Q 私は、飲食店の経営者ですが、この度賃借している店舗の賃借期間が満了し契約更新をするに当たり、
  家主から家賃の10ヶ月分の更新料の請求を受けました。当初の契約書には特に更新料についての約定
  はありませんが、家主は更新時に更新料を支払うのは当然であり、支払わないのであれば契約の更新は
  しないと言っています。契約の更新のためには、更新料は支払わなければならないのでしょうか。
A  法律上の点からお答えしますと、このケースは、最初の契約で更新料の支払いを定めてませんし、期
   間満了前(6ヶ月前まで)に契約内容の変更の申し入れとして、更新時には更新料を支払って下さいとの
   請求を受けたわけでもありませんので、更新料を支払う義務はないでしょう。また、家主の方も、更新料
   を支払わないからといって、更新の拒絶はできないものと思われます。しかし、事実上の点から考えると、
   借地借家契約では更新時に更新料を支払うことは非常に多く見られ、一種の慣行のようなものになって
   おり、家主の側でも更新料に対してそれなりの期待と計算をしているという事情も見逃せません。また、
   経済状況の変化により、租税等が値上がりしたり、近隣の地代と著しく均衡を失して不相当になる場合
   も否めません。いずれにしましても、今後も家主との友好的関係を保つことを重視するのであれば、誠意
   をもって家主と話し合い、更新料についての法律上の性質やあなた及び家主の事情について十分理解
   し合った上で、支払うことにするのか、支払うにしても何ヶ月分にするのか等を合意するのがよいでしょう。
   話がまとまらなければ、供託手続きや調停手続きなどを利用するのも一つの方法です。

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