今以上 それ以上 愛されるのに
  あなたはただ恥らうより てだてがなくて
  あの消えそうに 燃えそうなワインレッドの
  心をまだもてあましているのさ この夜も
                     
 作詞 : 井上陽水   「ワインレッドの心」より



 もっと自由にすればいいのに カミュ…………
 思うとおりに振舞って 俺を困らせてもいいんだぜ
 お前の言うことならなんでも聞いてやるよ ああ 俺にできることならなんでもする ほんとうだ

 いま一番してほしいことは?
 俺に言ってほしいことは なに?
 次はどこにキスしてほしい?
 カミュ……カミュ……教えてくれないか?

      そんな………そんなことを言われても……
      なにも思っていないわけではないけれど とても言えない……
      私はいつも……そう……待っているだけで……
      泣きたいくらいお前が好きなのに 
      いつもいつも 抱かれていたいのに

 ………そうだな……こんなことを聞いてすまなかった
 お前が困るのはわかっていたはずなのに
 でも………ほてった身体を持て余してない? そんなふうに見えるんだけどな
 あ…わるい………ますます恥らった……
 ふふふ ……お前のそんなところが可愛いんだよ
 今夜のお前……髪も眼も さっきのワインみたいに葡萄色に見えるぜ すごく綺麗だ


 「 もうすこし飲む? カミュ」
 「 ……そうだな…少しもらおうか」
 「 ほんとに少しだけだぜ、多すぎるとすぐ眠っちまうんだからな。そんなことはこの俺が許さん!」
 ミロが笑いながら注いだグラスに、カミュが白い手を伸ばす。
 「 違う、そうじゃない」
 「 え?」
 「 お前がちっともしてほしいことを言わないから、今夜は俺がしたいようにさせてもらう。覚悟しろよ」
 ミロが葡萄色の液体を口に含んだ。

     あ……………

 「 どう? カミュ」
 「 ミロ………あの……」
 「 なに? 早く言って……」
 「 もっと……あの……抱いてくれても…私はかまわない…………」
 口移しに飲ませたたワインは確かに効いたようだった。
 「これ以上は飲ませないから、安心して、カミュ………このあとは俺が存分に酔わせてやるよ」
 頬を赤らめたカミュをそっと抱きしめる。
 濃密なワインレッドの夜が始まろうとしていた。



 
              とても印象的な歌です。
              「あの消えそうに燃えそうな」の部分が、実に切なく心に響きます。
              この作品に関してだけは、カミュ様、原作カラーでもいいかも ♪

              初めての 「ミロ様 ワイン口移し大作戦」 は効果抜群のようです。
              ミロ様、キスに関してはどんなバリエーションもお手の物。
              それにしてもカミュ様、
              世界一キスの上手い人が恋人だなんて、知
らないんでしょうね、きっと。