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法務局には「不動産登記簿」の他に「商業登記簿」という帳簿もあります。
「商業登記簿」とは何でしょうか。
商業の帳簿と聞くと、経理に関係あるように思いますが、そうではなくて「会社の戸籍」のようなものです。市役所に行くと自分の戸籍の謄本を取ることができます。それを見ると、自分がいつ、どこで生まれたのか、本籍地はどこか、父親、母親は誰かといった情報が記載されています。同じように商業登記簿には会社の名称本店所在地設立の年月日取締役は誰かといった情報が記載されています。
人が生まれた時には、出生届を市役所に提出しなければいけませんが、会社を設立する際にも法務局に届け出る必要があります。そして後日、会社の名称、本店所在地、取締役などに変更が合った場合には、法務局に届け出なければなりません。

ではなぜ、国がこのような情報を管理しているのでしょうか。
わたしたちは銀行に行って口座を作る時に身分証の提示を求められます。例えば免許証のようなものです。そこには、生年月日、本籍、住所が書かれているので、銀行員は十分な本人確認を行うことができます。では、会社が口座を作る時に銀行員はどんな物で'本人確認’を行えば良いのでしょうか。その会社が架空のものでないことはどうすれば分かりますか。
本店 千葉県印西市大森2550番地1 株式会社〇〇 代表取締役〇〇 と書かれた名刺で十分でしょうか。それでは十分な'本人確認’にはなりません。名刺はその会社が存在していなくても誰もが自由に作ることができる物だからです。
このような時のために国は会社に関する情報を管理していて、必要な場合に、会社の名称、本店所在地、代表取締役の氏名などの情報を記載した証明書を交付します。わたしたちは、それを銀行に持って行き自分の会社が架空のものではなく、実在するものであることを証明することができるのです。
 
  会社法について
 
会社法が施行後、会社制度が大きく変わりました。
すでに事業を営まれている方、これから事業を営まれる方とお話をさせていただくと、会社法についてよく調べておられ、多くのことをご存じです。この中でどのようなことを書かせていただこうか考えましたが「合同会社」について書かせていただくことにします。

合同会社という会社については、聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。会社法施行により創設された制度です。
この会社の最大の特色は「会社のことは定款で自由に定めることができる」ということです。利益配当の方法も自由に定めることができます。株式会社との違いはこの利益配当に大きく表れることがあります。
例えば、「事業を成功させる特殊なノウハウを持っているがお金は無い」Aと「ノウハウは無いがお金を持っている」Bが株式会社を設立するとしましょう。出資額は、Aが1万円、Bは499万円です。Aが代表取締役に就任し、ノウハウを駆使した結果、500万円の配当可能利益が出たとします。配当はどのようになされますか。
配当は、株式数に応じてなされますから、A1万円、B499万円となります。不公平なような気がしませんか。
もちろんAは、代表取締役に就任する際に、かなりの額の役員報酬をもらうとの約束を取り付けることはできます。しかし、それでは安心できません。
設立から相当の年月がたって経営が安定し、Bも十分なノウハウを蓄えた時に、Bが大株主としての地位を行使して、Aを代表取締役から解任して、自分を代表取締役にすることができるからです。
このように株式会社では、出資した人、株主が一番の力を持っていて、個々の人が会社にどのような貢献をしたかは考慮されません。

それとは異なり、合同会社では利益配当の割合も自由に定めることができます。Aの貢献度を考慮し対等に半分半分にすることが可能です。500万円の配当可能利益があれば250万ずつ、配当を受け取ることになります。
また、株式会社においては出資の比率に応じて議決権を持つ、つまり、発言権がありますが、合同会社の場合には出資者の全員一致で物事を決めますので、Bの気持ちひとつで、いきなりAを解任するということもできません。
このように、合同会社は「人の個性」を大切にする場合に利用することができる制度です。

また、合同会社にはもうひとつ大きなメリットがあります。
それは、設立費用が安く済むということです。株式会社の場合、定款の電子認証を利用した場合でも、公証人の手数料約5万円と、国に納める登録免許税15万円はかかります。
それに対して、合同会社の場合には、定款の認証は必要が無いので、公証人の手数料5万円はかかりませんし、国に納める登録免許税は6万円で済みます。
合同会社は新しく創設させた制度で、今後、社会的にどのような評価を得ていくか分かりません。業種によっては、仕事の発注は株式会社にしかしないということになることも考えられます。
ですから、対外的な信用はあまり関係が無い業種、もしくは、すでに大きな取引先があり、税金の支払いの点で有利なので法人化を考えているという場合には合同会社を設立することを考えることができると思います。

当事務所では、次のような登記のお手伝いをしています。
会社設立役員変更商号変更目的変更本店移転増資、有限会社から株式会社への組織変更など。


芝司法書士事務所 司法書士 芝 瑞樹 TEL:0476-42-4456・FAX:0476-42-4356
〒270-1327 千葉県印西市大森2550番地1 松本ビル201号