松浦の民話

◎不老山徐福伝説◎

  紀元二百年、中国秦の始皇帝は、不老不死の薬を求めに、蓬莱島に徐福を遣わし

ました。

  はじめ佐賀の金立山に登りましたが薬が無く、伊万里湾を経て松浦の不老山に登り

ました。そこで佐世保相ノ浦白玉山で産出した自然水銀を基に、この地で不老不死の

薬(仙丹)を作る事に成功しました。⇒ 不老山

  この薬は麓の港から積荷し、鷹島、壱岐、対馬、百済を経て中国に渡り、王侯貴族

が服用し、大いに珍重されました。志佐町の浦免には「丹花」という地名が残っており、

現在の丹花橋付近が、仙丹の積出し港だったと言われてます。⇒ 丹花

  その後七百二年に、役の小角という人物が徐福を慕って不老山に登り、山頂でシメ

を張って紫灯ゴマの法を修めました。そして高野に権現を、松山田と庄野大坂山麓に

神を祀りました。これが後の熊野三所権現です。

  不老山の山頂には、その時役の小角が瞑想した、一メートル四方の座禅石が現存

しています。