咲かせて咲かせて 桃色吐息   あなたに抱かれて こぼれる華になる

………ミロ……まだ…遠いのか? ………早く…横になりたいから……
腕に力が入らなくてお前に……つかまれない…
……ん……わかった……頼む…

………あ…… ミロ…ミロ…!
………驚いた…落ちるかと思った……すまん、お前が私を落とすはずがなかったのに……
ふうぅ………いいワインは足に来るのか……?……こんなに歩けなくなるなんて…
ミロ……私は少し眠くなって……このままここで……
……あ……そんなこと………………わかった……わかったから、ミロ…
それなら……もっと強く抱いてくれなくては………私は眠ってしまうかもしれぬ……
まだ眠りたくない………もっとお前と過ごしていたい………せっかくの夜だから

ミロ……そんなに私を好いてくれるのか?
私のどこがそんなに好きだと……?
……あ………ミロ………ミロ……

       それならもっと私を抱いてほしい  もっと強く もっと もっと……
       私もお前を抱き返そう………ほら こんなにお前を愛している……
       ミロ…私のミロ………

……だめだ…ミロ……あまり腕に力が入らなくて…思うように……お前を抱けない………
だから飲みたくないと言ったではないか……なのにお前が私に……
……それは……いやではないけれど………ん…ミロ………ああ ミロ……もっと……………


「 カミュ お前は俺の一番大事な華なんだよ」
「 また そんなことを……いったい私のどこが華だというのだ?」
「 だって、俺はお前にワインを飲ませて 雨風から守ってやって それから余計な虫がつかないようにもしてる!だからお前の肌も髪もそんなにきれいなんだよ。 みんな俺の庇護のおかげだぜ、感謝しろよ。」
「 庇護とは聞いて呆れる! 私は誰の庇護も受けずとも生きていけるが?」
「 あれ? お前、知らないの?」
ミロがカミュの身体をぐっと引きつけた。
「 俺の愛が、お前の心を潤してるってことを。 俺の憧れがお前の髪を輝かせ、俺の手がお前の身体を……いや、これはいい……ともかくお前はもう、俺なしじゃ生きてゆけないんだよ」
「 ミロ………」
カミュが急に顔をそむけた。 ちょっと言い過ぎたかな?とミロが思ったときだ。
「 お前も、私なしでは生きてゆけまい?」
いたずらっぽい目がミロを見た。
「 カミュ……その通りだ、俺のカミュ……」

その夜、ミロは十二分に華の手入れをし、華のほうでもそれに応えていった。
花咲き匂うエーゲ海の夜、金色銀色 桃色吐息。





                            この曲を今まで使わなかったなんて信じられません。
                            というわけで、思いっきり甘くしてしまいました。
                            同時アップの 「咳をしてもひとり 」 が重かったので、その反動でしょうか。
                            この作品のために作ってもらった壁紙二種で、お二人の愛もレベルアップです。
                            

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