牀前 月光を看る   疑うらくは 是れ地上の霜かと

   頭を挙げて 山月を望み  頭を低れて故郷を思う

                                                              李白   「静思夜」

         しょうぜん げっこうをみる  うたごうらくは これ ちじょうのしもかと
           こうべをあげて さんげつをのぞみ  こうべをたれて こきょうをおもう

【歌の大意】    思いに耽っていると月光が寝床の前にさしてきた
           それはまるで地上の霜かと思うほどに白く輝いている
           遥か山上の月を見上げ 首をうなだれて遥かな故郷に思いを馳せるのだ






カミュ  カミュ  どうしてお前はそんなに美しい
張り詰めた氷も 地上に降りた霜も けがれを知らぬ雪さえも  お前ほどには白く輝かぬものを
雪よりも 霜よりも 冴えかえる純白が お前を包んでいる



   ミロ………ミロ……お前は知らぬのか
   私のうちに眠る熱い思いに まだ触れていないのか

   誰よりも深く お前を思う私の思いを 受け取って欲しい
   そして私を包む白いベールをとかしてほしい
   
   ミロ………その手で私に触れて………