活動記録
期 | 年度 | 試合名・結果(男子) | 試合名・結果(女子) |
1 | 昭和48年 | 県総体出場 | . |
2 | 昭和49年 | 県総体ベスト16 @君津5−0岬 A君津4−1銚子水産 B君津5−0柏 C君津2−3天羽 ブロック予選 優勝 鈴木孝雄 |
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3 | 昭和50年 | 県総体2回戦 | 県総体ベスト16 @君津4−1匝瑳 A君津4−1流山 B君津2−2天羽 本数負 インターハイ県予選 ベスト16 森田晴子 |
4 | 昭和51年 | 県総体1回戦 ブロック予選 団体 3位 県新人大会1回戦 @君津2−2習志野 本数負 |
ブロック予選 団体 準優勝 インターハイ県予選 ベスト16 杉谷喜美恵 |
5 | 昭和52年 | 県総体ベスト8 @君津3−2茂原農 A君津4−1市立船橋 B君津3−1長生 C君津0−5安房 インターハイ県予選 ベスト16 田島博和 |
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6 | 昭和53年 | 県総体3回戦 @君津1−1千葉商 本数勝 A君津3−2君津農 B君津2−2木更津中央 本数負 インターハイ県予選 団体ベスト16 A君津4−1麗澤 B君津2−2大多喜 本数負 |
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7 | 昭和54年 | 県総体3回戦 @君津5−0千葉工 A君津5−0千葉商 B君津1−3千葉明徳 |
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8 | 昭和55年 | 県総体3回戦 A君津4−1千葉工 B君津2−3生浜 |
県総体3回戦 A君津3−2松戸東 B君津2−3柏日体 |
9 | 昭和56年 | 県総体1回戦 @君津0−5安房水 県新人大会2回戦 @君津3−2八千代 A君津1−4野田北 |
県総体3回戦 @君津4−1柏 A君津3−2鴨川第一 B君津1−4東金商 インターハイ県予選 団体1回戦 @君津0−4安房 |
10 | 昭和57年 | 県新人大会 団体3位 @君津3−2市立船橋 A君津3−2大多喜 B君津2−2野田北 代表勝 C君津2−3長狭 |
県総体3回戦 @君津5−0柏日体 A君津3−2佐倉 B君津2−3市立船橋 インターハイ県予選 団体ベスト8 @君津3−2多古 A君津3−2大多喜 B君津2−3千葉英和 個人 3位 浦島千恵子 県新人大会1回戦 @君津2−3生浜 |
11 | 昭和58年 | 県総体1回戦 @君津2−3市川東 インターハイ県予選 個人 3位 山下光男 ベスト 8 久保 剛 |
県総体女子ベスト16 @君津3−2鎌ヶ谷 A君津3−2匝瑳 B君津3−2麗澤 C君津1−3長生 インターハイ県予選 団体1回戦 @君津2−3市立銚子 |
12 | 昭和59年 | 県総体1回戦 @君津2−2東葛 本数負 県新人大会 ベスト8 @君津3−2安房水産 A君津4−1麗澤 B君津4−1習志野 C君津2−2茂原農 代表負 |
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13 | 昭和60年 | 県総体5位 @君津4−1船橋豊富 A君津4−0柏井 B君津3−2成東 C君津3−2大原 D君津1−4茂原農 順位決定戦 君津2−1市川 関東大会予選リーグ @君津4−1正則学園 A君津1−4埼玉栄 インターハイ県予選 団体3回戦 @君津5−0成東 A君津4−1木更津 B君津2−3大原 県新人大会ベスト8 @君津3−1千城台 A君津3−0小金 B君津4−1麗澤 C君津2−2安房 代表負 |
県総体2回戦 @君津3−2船橋西 A君津1−2成田 |
14 | 昭和61年 | 県総体4位 @君津4−1市川東 A君津4−1薬園台 B君津4−1成田北 C君津2−2茂原農 代表勝 D君津4−1木更津中央 E君津2−2習志野 本数負 3位決定戦 君津1−3館山 関東大会予選リーグ @君津3−1巣鴨商 A君津2−2鎌倉学園 インターハイ県予選 団体2位 @君津4−1船橋 A君津2−1千城台 B君津3−2一宮商業 C君津1−4館山 |
県総体2回戦 A君津1−2成田 |
15 | 昭和62年 | 県総体2回戦 @君津4−0幕張西 A君津1−4千葉明徳 インターハイ県予選 団体1回戦 @君津0−4拓大紅陵 県新人大会1回戦 @君津2−3八千代松陰 |
県総体3回戦 @君津4−1野田 A君津5−0船橋古和釜 B君津0−5木更津中央 インターハイ県予選 団体2回戦 @君津4−1鎌ヶ谷西 A君津0−5木更津中央 |
16 | 昭和63年 | 県総体ベスト16 @君津2−2松戸六実 代表勝 A君津3−2八千代 B君津2−1流山中央 C君津0−4拓大紅陵 インターハイ県予選 団体1回戦 @君津1−4船橋 |
県総体2回戦 @君津3−1船橋旭 A君津1−4市立船橋 インターハイ県予選 団体1回戦 @君津0−3茂原農 県新人大会2回戦 @君津3−2大多喜 A君津0−3市立船橋 |
17 | 平成元年 | 県総体1回戦 @君津2−3成田 県新人大会1回戦 @君津2−2船橋 代表負 |
県総体ベスト16 A君津3−2清和 B君津1−4銚子商 インターハイ県予選 団体2回戦 @君津4−1湖北 A君津0−2一宮商 県新人大会1回戦 @君津0−4一宮商 |
18 | 平成2年 | 県総体2回戦 @君津3−2安房農 A君津0−3拓大紅陵 インターハイ県予選 団体1回戦 @君津0−2長狭 個人 2回戦 高島幸正 |
県総体3回戦 @君津2−2布佐 代表勝 A君津3−1千葉北 B君津2−3成田 インターハイ県予選 団体1回戦 @君津1−3専大松戸 県新人大会ベスト16 @君津3−2千葉明徳 A君津3−2専大松戸 B君津1−4安房 |
19 | 平成3年 | 県総体2回戦 @君津3−2成田西 A君津0−3長狭 インターハイ県予選 団体2回戦 @君津4−1佐原 A君津2−3専大松戸 |
県総体1回戦 @君津2−3昭和学院 |
20 | 平成4年 | 関東予選2回戦 @君津5−0沼南 A君津0−2千葉敬愛 |
関東予選2回戦 @君津3−2市原八幡 A君津1−4野田北 |
21 | 平成5年 | 関東予選2回戦 @君津5−0国府台 A君津0−2大多喜 |
関東予選2回戦 @君津3−0幕張東 A君津0−5安房南 県総体1回戦 @君津2−3大原 |
22 | 平成6年 | 関東予選ベスト32 @君津2−1津田沼 A君津4−1小金 B君津3−2四街道 C君津1−1市立船橋 代表負 県総体1回戦 @君津1−4市川 |
関東予選2回戦 @君津3−2姉崎 A君津0−5大多喜 |
23 | 平成7年 | 関東予選2回戦 @君津4−0鎌ヶ谷 A君津2−2松戸六実 本数負 県総体1回戦 @君津0−3一宮商 県新人大会1回戦 @君津2−3中央学院 |
関東予選ベスト32 @君津5−0千葉北 A君津5−0白井 B君津1−4成田 県総体ベスト32 @君津2−2国分 代表勝 A君津2−3八千代松陰 |
24 | 平成8年 | 関東予選2回戦 @君津5−0検見川 A君津2−2成田 本数負 県総体1回戦 @君津1−4船橋 |
関東予選ベスト32 @君津4−0佐倉東 A君津3−1船橋 B君津0−5習志野 県総体ベスト32 @君津3−2長生 A君津1−4長狭 |
25 | 平成9年 | 関東予選2回戦 @君津3−0市原八幡 A君津0−3流経大柏 県新人大会1回戦 @君津1−2成田 |
関東予選ベスト32 @君津3−0拓大紅陵 A君津2−2鎌ヶ谷西 B君津2−3東海大浦安 県総体ベスト32 @君津4−1流経大柏 A君津2−2八千代松陰 本数負 県新人大会ベスト32 @君津3−0小金 A君津2−2東金商 本数負 |
26 | 平成10年 | 関東予選ベスト32 @君津4−0佐倉南 A君津5−0小金 B君津1−3市立銚子 県総体2回戦 @君津4−0佐原 A君津0−4東海大浦安 県新人大会ベスト32 @君津4−1千葉明徳 A君津2−2成田 本数負 |
関東予選ベスト32 @君津4−0国分 A君津5−0千葉東 B君津1−1市原 代表負 県総体ベスト8 @君津4−1志学館 A君津4−0松尾 B君津2−2長狭 本数勝 準々決勝 君津1−4習志野 ベスト16 水町久美栄 県新人大会ベスト16 @君津4−0市原 A君津3−1佐倉 B君津1−4長狭 |
27 | 平成11年 | 関東予選8位 A君津5−0県立船橋 B君津3−2長狭 C君津4−0八千代東 D君津3−2学館浦安 準々決勝 君津1−3横芝敬愛 優秀選手賞 山崎成人 関東大会予選リーグ 君津0−3横浜商大付 君津1−3高崎商 県総体ベスト16 @君津3−0千葉北 A君津3−1市立稲毛 B君津1−2拓大紅陵 県新人大会ベスト16 @君津2−1佐倉 A君津3−0県立船橋 B君津1−4長狭 |
関東予選1回戦 @君津2−3柏中央 県総体1回戦 @君津0−5成田 県新人大会1回戦 @君津0−3千葉英和 |
28 | 平成12年 | 関東予選ベスト32 @君津2−0我孫子 A君津4−0木更津 B君津2−2拓大紅陵 代表戦負 県総体ベスト16 @君津4−1流山中央 A君津3−2千葉敬愛 B君津2−2一宮商業 本数負 個人 ブロック 準優勝 鴇田義喜 個人 県ベスト16 鴇田義喜 県新人大会ベスト16 @君津4−1千葉南 A君津3−1我孫子 B君津2−2昭和秀英 本数負 |
関東予選1回戦 @君津0−3市立松戸 県総体1回戦 @君津0−4木更津中央 |
29 | 平成13年 | 関東予選ベスト32 @君津3−1千葉国際 A君津4−0専大松戸 B君津2−2袖ヶ浦 本数負 個人 ブロック 優勝 篠原仁志 個人 県ベスト32 篠原仁志 県総体ベスト16 @君津3−1我孫子 A君津3−1市立柏 B君津0−4習志野 個人 県ベスト16 溝口智章 県新人大会1回戦 @君津1−3習志野 |
関東予選1回戦 @君津1−2成田 県総体1回戦 @君津1−3一宮商業 県新人大会ベスト16 @君津4−1千葉黎明 A君津3−1流山中央 B君津1−2千葉敬愛 |
30 | 平成14年 | 関東予選2回戦 A君津1−2安房農 県総体1回戦 @君津2−3市立稲毛 個人 1回戦 阿部鉱平 県新人大会1回戦 @君津1−2小見川 |
関東予選ベスト16 A君津5−0茂原農 B君津4−0佐倉 C君津0−2千葉敬愛 県総体ベスト16 @君津4−0佐倉 A君津3−2中央学院 C君津2−3市立柏 個人 1回戦 鈴木郁美 県新人大会ベスト16 @君津5−0茂原 A君津3−1安房南 B君津0−2市立柏 |
31 | 平成15年 | 関東予選2回戦 @君津3−2柏西 A君津1−2千葉日大一 県総体2回戦 @君津4−1匝瑳 A君津0−2日大習志野 |
関東予選ベスト16 A君津4−1千葉国際 B君津3−1中央学院 C君津1−3大多喜 県総体3回戦 @君津3−2市立稲毛 A君津2−0千葉日大一 B君津1−3安房 県新人大会1回戦 @君津1−2日大習志野 |
32 | 平成16年 | 関東予選4回戦 A君津3−2銚子西 B君津2−1市立柏 C君津1−2長生 県総体3回戦 @君津2−1横芝敬愛 A君津2−1館山 B君津2(3)−2(5)長狭 |
関東予選1回戦 @君津2−3鎌ヶ谷 県総体1回戦 @君津2−3日出学園 |
33 | 平成17年 | 県新人大会1回戦 @君津0−4東海大望洋 関東予選1回戦 A君津1−4安房拓心 県総体1回戦 @君津1−3小見川 |
県新人大会1回戦 @君津1−4安房南 関東予選2回戦 @君津5−0土気 A君津0−4市立船橋 県総体1回戦 @君津1−2千葉英和 |
34 | 平成18年 | 関東予選1回戦 @君津1−3船橋東 |
県新人大会ベスト32 @君津3−2銚子西 A君津0−1学館浦安 関東予選ベスト32 @君津3−1芝浦工大柏 A君津0−4横芝敬愛 県総体ベスト32 @君津3−0市川北 A君津1−4千葉敬愛 |
35 | 平成19年 | 関東予選2回戦 @君津3−1小金 A君津1−3君津商業 県総体1回戦 @君津1−4東海大浦安 |
関東予選2回戦 @君津 不戦勝 柏中央 A君津2(3)−(4)2習志野 県総体1回戦 @君津1−2市立松戸 |
36 | 平成20年 | 県新人大会2回戦 @君津3−0流山東 A君津0−3拓大紅陵 関東予選3回戦 @君津5−0船橋法典 A君津4−0富里 B君津0−5東海大浦安 県総体ベスト32 @君津2−0流山南 A君津1−4安房 |
県新人大会1回戦 @君津0−3流山東 関東予選1回戦 @君津1−4東海大望洋 |
37 | 平成21年 | 県新人大会3回戦 @君津3−0船橋芝山 A君津5−0船橋旭 B君津0−4流大柏 関東予選2回戦 @君津3−2東京学館 A君津0−3拓大紅陵 県総体予選会 @君津2−2君津商 本数勝ち A君津3−2文理開成 B君津5−0千葉国際 B君津5−0安房拓心 県総体1回戦 @君津0−3大多喜 |
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君津高校創立20周年誌より
君津高校創立20周年誌に、「創部当時の活動状況」及び、「思い出に残るあの場面」という文章が、掲載されていました。と
ても臨場感があり、名文なので、原文のまま、掲載させて頂きます。
創部当時の活動状況
創部は昭和46年、顧問・池田功(現安房水産高)、主将・青木哲也(現君津中教員)、部員数5名で呱呱の声をあげた。当
時の部活動の多くがそうであったように、剣道部も君高名物の砂塵と、プレハブ舎屋の炎熱・酷寒を日々としつつ刻苦精進
を重ねていた。当時の練習といえば、隔世の感とは言わぬまでも、今とは様相を異にする内容であった。剣道部に歌い継が
れて来た「剣道小唄」なるものにその一端を垣間見ることが出来る。
一、空にゃ三日月 稽古帰り
背なにゃ 重たい剣道具
やるんじゃなかった剣道なんて
これが苦労のはじめでしょうか
二、今日の稽古は 先輩がずらり
小手だ面だと こずきまわされ
やるんじゃなかった剣道なんて
これが苦労のはじめでしょうか
三、昨日あいつが 剣道部をやめた
今日はおまえか このおれか
地獄の剣道 君高剣道
これが苦労のはじめでしょうか
特に3番になると、誰歌うともなく自然に声が大きくなった、凡そは察せられるところである。しかし、星露移り、人は去り、顧
問も石井正二(現袖ヶ浦高)から現在の左草 等に引き継がれてゆく中で、徐々に表面上の変遷を経ながら今日に至ってい
るが、その本質については忽せなる部分は微塵もない。むしろ本質を追求しようとする無垢な真情が、必然として変化を期し
て止まぬのであろう。先哲の言う「不易流行」と合致するところでもある。そういってみて想起されるのは、部訓の「守破離」で
ある。数多い剣道修業訓の中から、君高剣道部の基本理念として、現在も道場の正面に掲げられている言葉である。この
「守破離」はもと仏道修業の道程を闡明したもので、当然あらゆる武道芸道における蘊奥を示唆する教理である。
守・・・・・・・教えを守り、私意をさしはさむ事なく、ひたすら基本を身につける段階である。
破・・・・・・・学んだ教えを基礎中核として、守の殻を破り、自己の知能や個性を発揮して次第に自己の剣道を創造す
る段階である。
離・・・・・・・あらゆる修業の末に、ついに師の教えや一つの形にとらわれることなく、自己独自の剣風を発揮できる
段階である。
こうして見てみると、独り剣道修業の眼目にのみとどまらず、人間の一生の人格形成の正鵠を射抜いたことばであることに
首肯させられる。先に述べた、「本質は忽せにしていない」とは実はこの点に他ならない。時は移り人は変わっても微動だに
せぬ、本質(真理)を求めた練習の日々なのである。とは言うものの、高邁に過ぎて老成を衒うことを期している訳では勿論
ない。ある筆翰の中で左草 等は次のように述べている。やや長文そのまま引用する。
「剣道を志す人間の心構えとして、若人らしい明朗快活さのある、学校生活や家庭生活においても本校生徒の模範となり得
る、謙虚で素直な心を常に失わせぬようにと心掛けてきました。また『参加する事に意義がある』の美名を隠れ蓑に、兎角無
為に日々を過ごしがちである事を戒め、試合に臨んで負ける悔しさや勝つ喜びを十分味あわせ、そこから反省し、次の目標
に向かって更に努力するような逞しい気力、体力、技量を併せ持つ、バランスの取れた人間を育成する、この事も私の指導
信条であります・・・・・・・」
思い出に残る名場面
〔思い出に残る名場面@〕
惜敗し、臍をかんだ試合、苦しく辛い、合宿や寒稽古の風景、又一方で遠征途中の抱腹絶倒の演芸会・・・・、まさに走馬灯
の如く、限りなく脳裏に去来する、一コマ一コマの中から、後ろ髪引かれる思いで、一つだけ挙げるとすれば、宿敵木更津中
央高校を4対1で下し、関東大会に駒を進めた、昭和61年の総合体育大会であろうか。
先鋒遠藤、次鋒根本、中堅新野、副将榎本、大将中野、の布陣で臨んだ試合であった。。このメンバーで、数え切れぬ練
習試合をこなしてきた。県内は固より、東京での合同合宿や、秋田の魁星旗大会にも足を延ばし、万を持しての大会であっ
た。それまで木更津中央高校には勝っていなかった。私学と公立の、越えられぬ壁かと思いもした。今回も又阻まれるのか
、との戸惑いもあった。しかし、同じブロック同士の学校として、相手が君津の手の内を知り尽くしているのなら、当方も相手
の手の内に通じている。負けたことの無い者に油断あり。挑むものに利あり、である。案の定、苦しい勝負であった。好調の
先鋒が落とした。延長で勝負をかけただけに、ショックも大きい。5人戦剣道では、やはり先鋒の勝負が、その試合の行方を
、大きく左右するからである。しかし、絶好調の次鋒がすぐに取り返し、試合は五分に。続く中堅は、上段の新野。鋭い攻め
から、見事に小手を切って取り、これで2対1。3点先取で勝利となるわけだから、王手を掛けた事になる。あと一人で・・・。
あと一人で君津は勝ち、あと一人で中央は敗れる・・・。しかし安心は出来ない。今までも再三王手を掛けながら、それをひっ
くり返されてきた。そういうしぶとさのある相手なのだから。まだわからない、の思いが両者を往き来する。君津の副将は、調
子が今ひとつ思わしくない昨今だった。大将も万全とは言えない。しかし審判の「はじめ!」とともに否応無く試合は進む。一
本目を取ったが、すぐに2本目を取り返された。時間が迫る。声援が飛ぶ。剣先が相手を探りあう・・・。その時、相手がわず
かに間合いを詰めた。相手の体が動く。相メン・・・。審判は・・・。白旗3本。君津の勝利だ。関東だ。チーム全員の、心の中
を駆け抜ける静かな喚声。剣道は、喜びをガッツポーズという、無作法な表現で表さない。相手に対する礼である。目の前に
いる負けた相手への、礼を失するを、潔としないからである。しかし、無常の喜びであった。結局大将も勢いを得て快勝。スコ
アだけから言えば4対1の圧勝であった。この年はインターハイ県予選も優勝こそ逸したが、決勝まで駒を進めた。しかし、そ
の後中央高校にはなかなか勝てない。常勝チームが負けるから勝負は面白い。出ると負けのチームも勝つときがあるから
、また勝負は面白い。まさに勝負である。(顧問 左草 等 文中敬称略)
〔思い出に残る名場面A〕
「やったー!!」大将山崎成人が打った出がしらメンに赤旗3本が挙がり、チームの勝ちが決まった時、君津高校剣道部関
係者の誰もがそう思ったに違いない。平成11年5月15日、第46回関東高等学校剣道大会千葉県予選会で、本大会出場
が決まった瞬間である。実に13年ぶり3回目、悲願の出場権獲得だ。
2日間に渡るこの予選会の為に、準備万端、全てを合わせてきた。しかし、勝負の世界はそんなに甘くは無い。やっと勝ち
上がってきたのである。ノーシードの本校は、3回戦で一つの山を迎える。相手は、Bシードの長狭高校だ。先鋒戦は、チー
ムの総合力を考えても、まずリードしたいところだ。本校先鋒黒川は、チームのムードメーカーでもある。ところが黒川の気迫
をはるかに越える力が、相手にあった。無念の2本負け。次鋒鴇田は、選手の中で唯一の2年生。勝負強さがある。挽回を
期待するが、なかなか一本取れない。終盤になって力を発揮して、2本勝ち。勝負の流れが、本校に向いてきた。中堅沢野
は、高校入学後1番伸びた選手で、実力もつき絶好調。ただ相手も2年生だが、2年の中では、県内では間違いなくトップク
ラスの選手。先に一本取られる。ところが、逆に本人は、落ち着きを取り戻したかのように、完璧に2本取り返す。副将磯辺
は、上段の構え。接戦で息を呑む試合展開。いい機会で技が出るが、打突の正確性がいまひとつだ。しかし、気迫が旗を挙
げさせた。もう一本取ればチームの勝ちが決まる。またしても微妙な技だったが2本目も決まり、長狭高校を破った。大金星
である。今大会最大の難関としていた相手を破り気持ちも高まる。4回戦は、無難に勝ち上がり、いよいよ関東出場をかけた
5回戦。相手は、東京学館浦安高校。先鋒は、2本勝ち。しかし、次鋒が一本負け。中堅が一本勝ちするが、副将が一本負
け。2対2、本数で一本リードしているが、全くの五分といえる大将戦。大将山崎が勝てば、関東出場。負ければ、これで全
てが終わる。この大将戦に全てを託した。山崎は主将でもあり、今まで自分のことは勿論、チームのまとめ役として、人一倍
重責を担ってきた。又選手の中では、一番実績があったので、大将戦まで試合がもつれたら、山崎に任せようというチーム
だ。誰もが信頼しているし、もし彼が負けた時は、部員全員が負けたのと同じ、そんな感覚でいた。試合が始まり前半、メン
返しドウを打たれる。後が無い。それでも山崎は攻め続ける。自分の力を信じるしかない。得意技で勝負だ。まもなくメン技
で取り返す。今度は山崎がリードした状況。引き分ければ本数差で本校の勝ち。相手が前へ攻めてくる。そのほんのわずか
な瞬間、最高の打突の機会である、「出がしら」を逃さなかった。剣道競技はルール上、嬉しさや、喜びを、大袈裟に表現して
はいけない。自分が常に冷静さを保つ必要があるのと、相手に対する配慮であり、それを礼儀とするからである。しかし、そ
の時の選手達の顔には、我慢できぬ涙が溢れており、その涙が、今迄の辛さや苦しみあらゆる過程を物語っていた。まさに
感動の時であった。君津高校剣道部は、この10年間も、関東大会出場を目標に、日々の稽古に励んできた。中学校時代、
輝かしい戦歴を持っている者は、皆無に等しい。それどころか、中学から剣道を始めた者や、県大会に出場した事も無い者
ばかりだ。そんな者達が、関東大会を目指すのは、並大抵の事ではない。暑中稽古、寒稽古、校内・校外合宿、県外遠征、
練習試合、各種大会出場等、これ以上の事は出来ないという位の稽古量と、様々な経験を積んできた。「やれば出来る」生
徒の努力が、一つの結果として証明されたのだ。これまでもチャンスは何回かあったが、勝利の女神に恵まれなかった。そ
の悔し涙が今回の結果にもつながっている。最後に、我々がいつも肝に銘じていること、それは、感謝の気持ち。自分を取り
巻く、様々な環境や応援・援助・指導してくださる人々に対するもの。これなしでは、この結果も得られ無かっただろう。その
気持ちを忘れずに、これからも顧問・部員一体となって、精進していく事を誓う。(顧問 高橋達夫 文中敬称略)