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「 下手の長談義 」
「話の下手な人に限って、長い話をすること。また、そのために聞き手が迷惑すること」
の意だ。
上手な話し方にも幾つかの条件があるが、
・その場にふさわしい声の大きさ・高さで話す
・会話の流れを考えて話す
・その場にふさわしい内容である
・失礼のない言葉を使う
・相手の気持ちを考えて話す
等のほかに、論理性がなくてはならない。
論理の筋道が通っていなくては、冗長なだけで聞き手の心には響かないのだ。
俺はそんな難しいことを考えて話したことはないぜ、いつも自然体でやっている。
【その場にふさわしい声の大きさ・高さで話す】
お前の耳元で甘くささやいているぜ♪
ときどき息を吹きかけるのも効果的だ!
【会話の流れを考えて話す】
行くべきところへ行くように、無理なく会話を運ぶのも大事なテクニックだ!
どんな話題からでも、そっちのほうに流れを変えられなきゃ恋の熟練者とは言えん!
【その場にふさわしい内容である】
硬すぎる話はしない。
お前の心も身体もとろけるように、艶っぽくしっとりともっていく♪
【失礼のない言葉を使う】
カミュと過ごすには、これが肝心だな、丁寧にやさしく……しかし、時には決然とリードする!
カミュは、そういうのに弱いんだよ、最近わかったんだが。
【相手の気持ちを考えて話す】
カミュの意向がどこにあるかを探るのが肝要だ。
初めのころはよくわからなくて、「いや…」と言うのを本気にしたが、必ずしもそうじゃないんだな、これが♪
むしろ、その反対で………いや、これはいい。
論理性?
俺がカミュを抱きたくなる。
これは自然の摂理であって、そこには無言の論理、悠久の真理があるのだ。
では、ここで実践例を挙げてみよう♪
「カミュ………どうしてあの時に俺が助けに来たかわかる?」
「え………どうしてって……」
「お前の声が聞こえたからだ………俺の名を呼んで助けを求めてた……違うか?」
「あ………あの……私は…」
「それも普通の声ではなかった………もっと悲痛な……絶望にとらわれた叫びで………」
「あれは………あのときは……もうだめかと思って…」
「泣かないで……カミュ………もう大丈夫だから……」
「………サガが……あんな………あんなことを……私に………ああ、ミロ……」
「カミュ………カミュ……ほかの黄金でなくて、俺の名を呼んだのはなぜ………?」
「………それは……あの…………あ………ミロ!………なにを…!」
「お前が好きだ!……もう自分の気持ちを止められないし、止める気もない………カミュ………」
「あ……そんな…………そんなこと…」
「お前がサガにあんなことをされて……そんな光景を見せられて…………俺は………俺は…」
「……ミロ………」
「お前に……アクエリアスのカミュのこの肌に触れていいのは俺だけだ……出会ったときからそう決めている……ほら…こんなふうに…」
「あ……いや…………ミロ……………ミ…ロ…」
「今夜から俺のものになって………そして俺の全てをお前にやろう………………カミュ………こんなにこんなに愛してる……」
「ミロ………ああ………ミロ…」
「俺と二人であの月を眺めて………月に眺められて夜を過ごそう………………銀の月が俺たちの愛の証人だ………ねぇ、カミュ………俺のこと、好いてくれる?」
「ミロ………」
月の光に照らされた柔肌が淡く染まり、覆うもののない我が身を恥じらったカミュが顔をそむけて目を閉じる。
「朝まで愛しても……いいか…?」
白い手がミロの背にそっとまわされて、抑えようもない甘い喘ぎがミロの耳を快くくすぐっていった。
ざっとこんなところだ、難しい台詞は要らん。
しかし論理性があり、カミュの気持ちをまるで水が流れるように、俺の思いのままに操ることができるのだ。
正確には、気持ちだけではなく身体も、と付け加えておこう♪
結論を言わせてもらえば、「下手の長談義」、俺には無縁の諺だ。
そう思うだろう、カミュ♪
あれっ? カミュ、カミュ〜〜っ!!!!!!
ふうぅ〜ん♪
お前の話、ずいぶんと長かったが、聞き手としては全然迷惑じゃなかったぜ♪
「上手の長談義」と言わせてもらおうじゃないか。
ところで、 カミュはサガになにをされたのか実に興味があるし、実践例の続きも気になるんだが?
あ〜〜〜っっっ!!!!!!
◆◇◆◇◆◇◆◇
当初にミロ様が引用していた色艶話は黄表紙の 「愛のかたち」 の冒頭でしたので、
ここだけは新しく書き下ろしました(←大袈裟…)。
サービスでちょっと違う方向性のを書いてみました。
え? この前後はどうなっているのかですって??
むろん、ミロ様のお許しがないことにはサイトには載せられません!