。片桐さんも苦労して教師になり、強い意志で進んできたと思います。


○片桐和子さんの話を聞いて、すごい人だなと思いました。薄い布切れにくるまって眠るストリートチルドレンを見ても、ふつうの人は、ただかわいそうな子どもたちとしか見ないのに、その子どもたちを救おうとしたからです。そして、本当にそれを実現したことです。子どもたちの未来も考えて、最低限の暮らしを保証するだけでなく、上級の学校進学や自分の好きな仕事を選択することができるようにするため、認可学校の建設もしています。今だけじゃなく、未来も保証するために、あきらめずに最後まで、自分の夢を追い続けていて、カッコイイです。私は、片桐和子さんは、太陽のような人だと思いました。明日生きられるかも分からないストリートチルドレンの未来を明るく照らしたからです。私も自分のことばかりじゃなく、人のことも考えられる人になりたいと思いました。