Q 私は、自宅の隣に二階建ての木造アパートを持っていますが、店子の1人が3ヶ月程前に出かけたまま、
  今になってもアパートには戻ってきておりません。家賃は、10ヶ月分も溜まっておりますし、どうしたもの
  かと、彼の実家に電話したところ、実家にもここ数年、顔も見せていないそうです。彼は、サラ金からずい
  ぶん借金しているとの噂を聞いたこともありますし、夜逃げをしたのではないかと思います。契約期間は、
  半年ほど残っておりますが、合鍵を使って、部屋の中の荷物を整理して、次の賃借人に貸してもいいでし
  ょうか。
A  賃借人の了解もなく勝手に合鍵を使って部屋に入れば、大家さんでも住居侵入等の罪になってしまい
   ますから、注意してください。あなたと店子との賃貸借契約は店子の行方が分からないからといって終
   わってはいないのです。まず、、店子の現在の所在を調べて分かるようでしたら、配達証明書付きの内
   容証明郵便で契約解除の通知を出します。次に、店子に対する部屋明渡請求の訴訟を裁判所に起こし
   ます。店子が通知を受け取らなかったり、その所在がどうしても分からないときは、訴状の中に「訴状が
   店子に届くことで契約を解除する」との記載をします。その訴状を送付しても届かなかったり受け取らな
   かった場合や送付先がどうしても分からない場合には裁判所に、書留郵便に付する申立(発送のときに
   送達があったものとみなす方法)や公示送達の申立(訴状を裁判所書記官が保管し、いつでも渡すとい
   うことを裁判所の掲示場に掲示し、その日から2週間経過したときに訴状が届いたとする方法)をとりま
   す。勝訴判決を得て、店子が部屋の中の荷物を片付け、あなたに鍵を渡して初めて、部屋を明渡したこ
   とになります。しかし、店子が自主的に出ていかなかったり、店子の行方がわからないままの場合は、
   明渡しの強制執行を申し立てることになります。いずれにしても、店子の占有を排除した後でなければ、
   部屋を次の人に貸すことは出来ません。
   

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