青い空が お陽様に溶ける  白い波が 青い海に溶ける 
  青い空は 私の恋の色  青い海は 貴方の愛の色   
  恋は水色 空と海の色  
  青い海と水色の空が愛し合ってひとつに結ばれる 

                                                        AndreC.Popp   作曲 


              カミュ  カミュ  お前は青い海  いつでも俺を包んでくれる青い海だ
                  深くて底知れなくて  お前の中で溺れてしまいそうだよ

               ミロ  ミロ  お前は青い空   私の色を映す瞳さえもが青い空
                私の色を吸い取って  もっと澄んだ青空で私を包んで欲しい



「だから、カミュ………もっとお前を愛したいから、もっとこっちに来て♪」
「でも……これ以上近寄れぬ……」
「だめ、そんなこと言わないで。 ほら、こうすればもっと……♪」
「あ……ミロ、そんな…」
俺の腕の中でカミュが頬を染め、言葉を継げずに息を呑む。

   どうしてこんなに滑らかで吸いつくような肌をしているのだろう?
   俺に巡り会うために、俺に抱かれるために生まれてきてくれたのか?
   大好きだ  愛してる  お前がいなければ生きられない
   いつまでもいつまでもこうしていたい

「ねえ、俺のこと 好き? 愛してくれてる?」
「また、そんなことを…」
言葉で答えないのはいつものことだが、より深く俺を抱きしめてくれるのは、しなやかなカミュの腕なのだ。
「ねえ、カミュ……お前は海で俺は空。 そのことは前にも言ったろう? 空と海が夜になったら見えなくなるのはなぜだと思う?」
「………え?」
夢見心地のカミュは、俺の問いに甘いまなざしで答えるだけなのだ。
「それはね………夜の暗さの中で空と海が一つに結ばれて溶け合うからなのさ そう、今の俺たちみたいに♪」
「そんな……」
恥じらうカミュに俺は口付けを贈る。 甘くやさしく あらん限りの想いを込めて。
「一つになって同じ夢をみよう………こんなに こんなに お前を愛しているよ……」
すがりつく手が俺の心をかき乱し、高鳴る鼓動がお前の歓びを教えてくれる。
「もっと……もっと溶け合えるように私を抱いて……そうすれば朝が来ても離れずにいられるから……」
「カミュ…!」
俺の耳元に口寄せて甘くささやくカミュのいとしさに、思わず強く抱きしめた。
「愛してる…こんなに、こんなに愛してる……いつまでも俺の海でいて……お前の色に染まりたい♪」
心ゆくまで深い暖かい海に溺れこんだ俺は、青い海に抱かれていつしか夢路についていった。




               日記のミニミニから派生した、ミロ様自筆の古典読本です。
               一応、そのミニミニも載せておきましょう。

                 (だから、今夜はミニミニは、なしです。) 
                 「えっ、そうなのか?楽しみに待っていたのにっ!」 
                 「なにを、だ?」 
                 「だからミニミニ♪」 
                 「そのフォントの色はなんだ?」 
                 「なんだ、って………あのぅ…」 
                 「ミニミニではいけないのか? 
                 「いや、いけないってわけじゃ……」 
                 「梅雨時には水色のほうが爽やかでよかろう。異存はあるまいな?」 
                 「え……あの…」 
               「あるまいなっっ!」 
                 「はい…ありません…」 
  
                     くそっ、このごろカミュの押しに負けてるのはどういうわけだ? 
                     こんなことでは、スコーピオンの名がすたるっっ! 
 
                 「水色って好きだぜ、青空とかエーゲ海とか、ともかく涼やかだからな♪」 
                 「そうであろう。やはりお前もそう思うか♪」 
                 「もちろんだ!そうそう、いい曲があるぜ!『恋は水色』、知ってるか?」 
                 「いや、知らぬ。」 
                 「日本語の歌詞がまたいいんだよ。 
 
                    青い空が お陽様に溶ける  白い波が 青い海に溶ける 
                    青い空は 私の恋の色  青い海は 貴方の愛の色   
                    恋は水色 空と海の色  
                    青い海と水色の空が愛し合ってひとつに結ばれる 
 
                  どうだ、なかなかのものだろう♪」 
                 「青を基調にした抽象的な表現だな。」 
                 「カミュ……お前、それだけしか思わない?」 
                 「ほかになにが必要なのだ?」 
                 「しかたないな……それじゃ、今夜は俺が古典読本を書いてやるから待っていろよ♪」 
                 「え?」
 

               こうして出来たミロ様の処女作です。

                 「ふふふっ、処女作って言われちゃ、どうにも照れるね♪」
                 「古典読本というより、黄表紙ではないのか?」
                 「え?………そういえば……」