僕がそばにいるよ 君を笑わせるから 桜舞う季節かぞえ 君と歩いていこう |
「
桜 」 歌 河口 恭吾
ほら、あそこに咲いてるだろう あの花をお前に見せたかったんだよ
ほう! これは見事な!! なんという花なのだ?
さあ?・・・・・わからん!
どうだ、下から見上げると一段と綺麗だろう?
うむ、遠目にも素晴らしかったが、実に華やかなものだ
足元にもこんなに花が散り敷いている
カミュ・・・・・・お前、笑ってるぜ
え・・・・私が?
ああ、まるでこの花みたいに・・・・・・・もっと笑えよ 笑ってるお前も好きだ
そんなことを言われても・・・・
横を向くなよ せっかく来たんだからこの花と妍を競ってみるのも一興だ
ミロ!!
ほら、怒らない! 花の下で怒るなんて無粋だぜ?
しかし、・・・あ、風が・・・・
ほう! お前は雪を降らせるが、この花も同じだな!
これはまるで花吹雪だ!!
ミロ、お前の髪に花びらが・・・・・・
お前もだよ・・・・・・ほら、首筋にも・・・
あ・・・・・・・・ミロ・・・こんなところで!
いいじゃないか もう夕暮れだ 誰も見てないさ
『 花よりほかに知る人もなし 』 っていう言葉もあるぜ?
よしんば見られたとしてもかまうことはない 花の下では何をしても許される
・・・・・・そんな話は聞いたことがないが?
うん、決めたのは俺! だからもう一度・・・・・
ミ・・・・・・・
ふふっ・・・・・・
なっ・・・なにがおかしいっ?!
おかしかったわけじゃない
『 花のかんばせの恥らうさま 』 ってのは、こういうことか、って思ったのさ
遠出してきたかいがあったというものだ 花もお前もいい目の保養だよ
・・・・・・・・・
なあ、カミュ・・・来年も見に来ようぜ
来年も・・・・再来年もだ
またお前を恥らわせるが、それでもいい?
・・・・・・ばかもの・・・・・・
出だしの 「僕がそばにいるよ」、
このフレーズだけでもう十分なくらい、この歌はミロカミュな気がします。
桜に合わせて、ミロ様の台詞も花尽くし。
しかし、夕方でこれです、
夜桜なぞ見にきたら、いかなることにあいなりまするやら(笑)。
さて、桜の下では、ミロ様が常にイニシアチブを取ります。
カミュ様も押されてばっかりいないで、たまには強く出てみてもいいのにねぇ。
「またお前を恥らわせるが、それでもいい?」
「すぐお前はそれだ!そういうつもりなら、私は来年はここへは来ない。 花好きなアフロとでも来ればよかろう!」
「ふうん、それでもいいんだ、カミュは!」
ミロの目が悪戯っぽく光る。 カミュがはっとしたときには、もう遅かった。
「そんなことを言うのなら、俺がお前の本心を悟らせてやるぜ」
あっという間にミロの両腕がカミュを抱きすくめ、花の唇に柔らかいキスが与えられる。
初めは身を固くしていたカミュの手がやがてミロの背に回され、長い髪が切なげに揺れるころには、ミロも力をぬいて優しく
カミュをかきいだいている。
すでに桜色に染まった耳朶からうなじにかけてそっと唇を滑らせながら、ミロが囁いた。
「来年も再来年も、俺は桜の下でお前を愛したい・・・・どう?カミュ」
「・・・・・お前がそうしたいと言うのなら・・・・」
そういったカミュの頬に朱の色が散り、その恥らう様子をミロはたいへんにいとしいと思ったのである。
カミュ様…………どこも強くないです!!!!
単にミロ様が実践に(実戦に?)強いって証明しただけ・。
ところで、ミロ様が引用した 「花よりほかに知る人もなし」。
これは百人一首にある大僧正行尊の歌、
「もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかに知る人もなし」です。
吉野の主峰、大峰山での厳しい修行中、山中にひとり咲く桜を見つけ、
「(私がお前をなつかしく思うように)
お前もこの私をなつかしいものと思ってくれ、山桜よ。
こんな山奥ではお前以外に心持ちのわかる人はいないのだ」 の意です。
ぜんぜん違いますけど、ミロ様 。