めぐりあひて見しやそれとも分かぬまに 雲がくれにし夜半の月影 |
新古今集より 紫式部
【歌の大意】 久しぶりにめぐり会ったのに、
昔見たなつかしいその人かどうかと、はっきり見分けもつかないうちに、
雲間に隠れる月のように、たちまち帰ってしまったあなた・・・・・
月か・・・・・・ふっ・・・そうかもしれぬ
ハーデスより与えられたこの仮初めの命は 夜明けの光とともに露のように消え果てるのだ
童虎よ このシオンが地上にいられるのもあとわずか・・・・短い逢瀬だったな
思えば 243年前の前聖戦で生き残った我等二人
その後は 聖域と五老峰にわかれて会うこともなく 長い年月が経ったものよ
それがこんな形で逢うことになろうとはな・・・・・
今さらだが 黄金聖衣がそんなにも美しいものだとは知らなかったことだ
月の光を浴びてなんと誇らしく 毅然として輝いていることか !
童虎よ お前が羨ましくてならぬわ・・・・・
我が身が纏う この闇の衣が口惜しくてならぬ
黄金聖衣を纏った姿を思い出してもらえたらどれほど嬉しいことだろう
さて・・・・・再び会うことは叶わぬだろうな
もっと話がしたかったが やむを得ぬ
これが今生の別れぞ 笑って送ってくれるか?
あとのことは頼む・・・・・・童虎よ・・・・・・・・
・・・・アテナの御武運を祈る・・・・・・・・さらば・・・・・
思いがけず再びの生を得た黄金たちは
何を想いながら十二宮を駆け抜けていったのでしょう・・・・・・?
数え切れない思い出を胸に抱きながら
死よりも辛い試練に立ち向かっていった彼等のことを
いつまでも 忘れてはならないと思います。