Q 先日、マンションを購入して勤め先の近くに引越しました。前に住んでいたアパートは賃貸ですが入居時
  に家賃2ヶ月分の敷金を支払いました。引越しの時に、貸主は、近日中に部屋の状態を再度点検してから
  私の口座に振り込むと言っておりましたが、なかなか、振り込んできません。そこで、貸主に催促の電話を
  しますと、次の賃借人が見つかるまでは返せないと言います。それはおかしいと言い返しますと、今度は、
  畳を取り替えたり、壁紙やキッチンを新しくしたりしたのだから敷金は残っていないと言います。敷金はいつ
  戻るのでしょうか。それとも、このまま戻ってこないのでしょうか。
A 『敷金』とは、賃貸借契約に付随して、賃貸人の賃借人に対する債権を担保するために、賃借人が賃貸人
   に差し入れる債権です。敷金で担保しているのは、主に未払い賃料です。賃貸借契約が終了して、賃借
   人がなかなか出て行かない場合は、家屋を明渡すまでの賃料相当損害金も担保します。また、賃借人の
   責任で家屋を破損した場合の修理代、賃貸人が立替えた電気代・水道代・ガス代等も担保します。しかし
   ふつうに使用したことによる汚れ以外は特に破損がないにもかかわらず、本件のように、次の賃借人の為
   にリフォームをした場合まで敷金によって担保されるわけではありません。契約期間中の解約申し入れの
   場合には、敷金は返還しないとか、鍵の取替え費用・業者に支払う家屋のクリーニング代・畳・フローリング
   ・壁紙等リフォームにかかる費用等は敷金で充当するとの特約が契約時になされていても、賃借人にとっ
   てあまりに不合理な内容であれば、無効な特約と判断されることもあります。請求金額が60万円以下でし
   たら少額訴訟制度を利用することもできますので、決して諦めないで敷金を取り戻しましょう。 

                        戻る