Q 私は友人に300万円を貸しましたが期限がきても返してくれなかったので、裁判所で調停をして、
  10回の分割払の調停が成立しました。しかし、その友人は2回約束どおり支払っただけで、後は
  また滞っています。せっかく調停までしたのにこのままでは納得できません。聞くところによれば
  調停が成立していれば、強制執行ができるとのことですが、それは、どのようにするのですか。
  なお、友人のめぼしい財産は給与しかありません。
A  あなたの友人のように、「裁判所で決着がついた問題」を任意に解決しない者に対して、法律
   はその者の意思に反してでも強制的に権利を実現する方法を用意しました。それを『強制執行』
   といいます。強制執行をするには、確定証明書付きの判決書や調停調書等の債務名義に基づ
   いて行います。管轄は調停をした簡易裁判所ではなく、上級の地方裁判所になります。あなた
   の場合は、友人の給与を差し押さえたいのですから、あなたは地方裁判所に対して、友人が会
   社に対して有する債権(給与のこと)を差し押さえてほしい旨の「債権差押命令の申立」をします。
   裁判所はそれを受理すると、友人と会社に対して「債権差押」命令を発します。これによって、
   仮に会社が友人に給与の全額を支払ってしまったとしても、あなたに対してその言い分は主張
   できません。その後、あなたは友人の会社と交渉して毎月の給与の内から自分に支払ってもら
   える金額(法律で決まっています)、支払方法、支払時期等を確認し、毎月の給与(賞与も含む)
   から支払ってもらい、あなたの債権の額が満足するまで続くことになります。

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