活動記録

 期  年度 試合名・結果(男子) 試合名・結果(女子)
昭和48年 県総体出場 .
昭和49年 県総体ベスト16
 @君津5−0岬 
 A君津4−1銚子水産
 B君津5−0柏
 C君津2−3天羽
ブロック予選
 優勝 鈴木孝雄
.
昭和50年 県総体2回戦 県総体ベスト16
 @君津4−1匝瑳 
 A君津4−1流山
 B君津2−2天羽
   本数負
インターハイ県予選
 ベスト16 森田晴子
昭和51年 県総体1回戦
ブロック予選
 団体 3位
県新人大会1回戦
 @君津2−2習志野
   本数負 
ブロック予選
 団体 準優勝
インターハイ県予選
 ベスト16 杉谷喜美恵
昭和52年 県総体ベスト8
 @君津3−2茂原農
 A君津4−1市立船橋
 B君津3−1長生
 C君津0−5安房 
インターハイ県予選
 ベスト16 田島博和
.
昭和53年 県総体3回戦
 @君津1−1千葉商
   本数勝
 A君津3−2君津農
 B君津2−2木更津中央
   本数負
インターハイ県予選
 団体ベスト16 
 A君津4−1麗澤
 B君津2−2大多喜
   本数負
.
昭和54年 県総体3回戦
 @君津5−0千葉工
 A君津5−0千葉商
 B君津1−3千葉明徳
.
昭和55年 県総体3回戦
 A君津4−1千葉工
 B君津2−3生浜
県総体3回戦
 A君津3−2松戸東
 B君津2−3柏日体
昭和56年 県総体1回戦
 @君津0−5安房水
県新人大会2回戦
 @君津3−2八千代
 A君津1−4野田北
県総体3回戦
 @君津4−1柏
 A君津3−2鴨川第一
 B君津1−4東金商
インターハイ県予選
 団体1回戦
 @君津0−4安房
10 昭和57年 県新人大会 団体3位
 @君津3−2市立船橋
 A君津3−2大多喜
 B君津2−2野田北
   代表勝
 C君津2−3長狭
県総体3回戦
 @君津5−0柏日体
 A君津3−2佐倉
 B君津2−3市立船橋
インターハイ県予選
 団体ベスト8
 @君津3−2多古
 A君津3−2大多喜
 B君津2−3千葉英和
 個人 3位 浦島千恵子
県新人大会1回戦
 @君津2−3生浜
11 昭和58年 県総体1回戦
 @君津2−3市川東
インターハイ県予選
個人 3位 山下光男
ベスト 8   久保 剛
県総体女子ベスト16
 @君津3−2鎌ヶ谷
 A君津3−2匝瑳
 B君津3−2麗澤
 C君津1−3長生
インターハイ県予選
 団体1回戦
 @君津2−3市立銚子
12 昭和59年 県総体1回戦
 @君津2−2東葛
   本数負
県新人大会 ベスト8
 @君津3−2安房水産
 A君津4−1麗澤
 B君津4−1習志野
 C君津2−2茂原農
   代表負
.
13 昭和60年 県総体5位
 @君津4−1船橋豊富
 A君津4−0柏井
 B君津3−2成東
 C君津3−2大原
 D君津1−4茂原農
 順位決定戦
  君津2−1市川
関東大会予選リーグ
 @君津4−1正則学園
 A君津1−4埼玉栄
インターハイ県予選
 団体3回戦 
 @君津5−0成東
 A君津4−1木更津
 B君津2−3大原
県新人大会ベスト8
 @君津3−1千城台
 A君津3−0小金
 B君津4−1麗澤
 C君津2−2安房
   代表負
県総体2回戦
 @君津3−2船橋西
 A君津1−2成田
 
14 昭和61年 県総体4位
 @君津4−1市川東
 A君津4−1薬園台
 B君津4−1成田北
 C君津2−2茂原農
   代表勝
 D君津4−1木更津中央
 E君津2−2習志野
   本数負
 3位決定戦
   君津1−3館山
関東大会予選リーグ
 @君津3−1巣鴨商
 A君津2−2鎌倉学園
インターハイ県予選
     団体2位 
 @君津4−1船橋
 A君津2−1千城台
 B君津3−2一宮商業
 C君津1−4館山
県総体2回戦
 A君津1−2成田
 
15 昭和62年 県総体2回戦
 @君津4−0幕張西
 A君津1−4千葉明徳
インターハイ県予選
 団体1回戦 
 @君津0−4拓大紅陵
県新人大会1回戦
 @君津2−3八千代松陰
県総体3回戦
 @君津4−1野田
 A君津5−0船橋古和釜
 B君津0−5木更津中央
インターハイ県予選
 団体2回戦 
 @君津4−1鎌ヶ谷西
 A君津0−5木更津中央
16 昭和63年 県総体ベスト16
 @君津2−2松戸六実 
   代表勝
 A君津3−2八千代
 B君津2−1流山中央
 C君津0−4拓大紅陵
インターハイ県予選
 団体1回戦 
 @君津1−4船橋
県総体2回戦
 @君津3−1船橋旭
 A君津1−4市立船橋
インターハイ県予選
 団体1回戦 
 @君津0−3茂原農
県新人大会2回戦
 @君津3−2大多喜
 A君津0−3市立船橋
17 平成元年 県総体1回戦
 @君津2−3成田
県新人大会1回戦
 @君津2−2船橋
   代表負
県総体ベスト16
 A君津3−2清和
 B君津1−4銚子商
インターハイ県予選
 団体2回戦 
 @君津4−1湖北
 A君津0−2一宮商
県新人大会1回戦
 @君津0−4一宮商
18 平成2年 県総体2回戦
 @君津3−2安房農
 A君津0−3拓大紅陵
インターハイ県予選
 団体1回戦 
 @君津0−2長狭
 個人 2回戦 高島幸正
県総体3回戦
 @君津2−2布佐
   代表勝
 A君津3−1千葉北
 B君津2−3成田
インターハイ県予選
 団体1回戦 
 @君津1−3専大松戸
県新人大会ベスト16
 @君津3−2千葉明徳
 A君津3−2専大松戸
 B君津1−4安房
19 平成3年 県総体2回戦
 @君津3−2成田西
 A君津0−3長狭
インターハイ県予選
 団体2回戦 
 @君津4−1佐原
 A君津2−3専大松戸
県総体1回戦
 @君津2−3昭和学院
20 平成4年 関東予選2回戦
 @君津5−0沼南
 A君津0−2千葉敬愛
関東予選2回戦
 @君津3−2市原八幡
 A君津1−4野田北
21 平成5年 関東予選2回戦
 @君津5−0国府台
 A君津0−2大多喜
関東予選2回戦
 @君津3−0幕張東
 A君津0−5安房南
県総体1回戦
 @君津2−3大原
22 平成6年 関東予選ベスト32
 @君津2−1津田沼
 A君津4−1小金
 B君津3−2四街道
 C君津1−1市立船橋
   代表負
県総体1回戦
 @君津1−4市川
関東予選2回戦
 @君津3−2姉崎
 A君津0−5大多喜
23 平成7年 関東予選2回戦
 @君津4−0鎌ヶ谷
 A君津2−2松戸六実
   本数負
県総体1回戦
 @君津0−3一宮商
県新人大会1回戦
 @君津2−3中央学院
関東予選ベスト32
 @君津5−0千葉北
 A君津5−0白井
 B君津1−4成田
県総体ベスト32
 @君津2−2国分
   代表勝
 A君津2−3八千代松陰
24 平成8年 関東予選2回戦
 @君津5−0検見川
 A君津2−2成田
   本数負
県総体1回戦
 @君津1−4船橋
関東予選ベスト32
 @君津4−0佐倉東
 A君津3−1船橋
 B君津0−5習志野
県総体ベスト32
 @君津3−2長生
 A君津1−4長狭
25 平成9年 関東予選2回戦
 @君津3−0市原八幡
 A君津0−3流経大柏
県新人大会1回戦
 @君津1−2成田
関東予選ベスト32
 @君津3−0拓大紅陵
 A君津2−2鎌ヶ谷西
 B君津2−3東海大浦安
県総体ベスト32
 @君津4−1流経大柏
 A君津2−2八千代松陰
   本数負
県新人大会ベスト32
 @君津3−0小金
 A君津2−2東金商
   本数負
26 平成10年 関東予選ベスト32
 @君津4−0佐倉南
 A君津5−0小金
 B君津1−3市立銚子
県総体2回戦
 @君津4−0佐原
 A君津0−4東海大浦安
県新人大会ベスト32
 @君津4−1千葉明徳
 A君津2−2成田
   本数負
 
関東予選ベスト32
 @君津4−0国分
 A君津5−0千葉東
 B君津1−1市原
   代表負
県総体ベスト8
 @君津4−1志学館
 A君津4−0松尾
 B君津2−2長狭
   本数勝
 準々決勝
   君津1−4習志野
ベスト16 水町久美栄
県新人大会ベスト16
 @君津4−0市原
 A君津3−1佐倉
 B君津1−4長狭
27 平成11年 関東予選8位
 A君津5−0県立船橋
 B君津3−2長狭
 C君津4−0八千代東
 D君津3−2学館浦安
 準々決勝
   君津1−3横芝敬愛
優秀選手賞 山崎成人
関東大会予選リーグ
 君津0−3横浜商大付
 君津1−3高崎商
県総体ベスト16
 @君津3−0千葉北
 A君津3−1市立稲毛
 B君津1−2拓大紅陵
県新人大会ベスト16
 @君津2−1佐倉
 A君津3−0県立船橋
 B君津1−4長狭
関東予選1回戦
 @君津2−3柏中央
県総体1回戦
 @君津0−5成田
県新人大会1回戦
 @君津0−3千葉英和
28 平成12年 関東予選ベスト32
 @君津2−0我孫子
 A君津4−0木更津
 B君津2−2拓大紅陵
    代表戦負
県総体ベスト16
 @君津4−1流山中央
 A君津3−2千葉敬愛
 B君津2−2一宮商業
     本数負
個人 ブロック
  準優勝 鴇田義喜
個人 県ベスト16
        鴇田義喜
県新人大会ベスト16
 @君津4−1千葉南
 A君津3−1我孫子
 B君津2−2昭和秀英
      本数負
関東予選1回戦
 @君津0−3市立松戸
県総体1回戦
 @君津0−4木更津中央
29 平成13年 関東予選ベスト32
 @君津3−1千葉国際
 A君津4−0専大松戸
 B君津2−2袖ヶ浦
     本数負
個人 ブロック
  優勝 篠原仁志
個人 県ベスト32
      篠原仁志
県総体ベスト16
 @君津3−1我孫子
 A君津3−1市立柏
 B君津0−4習志野
個人 県ベスト16
      溝口智章
県新人大会1回戦
 @君津1−3習志野
 
関東予選1回戦
 @君津1−2成田
県総体1回戦
 @君津1−3一宮商業
県新人大会ベスト16
 @君津4−1千葉黎明
 A君津3−1流山中央
 B君津1−2千葉敬愛
30 平成14年 関東予選2回戦
 A君津1−2安房農
県総体1回戦
 @君津2−3市立稲毛
個人 1回戦
      阿部鉱平
県新人大会1回戦
 @君津1−2小見川
関東予選ベスト16
 A君津5−0茂原農
 B君津4−0佐倉
 C君津0−2千葉敬愛
県総体ベスト16
 
@君津4−0佐倉
 A君津3−2中央学院
 C君津2−3市立柏
個人 1回戦
      鈴木郁美
県新人大会ベスト16
 @君津5−0茂原
 A君津3−1安房南
 B君津0−2市立柏 
31 平成15年 関東予選2回戦
 @君津3−2柏西
 A君津1−2千葉日大一
県総体2回戦
 @君津4−1匝瑳
 A君津0−2日大習志野
関東予選ベスト16
 A君津4−1千葉国際
 B君津3−1中央学院
 C君津1−3大多喜
県総体3回戦
 @君津3−2市立稲毛
 A君津2−0千葉日大一
 B君津1−3安房
県新人大会1回戦
 @君津1−2日大習志野
32 平成16年 関東予選4回戦
 A君津3−2銚子西
 B君津2−1市立柏
 C君津1−2長生
県総体3回戦
 @君津2−1横芝敬愛
 A君津2−1館山
 B君津2(3)−2(5)長狭
関東予選1回戦
 @君津2−3鎌ヶ谷
県総体1回戦
 @君津2−3日出学園
33 平成17年 県新人大会1回戦
 @君津0−4東海大望洋
関東予選1回戦
 A君津1−4安房拓心
県総体1回戦
 @君津1−3小見川
県新人大会1回戦
 @君津1−4安房南
関東予選2回戦
 @君津5−0土気
 A君津0−4市立船橋
県総体1回戦
 @君津1−2千葉英和
34 平成18年 関東予選1回戦
 @君津1−3船橋東
県新人大会ベスト32
 @君津3−2銚子西
 A君津0−1学館浦安
関東予選ベスト32
 @君津3−1芝浦工大柏
 A君津0−4横芝敬愛
県総体ベスト32
 @君津3−0市川北
 A君津1−4千葉敬愛
35 平成19年 関東予選2回戦
 @君津3−1小金
 A君津1−3君津商業
県総体1回戦
 @君津1−4東海大浦安
関東予選2回戦
 @君津 不戦勝 柏中央
 A君津2(3)−(4)2習志野
県総体1回戦
 @君津1−2市立松戸
36 平成20年 県新人大会2回戦
 @君津3−0流山東
 A君津0−3拓大紅陵
関東予選3回戦
 @君津5−0船橋法典
 A君津4−0富里
 B君津0−5東海大浦安
県総体ベスト32
 @君津2−0流山南
 A君津1−4安房
県新人大会1回戦
 @君津0−3流山東
関東予選1回戦
 @君津1−4東海大望洋
37 平成21年 県新人大会3回戦
 @君津3−0船橋芝山
 A君津5−0船橋旭
 B君津0−4流大柏
関東予選2回戦
 @君津3−2東京学館
 A君津0−3拓大紅陵
県総体予選会
 @君津2−2君津商
  本数勝ち
 A君津3−2文理開成
 B君津5−0千葉国際
 B君津5−0安房拓心
県総体1回戦
 @君津0−3大多喜



君津高校創立20周年誌より

君津高校創立20周年誌に、「創部当時の活動状況」及び、「思い出に残るあの場面」という文章が、掲載されていました。と

ても臨場感があり、名文なので、原文のまま、掲載させて頂きます。

創部当時の活動状況

創部は昭和46年、顧問・池田功(現安房水産高)、主将・青木哲也(現君津中教員)、部員数5名で呱呱の声をあげた。当

時の部活動の多くがそうであったように、剣道部も君高名物の砂塵と、プレハブ舎屋の炎熱・酷寒を日々としつつ刻苦精進

を重ねていた。当時の練習といえば、隔世の感とは言わぬまでも、今とは様相を異にする内容であった。剣道部に歌い継が

れて来た「剣道小唄」なるものにその一端を垣間見ることが出来る。

     一、空にゃ三日月 稽古帰り

        背なにゃ 重たい剣道具
       
        やるんじゃなかった剣道なんて

        これが苦労のはじめでしょうか


     二、今日の稽古は 先輩がずらり

        小手だ面だと こずきまわされ

        やるんじゃなかった剣道なんて

        これが苦労のはじめでしょうか

     三、昨日あいつが 剣道部をやめた

        今日はおまえか このおれか

        地獄の剣道 君高剣道

        これが苦労のはじめでしょうか

特に3番になると、誰歌うともなく自然に声が大きくなった、凡そは察せられるところである。しかし、星露移り、人は去り、顧

問も石井正二(現袖ヶ浦高)から現在の左草 等に引き継がれてゆく中で、徐々に表面上の変遷を経ながら今日に至ってい

るが、その本質については忽せなる部分は微塵もない。むしろ本質を追求しようとする無垢な真情が、必然として変化を期し

て止まぬのであろう。先哲の言う「不易流行」と合致するところでもある。そういってみて想起されるのは、部訓の「守破離」で

ある。数多い剣道修業訓の中から、君高剣道部の基本理念として、現在も道場の正面に掲げられている言葉である。この

「守破離」はもと仏道修業の道程を闡明したもので、当然あらゆる武道芸道における蘊奥を示唆する教理である。

     守・・・・・・・教えを守り、私意をさしはさむ事なく、ひたすら基本を身につける段階である。

     破・・・・・・・学んだ教えを基礎中核として、守の殻を破り、自己の知能や個性を発揮して次第に自己の剣道を創造す            
            る段階である。

     離・・・・・・・あらゆる修業の末に、ついに師の教えや一つの形にとらわれることなく、自己独自の剣風を発揮できる
            
            段階である。

こうして見てみると、独り剣道修業の眼目にのみとどまらず、人間の一生の人格形成の正鵠を射抜いたことばであることに

首肯させられる。先に述べた、「本質は忽せにしていない」とは実はこの点に他ならない。時は移り人は変わっても微動だに

せぬ、本質(真理)を求めた練習の日々なのである。とは言うものの、高邁に過ぎて老成を衒うことを期している訳では勿論

ない。ある筆翰の中で左草 等は次のように述べている。やや長文そのまま引用する。

「剣道を志す人間の心構えとして、若人らしい明朗快活さのある、学校生活や家庭生活においても本校生徒の模範となり得

る、謙虚で素直な心を常に失わせぬようにと心掛けてきました。また『参加する事に意義がある』の美名を隠れ蓑に、兎角無

為に日々を過ごしがちである事を戒め、試合に臨んで負ける悔しさや勝つ喜びを十分味あわせ、そこから反省し、次の目標

に向かって更に努力するような逞しい気力、体力、技量を併せ持つ、バランスの取れた人間を育成する、この事も私の指導

信条であります・・・・・・・」



思い出に残る名場面

〔思い出に残る名場面@〕

惜敗し、臍をかんだ試合、苦しく辛い、合宿や寒稽古の風景、又一方で遠征途中の抱腹絶倒の演芸会・・・・、まさに走馬灯

の如く、限りなく脳裏に去来する、一コマ一コマの中から、後ろ髪引かれる思いで、一つだけ挙げるとすれば、宿敵木更津中

央高校を4対1で下し、関東大会に駒を進めた、昭和61年の総合体育大会であろうか。

 先鋒遠藤、次鋒根本、中堅新野、副将榎本、大将中野、の布陣で臨んだ試合であった。。このメンバーで、数え切れぬ練

習試合をこなしてきた。県内は固より、東京での合同合宿や、秋田の魁星旗大会にも足を延ばし、万を持しての大会であっ

た。それまで木更津中央高校には勝っていなかった。私学と公立の、越えられぬ壁かと思いもした。今回も又阻まれるのか

、との戸惑いもあった。しかし、同じブロック同士の学校として、相手が君津の手の内を知り尽くしているのなら、当方も相手

の手の内に通じている。負けたことの無い者に油断あり。挑むものに利あり、である。案の定、苦しい勝負であった。好調の

先鋒が落とした。延長で勝負をかけただけに、ショックも大きい。5人戦剣道では、やはり先鋒の勝負が、その試合の行方を

、大きく左右するからである。しかし、絶好調の次鋒がすぐに取り返し、試合は五分に。続く中堅は、上段の新野。鋭い攻め

から、見事に小手を切って取り、これで2対1。3点先取で勝利となるわけだから、王手を掛けた事になる。あと一人で・・・。

あと一人で君津は勝ち、あと一人で中央は敗れる・・・。しかし安心は出来ない。今までも再三王手を掛けながら、それをひっ

くり返されてきた。そういうしぶとさのある相手なのだから。まだわからない、の思いが両者を往き来する。君津の副将は、調

子が今ひとつ思わしくない昨今だった。大将も万全とは言えない。しかし審判の「はじめ!」とともに否応無く試合は進む。一

本目を取ったが、すぐに2本目を取り返された。時間が迫る。声援が飛ぶ。剣先が相手を探りあう・・・。その時、相手がわず

かに間合いを詰めた。相手の体が動く。相メン・・・。審判は・・・。白旗3本。君津の勝利だ。関東だ。チーム全員の、心の中

を駆け抜ける静かな喚声。剣道は、喜びをガッツポーズという、無作法な表現で表さない。相手に対する礼である。目の前に

いる負けた相手への、礼を失するを、潔としないからである。しかし、無常の喜びであった。結局大将も勢いを得て快勝。スコ

アだけから言えば4対1の圧勝であった。この年はインターハイ県予選も優勝こそ逸したが、決勝まで駒を進めた。しかし、そ

の後中央高校にはなかなか勝てない。常勝チームが負けるから勝負は面白い。出ると負けのチームも勝つときがあるから

、また勝負は面白い。まさに勝負である。(顧問 左草 等 文中敬称略)


〔思い出に残る名場面A〕

「やったー!!」大将山崎成人が打った出がしらメンに赤旗3本が挙がり、チームの勝ちが決まった時、君津高校剣道部関

係者の誰もがそう思ったに違いない。平成11年5月15日、第46回関東高等学校剣道大会千葉県予選会で、本大会出場

が決まった瞬間である。実に13年ぶり3回目、悲願の出場権獲得だ。

 2日間に渡るこの予選会の為に、準備万端、全てを合わせてきた。しかし、勝負の世界はそんなに甘くは無い。やっと勝ち

上がってきたのである。ノーシードの本校は、3回戦で一つの山を迎える。相手は、Bシードの長狭高校だ。先鋒戦は、チー

ムの総合力を考えても、まずリードしたいところだ。本校先鋒黒川は、チームのムードメーカーでもある。ところが黒川の気迫

をはるかに越える力が、相手にあった。無念の2本負け。次鋒鴇田は、選手の中で唯一の2年生。勝負強さがある。挽回を

期待するが、なかなか一本取れない。終盤になって力を発揮して、2本勝ち。勝負の流れが、本校に向いてきた。中堅沢野

は、高校入学後1番伸びた選手で、実力もつき絶好調。ただ相手も2年生だが、2年の中では、県内では間違いなくトップク

ラスの選手。先に一本取られる。ところが、逆に本人は、落ち着きを取り戻したかのように、完璧に2本取り返す。副将磯辺

は、上段の構え。接戦で息を呑む試合展開。いい機会で技が出るが、打突の正確性がいまひとつだ。しかし、気迫が旗を挙

げさせた。もう一本取ればチームの勝ちが決まる。またしても微妙な技だったが2本目も決まり、長狭高校を破った。大金星

である。今大会最大の難関としていた相手を破り気持ちも高まる。4回戦は、無難に勝ち上がり、いよいよ関東出場をかけた

5回戦。相手は、東京学館浦安高校。先鋒は、2本勝ち。しかし、次鋒が一本負け。中堅が一本勝ちするが、副将が一本負

け。2対2、本数で一本リードしているが、全くの五分といえる大将戦。大将山崎が勝てば、関東出場。負ければ、これで全

てが終わる。この大将戦に全てを託した。山崎は主将でもあり、今まで自分のことは勿論、チームのまとめ役として、人一倍

重責を担ってきた。又選手の中では、一番実績があったので、大将戦まで試合がもつれたら、山崎に任せようというチーム

だ。誰もが信頼しているし、もし彼が負けた時は、部員全員が負けたのと同じ、そんな感覚でいた。試合が始まり前半、メン

返しドウを打たれる。後が無い。それでも山崎は攻め続ける。自分の力を信じるしかない。得意技で勝負だ。まもなくメン技

で取り返す。今度は山崎がリードした状況。引き分ければ本数差で本校の勝ち。相手が前へ攻めてくる。そのほんのわずか

な瞬間、最高の打突の機会である、「出がしら」を逃さなかった。剣道競技はルール上、嬉しさや、喜びを、大袈裟に表現して

はいけない。自分が常に冷静さを保つ必要があるのと、相手に対する配慮であり、それを礼儀とするからである。しかし、そ

の時の選手達の顔には、我慢できぬ涙が溢れており、その涙が、今迄の辛さや苦しみあらゆる過程を物語っていた。まさに

感動の時であった。君津高校剣道部は、この10年間も、関東大会出場を目標に、日々の稽古に励んできた。中学校時代、

輝かしい戦歴を持っている者は、皆無に等しい。それどころか、中学から剣道を始めた者や、県大会に出場した事も無い者

ばかりだ。そんな者達が、関東大会を目指すのは、並大抵の事ではない。暑中稽古、寒稽古、校内・校外合宿、県外遠征、

練習試合、各種大会出場等、これ以上の事は出来ないという位の稽古量と、様々な経験を積んできた。「やれば出来る」生

徒の努力が、一つの結果として証明されたのだ。これまでもチャンスは何回かあったが、勝利の女神に恵まれなかった。そ

の悔し涙が今回の結果にもつながっている。最後に、我々がいつも肝に銘じていること、それは、感謝の気持ち。自分を取り

巻く、様々な環境や応援・援助・指導してくださる人々に対するもの。これなしでは、この結果も得られ無かっただろう。その

気持ちを忘れずに、これからも顧問・部員一体となって、精進していく事を誓う。(顧問 高橋達夫 文中敬称略)


トップページへ戻る