◇ ミニマム マンガ ◇
川原泉の漫画 「森には真理が落ちている」 には、「森の主の亀につまづいたら亀になってしまう」 という摩訶不思議な設定があります。
そこから派生して、「沼の主の亀につまづいたら身体が小さくなってしまう」 というシチュエーションが某所で話題に。
それを R.O.R の さなみさんが漫画になさっていたのに触発されて戯文を書いたら、さなみさんがさっそく漫画にしてくださいました。
初めての自作の漫画化に舞い上がり、一人で楽しむのはもったいないと、お願いして飾らせていただくことに。
思い描いていた通りの絵にしていただけて万々歳です。
これより以前の話はさなみさんのサイトにありますので、そちらも合わせてご覧いただければ、よりお楽しみいただけます。
ここでは、カノンとカミュが亀につまづいて小さくなってしまったところから話が始まります。
ミロは悩んでいた。カミュが小さすぎてまともなキスができないのである。唇の端から端まで1cmもないのではどうしようもない。
「しかたあるまい、あきらめろ。」
「やだっ!抱けば苦しいから離せって言われるし、ベッドに連れていけば下敷きになりそうだから別に寝るって言われるし、風呂に入れてやると言えば洗面ボウルで自分で洗うからいいと言って俺をシャットアウトするし!キスもできないんじゃ、恋人とは言えないだろうが!」
「大きさが違うのだから無理なものは無理だ。」
「俺に任せろよ。」
「え?」
横から出てきたカノンがにやりと笑うとカミュを引き寄せ、あっという間にキスを…!
「あ〜っ!」
「ふふふ、小さい者は小さい者同士うまくやろうじゃないか。」
「ばっ、ばっ、馬鹿者!」
ミロ半狂乱である。
じっさいには形だけでカノンは唇に触れてはいない。
「俺も亀につまづいてくるっ!」
「あっ、ミロ!カノンは私には別になにも…」
ミロ、出奔する。
「私のカノン、ミロをからかったらだめじゃないか。」
サガがカノンを抱き上げた。
「こうも小さいとやることがなくて退屈だからな。ちょっとした気晴らしだ。」
「いけない子だ。カミュにも迷惑だろう。」
「いえ…あの…」
そこへミロが飛び込んできた。
「カミュ、俺も小さくなったからな!」
「えっ!」
恐る恐るカミュが抱き上げたミロは小さすぎた。
「ミロ……お前、亀になにをされた?」
「なにをって…………2回つまづいた。」
「あ〜〜〜…」